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先生、頑張って!・・・いじめの発端への対応

発行日: 2004/8/31


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メールマガジン【先生、頑張って!】
2004年8月31日:第13号

今回の項目
■いじめの加害者
■良い学校でも・・・発端
■最初の状況と対処
■学年団・・同学年の担任集団
■いじめと教育管理職
■組織的対応
■小中学校
■事情聴取とその後
■真の問題解決とチームワーク

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 今現在、私は海外におります。
メルマガの発行の間があいてしまいました。
申し訳ございませんでした。
今回は、いじめの発端への対応について触れたいと思います。
次回は海外にいて、思うことを述べさせていただきたいと思います。 


 8月5日(木)の昼、専門書を探しに、東京駅から日本橋、神田・神保町
と車で移動していました。疲れて車で休んでいた時、車内テレビを見ましたら、
木曜サスペンス劇場というのを、放映していました。何の気なしに見ている
うちに引き込まれて、途中から最後まで見てしまいました。

 帰宅して番組欄をみたら、タイトルは「事件?・中学校長殺した女!いじめ
自殺で息子の命を奪われた母が裁かれる時・・」というものでした。

 主演は、弁護士役の北大路欣也でしたが、助演?の母親役の女優さんの演技
が出色でした。だから、普段、学校ものの番組は見ることの無い私が引き込ま
れたのだと思いました。

■いじめの加害者
 前振りが長くなってしまいましたが、いじめについて書きなさいという、天
からの啓示か、と思いますので、途中まで書いていたものを止めて、今回は
いじめの発端への対応について触れたいと思います。

 いじめについての概念規定や分析は、私の得手とするところではありません。
他の多くの教育学者・評論家などの学識者にお任せしたいと思います。
ここでは、いじめの発端への対処とその周辺についての経験を述べたいと思い
ます。ここに書いた内容がすべてのいじめに通じて有効である、という気持ち
は当然のことながら全くありません。

 ここで扱う理由は、いじめには、実際にどういうことが生じ、問題になるの
かを、知って欲しいからです。その点で、先述したドラマは、周辺の多くの問題
を明示していて、とても良かったと思います。
今回のここでは、学校内のより狭い範囲を述べます。

 いじめの原因は、いろいろあります。生徒が言ういじめの理由も、いろいろ
あります。多様な原因や理由ですが、多様ではないものがあります。それは、
多くの場合、加害者は特定されるということです。

 加害者はなんらかの物理的な力があるから、加害者になりいじめをすることが
できます。小中学校とは異なり、高校のいじめは、グループ内では、加害者・
被害者がコロコロと立場が入れ替わることはあまり見受けません。主犯格の
加害者はいつも、特定できます。

 主犯格以外のシンパは、多少変わることがありますが、ベクトルの方向は一定
です。被害者が加害者シンパに変わる、取り込まれる方向です。

 ただし、1学期によく生ずる、クラス間やグループ間の覇権?争いでは、ある
クラス内の加害者が、別のクラスの加害者にいじめられて被害者になる、という
ことはあります。

■良い学校でも・・・発端
 私の経験した高校の中では最も良い学校で、私が担当していたクラスでいじめ
事件が起こりました。良い学校でしたので、結果として再発を防ぐことができ
ました。方法が正しかったかは諸説があると思いますが。
 
          ここで触れている”良い学校”とは、有名校とか一流校
         とか、という意味では使っておりません。私にとって良い
         学校とは、学校全体の方向性がしっかりとあり、教職員が
         その方向性を認識し、かつそれを実現するために、新しい
         仕事でも容易に協力し合えている職場、ということです。
         この基準でいきますと、高校の9割方の学校は該当しない
         と思います。

 ある日の帰りのホームルームで、生徒が2人いませんでした。生徒達は、
「トイレにいっています。後で必ず戻ってくるから、確認しなくても大丈夫
だよ。私達はクラブ活動があるので、一応ホームルームは終えて下さい。
掃除の時間内には戻ってくるから、その時に遅刻した2人を注意をして下さい。
これ以上待ったら、クラブに遅れて顧問や先輩に怒鳴られる。」と言っていま
した。

 2人の内の一人(以降、A君とします)が、普段から行動に問題があったので、
ピンときました。生徒全員をそのままに残して、戻ってくるのを待つことに
しました。案の定、一部の生徒たちの表情が硬くなりました。「クラブの先輩
には、私のことを理由にしなさい。それでも顧問や先輩方に不満があるのなら、
私が責任を持って、直接に顧問の先生方や先輩に説明しに行きます、と言い、
激しいブーイングの中、待つ方針、クラスの生徒たち全員を残すことを貫き
ました。

       ここで、「行動に問題があった」とは、その生徒が授業中寝て
      ばかりで、宿題も提出しない等、の授業をもってくれている教科
      の先生方の話、彼を取り巻く生徒の言動(彼だけに、さん付け
      して呼び、いつも行動の中心にいる)、体育の授業風景などを
      見聞きして判断しました。

       先日も新聞をにぎわしていた学校内でのいじめで、お金を総額
      約100万円を取られた事件が発覚した時、校長は問題なかった
      と思った、気づかなかったと言っていました。これだけの答弁で
      済まされています。指導管轄の教育委員会でも責任ある答弁は
      されていません。それは当然で、方法論も無ければ、システムも
      無い、ましてや校内でシステムを構築できる教師もいない、と
      いう状況であるのが今の学校現場だからです。授業中心主義だけ
      の学界も一定の責任があると思っています。

       学生さんのように個人的な机上の努力だけして、その延長線上
      に授業を考えている、学生さん気分が抜けない教員が多い。そこ
      には、授業ならびに授業以外のことに関する教職員間の連携プレ
      ーなどの組織的な動きが全くできない”点取り虫”の姿だけが
      あるのではないでしょうか。中には授業外の業務が全くできない
      教員もよく見かけてきました。

       昭和22年の学習指導要領では、教科過程で、教科のみ学習指
      導要領が述べられていました。昭和26年になって、ようやく
      教育課程という表現になり、教科以外の学校行事やクラブ活動
      なども教育の課程として含まれることになりました。ですが、
      教育を語る有識者の多くが、未だ教科のみ、授業だけで学校が
      成立すると考え、それ以外の側面を真剣に取り扱おうとはしない
      ことも大きいと思います。

       教員養成課程にも、管理職養成にも、教科以外の学校行事など
      の運営や危機管理マニュアルに関することや、チームワークの
      構築やリーダー養成のノウハウなど含まれてなく、全く学んで
      いないのが実情ではないでしょうか。あるいは、以前のメルマガ
      で触れたように、単に知識としてのみ教えられている可能性も
      あります。自力で答を出し発表し実践するような、他人事では
      済まされない方法で教育されるべきだと思います。

       生徒への観察法も、具体的に何を見たらよいのか、どう判断し、
      どう対処したらいいのか、どこがポイントなのか、などよく知ら
      ないのではないでしょうか。私自身も教育困難校で、授業、補習、
      放課後の掃除中、体育・芸術・音楽の授業、文化祭・体育祭・
      遠足などの学校行事の準備状況や行事中、保健室の状況、昼食時
      の風景などを観察し、自力で鍛えましたので、私の方法が完璧
      とは言う自信はありません。ですが、自然観察法というものは
      あっても、生徒観察法がないのは、奇異に感じるのは私だけで
      はないと思います。

       学校教育とは誰を相手にした仕事なのでしょうか。
      企業には消費者を観察するマーケテイングがあり、消費者購買
      行動の分析などは基礎中の基礎なのに、教育界では授業運営
      や問題行動についてのものに限られています。大きな問題行動
      が生じてから取り扱われますが、それでは真の問題解決には
      ならないのではないでしょうか。

       教頭・副校長も含めると20人近く出会っている教育管理職
      の方で、生徒観察法やどう生徒・保護者に対応するのかがわかっ
      ていると思った方は一人もいませんでしたし、具体的に質問
      しても誰も適確に答えてはいただけませんでした。難しい管理
      職試験を受けるのですから、そんな暇は無かったのでしょうし、
      真剣に事件に係わる大きなリスクをとる気にもならなかった
      でしょう。私も管理職試験を狙っていたら、同じだったと思い
      ます。

■最初の状況と対処
 ホームルームが終わったと思ったのか、10分近くして、2人とも帰って
きました。勝ち誇ったように笑みを浮かべて、問題があった生徒A君が
最初に教室に入ってきました。次にしょげたようにして、ズボンの前を
濡らした生徒(以降、B君とします)が入ってきました。

 いじめと、察した私は、2人を連れて、職員室以外の別の部屋(化学室
などの特別教室の準備室など)に2部屋別々に入れて待機させました。
最初に被害者と思われる生徒B君に、私一人で質問をしました。「あなたの
主観は別にして、事実として何があったのか、時系列的に一挙一動を言い
なさい」と言いました。いじめとかの概念は使わずに、個々の事実で確認
をしたかったからです。ここは非常に重要なポイントと思います。

「大便用の個室から出て流しの所で、A君と出会って言われた。おまえは、
流しの所を使った後、いつもビショビショに濡らしたままして放っておく
から、こっちもズボンを濡らされたんだぞ、生意気だ云々」、とA君に言われ、
胸倉をつかまれたまま、大便用の個室に入らされた・・・等々とB君が話し
始めました。

 この段階でいじめと判断しましたので、B君にレポート用紙に事実だけを
一挙一動を時系列的に書くように指示して、その部屋を退室して、職員室に
向かいました。学年主任に報告し、学年担任団に今回の事実を報告し、次に
クラスの生徒間の実情と、A君の授業状況などの報告をしました。

■学年団・・同学年の担任集団
 授業を持っていてA君を教えていた教師が多かった学年団でしたので、
対等な位置で、意見を言っていただけて、結果として私と同じ意見にまと
まりました。他の先生方も、このままにしたら第2、第3、第4のB君
が出てくるのは時間の問題と思っており、いじめ事件ということで学校
全体の問題として本格的に指導する方向へ動きました。

     いじめ事件の発端をつかむ難しさは、表に表れにくいことです。
    加害者も慣れていますから、顔などではなく腹を殴ったりして、
    表に出るようなケガはさせません。加害者の保護者が老獪な場合は、
    その点もよくわかっていますから、その点を突いて、学校の処分に
    不満を言いに訴えてきて、教職員の動揺を誘い、教職員の離間策を
    はかります。

     学生さん気分が全く抜けない教員は、いいカッコしたいので、話
    も聞かず、きちんと調べもせずに、教科書的に加害者生徒を守ろう
    とし、せっかくの貴重な気づき・けじめのチャンスを加害者生徒から
    奪ってしまいます。保護者の老獪な戦術に簡単に引っかかるところ
    を時々見ました。

 この段階で、学年担任団に生徒の実態を全く知らない事無かれ主義の無責任な
机上の空論ばかり言う空想主義の教師がいたら、A君を抑え、多くの生徒を
守ることは不可能だったと思います。また、最も大きな影響力があるのは、教育
管理職です。この時は、全校集会でもつねに、いじめはどんな些細なことでも
断固として許さない、と明言していた管理職でした。

■いじめと教育管理職
 言ったのはいいが、いざという時に上の方からの声で、実行段階で変えるのが
ほとんどの管理職でしたが、この時の管理職は違いました。信頼できる素晴
らしい教育管理職でした。その姿勢が、教職員に伝わり、生徒達並びにその
保護者達全員に伝わり、きちんとした指導ができました。ワルのネットワーク
はすごいもので、教職員の対応は、数十分もしないうちに全校のワルに知れ
渡ります。その日の内に、他の者の反応が出てきて、あなどれないと思った
のか、動きが慎重になりました。

 教育困難校で、ワルのネットワークの凄さを熟知していましたので、いい
加減な小手先のお手盛りの処理をしたいとは思いませんでした。下校後の身辺
の恐怖にさらされている被害者のこと、その被害者数が拡大することなどを
全く考えずに、教科書通りの生徒を教育するから厳しい処分は避けようと
言う無責任な教員の発言をよく聞きます。たまたまの場合は、それでも許される
場合もあるでしょうが、力のある校外のグループとつながっている常習ベテラン
の問題行動児には、きちんとした指導が絶対必要であると思います。多くの
普通の生徒達からの信任が得られないのではないでしょうか。
 
 多くの普通の生徒達をいじめから守る、と宣言できる教育管理職が、今、
どれだけいらっしゃるのでしょうか?

 教育管理職が宣言しない限り、やる気のある教師も、その力を発揮すること
はできないでしょう。私自身も何回も経験があります。上官の指示通りに行っ
て、味方に、それもその上官に背中から撃たれた時の絶望感は、言葉には表す
ことはできません。

 処分申し渡しの時に、親の前で言葉を変えた管理職がどれ程いるか、それに
よって、きちんとけじめをつけられないで、中途半端にワルを続けて、最後に
退学した生徒がどれだけいるか、またどれだけのベテラン教師が、絶望感の内
にその力を封印していったか、具体的事例をあげるのに、枚挙のいとまがあり
ません。

 ここで、犯人探し・魔女狩りをしようというのではありません。個人や役職
を糾弾しているのではありません。先ず始めに、現実の不備をきちんと指摘し、
次にその問題を解決するために何をすべきかを検討してもらうためであり、
私は参考となるたたき台としてのことを述べるためです。教育管理職も上の
方々も、ノウハウが、システムが、指導の要諦が全くわかっていないだけ
なのです。また、現場のベテランのノウハウやシステム、指導の要諦が共通認識
として伝えていくシステムが無いからです。

 この点で言えば、その仕事に最も近い距離にある都道府県の教育研究所や
教員組合も責任の一端があると思います。だから、責任を取れ、ということ
ではなく、現場の先生方を助けるために解決すべき担当者として、きちんとした
方策を検討して欲しい、と言いたいのです。

      問題が大きくなって生じてしまう学校の多くが、発言力は大きい
     が、コミットメント(結果責任を負うこと)をしない無責任な
     教師あるいは管理職がいるところと言っても過言ではないと
     思います。あるいは、有為なリーダーがいないか、一度もまとも
     な苦労や経験をしていない”無責任な善人教師”(厳しい言い方
     ですが、責任を全く取ろうとせず、責任逃れするために善人を装って
     いる方を多く見ましたので、この表現をとりました。)ばかりの
     学校でしょう。

■組織的対応
 学年団の意見がまとまり、次に、教育管理職と生活指導部に連絡しました。この
段階で、私は教育管理職や生活指導部に20人前後の先生方の協力をお願いしたい
と伝えました。

       暴力や万引きなどの事件の場合は、明瞭ですので、直接、教育
      管理職や生活指導部に報告し、学校全体の指導として、全教職員
      の協力を得ることは容易なのです。しかし、いじめの場合は、
      その発端ではそのように明瞭ではないので、学年団の判断が
      先ず第一に重要になります。

       生徒間の微妙な事実をしていて、かつ調べたり、処分や指導して
      いく中心の実行部隊は学年団になるからです。そこがまとまって
      いないと、あとあと大きな問題を生じます。

 20人前後の協力とは、何故なら、高校のいじめは必ず特定の主犯格がおり、
その生徒や保護者は中学校ですでに多くのことを経験済みで、慣れているから、
逃げるのがプロ級で、生徒達の証言も簡単に操作できますので、その生徒を納得
させるのは容易なことではありません。加害者の多くが地域のグループに所属
している場合が多いので事実を話した善良な生徒達に後日損害が生じないように、
慎重にかつ一斉に徹底的に事情聴取をしないと、証拠となる細かい事実も大きな
事実も出てこないからです。後で主犯格の保護者から不満を形にされる場合が
多くあります。どんなに表面を取り繕っていても、加害者の保護者が最も問題が
ある場合が多いのです。兄弟で優等生がいても、その子供・生徒だけには冷たく
厳しく当たっている場合がほとんどです。

        以前、教育困難校にいた時、複数の生徒相手に20万円を
       いじめ・恐喝する事件が起こりました。加害者の保護者が、
       学校の処分に不満があるといって、国会議員を連れてきたこと
       がありました。これにはさすがの私も驚きました。連れてくる
       親も親ですが、ついてくる国会議員も国会議員だと思いました。

        得てして名士の保護者は、このようなことをしますが、その
       時は、加害者である生徒が逆に可哀想になることがありました。
       当方はきちんと丁寧に説明し、ご納得をいただき、お引取りを
       いただきました。その当時の私は、このようなことが生ずると
       手助けを求められるので、そのうち、マル暴、とか、マルト
       (トラブル)、とか呼ばれていました。

        「加害者の多くが地域のグループに所属している場合が多い
       ので事実を話した善良な生徒達に後日損害が生じないように」、
       ということは、最も重要かつ必須なことなのに、教育学者なら
       びに評論家等は全く触れないのは、不可解です。
 
        多分、実体験をしていないからでしょう。
       学校現場の生活指導について、後輩教師によく言っているのは、
       長篠の戦の武田騎馬軍団の状態にならないようにしないといけ
       ない、ということでした。横に並んだ統制された織田鉄砲軍団
       の組織的な連携プレーに対して、騎馬武者が従来通りの名乗り
       をあげながら騎馬で立ち向かって行く状態のことです。

        個別の名誉のために名乗りをあげることに一所懸命になって
       いて、肝心の問題解決のための連携プレーを組織的に構築しな
       いでいる間に、相手は組織的に統制して連携プレーを行って
       いる場合が多いのではないでしょうか。校外につながっている
       問題行動の生徒達は、放課後や夜あるいは朝においても、統率
       とれた組織的な行動をとる場合が多く、普通の生徒達はつねに
       その脅威にさらされていることを忘れるべきではないでしょう。


■小中学校
 小中学校では、根本的かつ組織的ないじめ対策は不可能である、と考えて
おります。勝手に決めつけて、失礼かと思いますが、先述したように、事件後
の答弁をみているとこのように判断せざるをいないように思います。一部の
例外はあるでしょうが。
 それは、教員数自体の絶対数が少ない、ということと、女性教員が多いため
と考えております。

 教員数が少ないことのデメリットは、非日常的な組織的連携プレーを指揮
できる経験豊かなベテランがいない場合が多くなる、ということと、多方面の
十分な議論をせずに、少人数のお手盛り・小手先の解決策に流れやすい、という
ことです。

 事件処理の時間帯は、夕食の時間帯です。放課後でしかも、夜10時過ぎまで、
何日も腰を据えて調査や会議を続けることはできない、と思うからです。女性
教師も、妻であり母でありますので、教師が仕事を完遂したくても難しい状況
があります。もっと言及しますと働き盛りの年齢の女性教師には、民間企業の
女性と同じように、保育所の問題がかなり大きいと思います。

 問題解決のために提案するとしたら、種々の方策がありますが、そのうちの
一つとして、米国のFBI方式もあると思います。特別捜査官というよりも特別
調査解決官?の意味合いで、全国あるいは都道府県内の非日常的事件を調査
解決する専門的部署の創設です。

 今広がりつつある、カウンセラー制度だけでは、不十分だと思います。得意
分野が異なるからです。プラスして何をシステムとして付け加えるのか、と
いうことと同時に現場教員にも1週間から2週間の実践的な連続研修を行う必要
もあると思います。

        小中学校の教員は、夏休みもほとんど無く(今は高校も)、
       教員は日常業務だけで、疲れきっています。その状態の教員に
       なおかつ、複数の生徒がクラスを超えて、あるいは学年を超え
       て隠れて組織的に行ういじめを発見し、調査し、問題解決を
       するなど、不可能に近い、と思います。

        企業の方にわかるように言うと、顧客相手の仕事の営業マン
       に営業業務とともに総会屋対策を完璧にしろ、と要求するのに
       等しいことです。学校には、トラブル対策ができる法務部や
       総務部(企業内部署の意味で)のような部署はありません。
       総務部という名の部署はあっても、保護者もかかわるような
       対外的なトラブル対策ができるシステムもノウハウも専門知識
       もありません。学校専属の弁護士さえもなく、ましてや校内事故
       の生徒保護の保険はありますが、学校ごとの校内事故全般の賠償
       責任保険さえもないのがほとんどです。

        ですから、校内事故が生ずると、裁判で教員個人の監督不行き
       届きで教員個人の責任を問い、次に支払能力がある雇い主・都道
       府県庁などが責任あり、になり、賠償金額が被害者に支払われる
       ことになります。

        このため、水泳部の顧問はなり手が少ないです。なぜなら、
       放課後のクラブ活動の時にプールに張り付いてないと、事故が
       あったときに訴えられ、敗訴になり、減俸等の処分を受ける
       からです。放課後は、学校業務にかかわる委員会などに出る
       場合や保護者対応や、事務関係などの業務があり、プールに
       張り付いていることなど不可能だからです。


■事情聴取とその後
 20人以上の教員(専任の教師の半分近く)を残して、夜10時頃まで事情聴取
を行いました。生徒には当然のことながら、6時過ぎたら、夕食を学校で用意し
ました。保護者には、最初の一報で状況説明を簡単にして、夕食の準備などが
完全に終わってから来校してもらいました。
 この後の手順としての詳細は、以前に触れた事情聴取の話につながります。

 結果としてA君は一定の期間の後、本人と保護者の判断で、他の学校に行く
ことになりました。この事件以前に2回、職員会議で扱う生活指導をされて
いたので、事実を丁寧に考え、このまま、他の生徒に持ち上げられながら、
学校生活を送り、年度末に進級できないことを選ぶより、親のおしきせでは
なく、自分が本当に学びたい・通いたい学校に移る、ということを本人が決め
ました。

 教育困難校で、必要性が多かったので自分で作成した、転校用学校リストを
参考のために、渡しました。バンドをやっていて、楽器演奏をしたい、と言う
希望もあり、その夢と生活上のことなど、人生コースをいろいろと相談にのり
ました。彼にとってはそういう機会が無かったらしく、目を輝かして将来のこと
を話してくれました。

■真の問題解決とチームワーク
 このメルマガで申し上げたいことは、真に問題を解決するには、組織的な
チームワークを直ちにとることができる組織・学校であること、が大きいと
いうことです。


 研究会の企業の方々にも言うことですが、業務についてのマニュアルさえも
整備していない組織・学校で、事件発覚当日に、職員の半分を半強制的に残業
させ、チームワークを組んで対処できるような組織がどれだけあるのか、という
ことです。
 当日に、いきなり半強制的に全部署の人間の半分を残業させる企業は、そうは
存在していないと思います。ベンチャー企業は除いて。

 Zero Defect(欠陥品ゼロ)の製造工場でも、週末出勤して調整するのではない
でしょうか?

 いじめを本気でなくしたければ、あらゆることが必要になります。気持ちは
あっても、残念ながら、その状況が無い現場の先生方に対しては、微力ですが
このメルマガで少しずつ、参考となる方法をお伝えしたいと思っております。
あきらめずに、普通の多くの生徒達のために、前向きに歩んでください。

先生、頑張って!          

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■発行者: 福沢吉明
  メールの宛て先: fujiyama2288@yahoo.co.jp
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