いろいろな疑問を抱えながら、日々真剣に立ち向かい苦労している現場教師、主に高校教師に対する励ましのメッセージを送ります。高校教師を経験する過程で考えてきたことなども含めて、本音で教育現場の教育について、問題解決の視点で送信していきたい。
- 最新号:2004-11-19
- 発行周期:不定期刊(月2回が目標)
- 読んでる人:49人
- 創刊日:2004-05-07
- Score!:-点
- コメント数 : 0
- メルマガID:115301
- バックナンバー:全て公開
- 発行者サイト:あり
- >> 月間ランキング
先生、頑張って!
発行日: 2004/7/12
● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●
【メールマガジン【先生、頑張って!】
2004年7月11日:第11号
今回の項目
■問題行動の事情聴取
1 生活指導のミッション
2 事情聴取の形態
3 事情聴取の方法
4 事情聴取を始める
5 保護者への注意
6 生徒本人に書かせるもの
■マイナスはプラス
● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●
先日、某高校の校長先生とお話をしました。
その折に、生活指導についてのことを聞かれましたので、経験上の方法に
ついて、基本的なことで、重要と思うことだけについてお話をしました。
今回は、どこの学校も程度の差はあると思いますが、それなりに苦労さ
れている生活指導の方法、特に問題行動の事情聴取などを中心に考えて
みたいと思います。きちんとした作業手順書・マニュアルがあるところは
少ないと思いますので、基本的かつ重要なことだけにしぼって、触れて
みますので、参考にしていただければ、と思います。
■問題行動の事情聴取
問題行動の個々の内容によって異なると思いますが、ここでは、対象の
生徒が初犯というか、初めての時についての基本的なことに触れます。
その他の条件の時にも応用できる内容であると思います。また、問題
行動の段階とそれに対応する当方の教員の態勢やチームワークとその指揮
内容については、内容が多いので、後日触れる予定です。
1 生活指導のミッション
まず、教師の心構えとして、生活指導のミッションを再確認するべきだと
思います。
生活指導の本来の目的について、最低限踏まえなければならないことを
列挙してみたいと思います。
(1)生徒本人にとって
1)再び問題行動をとらないようにするために指導する。・・・行動の
部分
2)発端となった自分の弱い部分を見つめ、克服するようにする。・・・
心の部分
(2)保護者にとって
1)問題行動をした生徒・子供をきちんと認識してもらう。・・・行動の
部分
2)発端となった子供の弱い部分を見つめ、克服するように手助けをして
もらう。・・心の部分
(3)担任団にとって
1)将来の生徒の生活のために、人生のために生活指導を行う、という
教育指導基軸を確認する。
あくまでも、人間的に成長させ、将来の生徒の生活のためであって、
今の生徒を守るため保護者の言いなりになって、正すべきことに
目をつむることではない。
2)再び問題行動をとらないようにするための連携の仕組みをつくる・
・・行動の部分
雨降って地固まるのように前向きに進められるようにする。
3)問題行動の前提となっているものについて考える。
友人関係や日常学校生活、下校後の生活、家庭生活等々。
(4)教育管理職にとって
1)学校全体の教職員の生活指導技術段階の点検
基礎能力(事実の記録・保管)、事情聴取能力、対応能力、情報
収集能力(生徒間、教員間、保護者間、地域社会等々)、非常時
対処能力
2)教職員の連携段階の点検
学年内、学年間、生活指導部と担任団、ベテラン教員の指導レ
ベル、女性教師間の連携、女性教師へのフォロー態勢(家庭の
事情で定時帰宅の場合が多く、夜まで重要局面が続く場合の対
応の共通認識と対処。)
3)非常時の対策案の策定、整備
教育委員会等本庁関係、所轄警察関係、病院関係、地域社会関係
近隣学校関係、
2事情聴取の形態
すでに実行され、守っていらっしゃると思いますが、聴取担当者の
教員は原則として2名です。特に事実関係を書かせて確認を取る段階
は2名が望ましいです。また該当生徒の担任は原則的に外すべきです
が、状況によりその限りではありません。
1人ですと、事情聴取の流れに対する証人がいないこと
になります。後で生徒は何とでも言えます。3人だと、
圧迫しているようになります。
特に信頼関係がある場合や、大物の生徒の場合は、この限り
ではありません。ここでは、初犯というか初めての段階の生徒
に合わせています。
3 事情聴取の方法
事情聴取に臨む時の前提・前段階・・・事情聴取する側の姿勢
(1)こちらのスタンスを伝える。特に下記の2点はきちんと伝える。
1)再び問題行動をとらないようにするために指導する。・・・行動の
部分
2)発端となった自分の弱い部分を見つめ、克服するようにする。・・
・心の部分
(2)進める上での了解事項を伝え、納得してもらう。
やってしまった行為は、人に迷惑をかけた、良くない行為である、
ということを自覚させるための話。
ただし、その行為にいたってしまった源となった感情や思いに
ついては、認めてあげる姿勢を示す。
だが、何故、抑えられなかったのか、避けられなかったのか、
他に手段は無かったのか等々を、ていねいに聞いていく。
1)二度と、そのような問題行動をしないために、その方法を
考えよう。
2)人生に、何度も同じようなことが起こるかもしれない。
その度に同じようなことをしたら、あなたの人生
そのものが損をする。今から防衛策を考えよう。
3)将来の夢を3つ、考えてもらう。
一つは、実現できるかどうかわからないほどのドリーム・夢。
二つ目は、可能性は多いけれども、多くの努力とチャンスが
ないとかなえられないと思うほどの夢。
三つ目は、実現可能性がある夢。多少の努力で実現できる夢。
それらの夢の実現のために、適職として、食べていくために
どうするのか、3つほど考えてもらう。
また、お金や地位や名誉もなにも要らずに、とにかくやって
みたい天職は何か、3つほど考えてもらう。
4)夢の実現のための人生航路や方法を一緒に考える。
生徒にとって、保護者にとって、ここは特に重要と思います。
教師にとっても、指導後の生徒へのコミュニケーションとしても、
この部分は特に重要です。
ただし、重要な要注意生徒の場合(外部組織と強く結び
ついている生徒等)は、この限りではありません。
違反を違反としてのみ指導・処分するのは、教育的対応とは
思えません。
将来の生徒の生活のために、人生のために生活指導を行う、
という教育指導基軸を真に理解し、実行しているかが、教師に
問われるところです。
現在、全世界でグローバルに展開している企業では、
CSR経営が求められています。単に環境対策をして
いる程度では、遅れてしまいます。企業を取り巻く
ステークホールダー(利害関係者・・投資家・従業
員・供給者・金融機関・地域住民等々)からの社会
的信頼に応えられない企業は、持続可能な企業経営
に向かず、淘汰される、という考え方です。
その場合、当該企業が社会にその存在を認められる
ための、企業経営のミッションが明確に明示するよう
に求められています。
目を転じてみれば、学校教育のミッションを理解して
いる、あるいはその人なりに真剣に考えて教育活動を
行っている教師は、どれ程いらっしゃるのでしょうか?
私は、学校教育のミッションの最も重要な項目は、
先述した、生徒の将来の生活のために、人生のために
育てることだ、と考えています。
この視点で、当該生徒や保護者に対して、きちんと
指導あるいは、対処できない教師あるいは教育管理
職には疑問を感じます。
校則は、そのための一手段であって、目的ではない
ことをしっかり理解する必要があります。
もし、この点を十分理解し、その考えが身について
いるならば、先に説明した、生徒の夢への指導は、
きわめて重要なものであることがわかっていた
だけることと思います。
皆さんは、どう考え、対処されていらっしゃるの
でしょうか?
4 事情聴取を始める
コーチングのように相手の話を聞くことを主にする。こちら
の意見は必要以上には、極力言わない。一方的に主導的に話す
テイーチングと間違えない。
必要な意見とは、前に述べた教師の側のスタンスと了解事項
について、です。
(1)事情聴取と事実確認
1)先ず、本人に事実関係を正確に言ってもらい、確認する。
スローモーションビデオのようにスローステップで、
事実経過を本人に口頭で確認する。
口頭確認時で聞く時は、教師は時系列的に簡単に記録する。
場所などの説明の時は、白紙に絵を描いてもらう。周辺の
人物など、そのつど、質問し聞いていき、絵・図解を一緒に
完成させる。
2)次に、レポート用紙に事実経過を本人にゆっくりと書かせる。
原稿用紙は書きにくく、書き手の意識の流れを阻害するので、
使用しない。
書く過程で、勝手にはしょって省略し、重要なところが抜ける
場合があるので、事実経過を教師が丁寧にメモ記録などと確認
しながら、本人に書いてもらう。
最初の段階で口頭で確認を取ってから書いてもらわないと、
強要して書かせたことに近くなるので、そのようなことは避ける。
事実関係を必ず、問題行動した本人に書かせることは忘れるべき
ではない。心のけじめをしっかりし、弱い自分を超えるために具体
的なことを考えるためにも、正確に時系列的に生徒本人に書いて
もらう。
(2)事実関係の正確さを得るために、すり合わせをする。
問題行動当事者、外部関係者、目撃者等々との事実関係の
逐語的なすり合わせを厳密に行う。
問題行動者が複数の場合は、きわめて重要になる。少しでも
事実関係のズレがあると、事情聴取すべての内容の信用性が失われる。
1)「後で変更しても変更できないから、知っている事実は今、すべて
話した方がいいよ。後で実は誰々さんにそそのかされて云々・・・
と言ったら、何から何まで信用されなくなるよ」、と再三に渡って、
当事者たちに事実確認を行う。
2)合致するまで、事情聴取を続ける。
素直に事実関係などを言わない場合は、とことん合致するまで
続ける、ということと、“後出しじゃんけん”(他の生徒の出方を
みてから、言う場合)は、損になること、後に言うとその分、損する
し、自分にも心のけじめ・整理がつかないことなどをはっきりと言い
理解させる。
(3)クロージング
最後に再度、今まで言ったことを訂正することや、追加すること、
あるいは今思い出したことなどがないか、確認する。
特に、保護者と生徒本人が同席しているところで、帰宅後の話の
変更は一切認めません、と釘を刺すことを忘れないこと。
この場合、他の生徒・保護者とは隔離した状態で確認すること。
複数の者が対象の場合は、だれが主犯・主たる人物かがもめる場合
があるので、保護者が来た段階で、最後に事実関係・内容を本人のいる
ところで確認する。
帰宅後、実は、○ちゃんに言われてやったの、と子供から親に言っ
て、学校で言った事を覆す場合が多々あり、後で混乱し、遺恨を残す
ことがあるため、この確認は欠かしてはいけないポイントです。
担任の思惑なども動き、教師たちの足並みの乱れを招来してしまい
ます。保護者として、親として、わが子を守りたくなるのは、しごく
当然のことですので、ここら辺の配慮は、信頼関係を、一瞬の内に
崩壊させる大きな原因ですから、細心の配慮が必要となります。
5 保護者への注意
ここでは特に、保護者に対して忘れてはならない重要な配慮に
ついて、触れてみます。
(1)学校に呼ぶ時間帯
呼び出しは、保護者の生活時間に十分配慮する。職場の人にそれと
わかるように、仕事時間中に強引に学校に呼び出すことは、極力避ける。
電話についても、十分な思いやりがある配慮が望ましい。
保護者とともに生徒を育てるのであって、処罰するのが第一義ではありま
せん。そのためには、保護者との信頼関係は必要不可欠です。
(2)伸ばしてあげたい点を言う
問題行動を起こした生徒の良い点を指摘し、その点を伸ばし、卒業後の
将来に、保護者の面倒を見れる様な頼もしい生徒に育てていきましょう、
と保護者を励ます。
(3)叱り方、特に注視して欲しい点
自分の心のバランスを保つために、過度に叱責する保護者がいるので、
叱ることよりも、しないための具体的な方法や、生活の乱れや、友人関係、
時間管理など、具体的な個別な点に注意を配ることを伝える。
事実記録として、きちんと記録し、自分を見つめることをさせてもらう
ため、記録・日誌をつけることを言ってもらう。
また、生徒本人と一緒になって、弱い部分を補足する方法や、誘いを断る
有効な言い訳などを考えてもらうように依頼する。
これまでも、家庭で注意しているであろう事は認める言葉をきちんと保護
者に言う。と同時に、この機会に今までの注意の仕方を省みて、より有効な
子供との接し方・注意の仕方を考え直してもらう。
(4)私達教師は3年のつき合い。高校を卒業したら、一生保護者とのつき合い。
今は私達が生徒を成長させるための鬼軍曹役。今、生徒をしっかり育てま
しょう、と当方の教育の姿勢を伝える。
(5)生徒の夢の実現のために、一緒に頑張りましょう、と当方の気持ちを
伝える。
この具体的かつ前向きな方向で、教師と保護者が連携を取れば、生徒への
インパクトは非常に強くなります。生徒と保護者、生徒と教師などの
どちらか一方よりも、かなり強くなる。
6生徒本人に書かせるもの
(1)レポート用紙(又は原稿用紙)
下記の項目について、それぞれ書いてもらい、今回の事件のマイナスを
人生のプラスにしてもらうために、真剣に自分を振り返ってもらう。
1)事実経過
事実経過を再び書かせ、問題行動を起こすにいたった外部状況や内部
状況を振り返ってもらう。
2)反省文・・・自分の弱さに具体的に気づいてもらう。
防止策を具体的に複数案を書いてもらう。
3)今回の事件で気づいたこと・・・自分の行動傾向・弱さ。過去に同じ
ようなことはなかったか、など。
4)自分の夢・進路・人生行路・・・できたら、前に述べたように3つ
書いてもらうのが望ましい。真剣に気持ちを入れて書いてもらうためには、
3種類が必要だと、経験上考えております。
5)卒業して何を、あるいはどうしたいか
(2)日誌
日々の生活を具体的に振り返ってもらうために、日々の事実経過と気持ち
などを書いてもらう。
日誌にあるべき項目としては、次の項目が最低限、挙げられるでしょう。
1)生活時間表
・・・時間割り、内容項目、困難だった所、改善方法、心境、感想
学校に戻ったら、復学したら、・・・
将来に向かっての将来が入っているか
2)反省文・・・今降り返ってみて、今の心境、
3)保護者のコメント
4)担任のコメント
(生活指導部のコメント)
事情聴取した後のこと、特に処分の申し渡し前後の事について、教育管理
職・生活指導部・学年団・担任等がそれぞれ、どういう役割と確認するべき
事があるのか、については、後日触れてみたいと思います
■マイナスはプラス
マイナスはプラスです。生徒指導を受けてから、明るく前向きになった
生徒を多くみてきました。先生方との親身な係わり合いで、子供が立ち直って、
素直に前向きに努力するようになりました、と保護者が言ってくれることを
多く経験しました。同じ経験をたくさん積まれている読者の方もいらっ
しゃるのではないでしょうか。
私は、生徒の夢をじかに聞ける機会が得られるので、この事情聴取は
好きでした。説諭などもしながら、立場を抜きにして、同時代を生きて
いる若い生徒のバイタリテイに触れて、逆に栄養をもらっているように
思いました。
企業において、営業マンなどは失敗を糧にして大きく成長していくの
に、教育現場では、そういうとらえ方をきちんと示せる方々があまり
見受けなかったのを、寂しく感じていました。
生徒の人間的な成長に大きく係われる、教師としての喜びが得られる
良い機会だ、とプラスに考えて、大変でしょうが、生徒のために頑張
っていただければ、と思います。
先生、頑張って!
○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
■発行者: 福沢吉明
メールの宛て先: fujiyama2288@yahoo.co.jp
メールでいただいたご意見ならびにご感想などは、このメルマガでご紹
介させていただくことがあります。掲載してほしくない場合は、その旨
をお知らせください。
■このメルマガは、以下のメルマガスタンドから、配信されています。
購読の解除は、各メルマガスタンドからお願いいたします。
Melma ID:115301 http://www.melma.com/mag/01/m00115301/
めろんぱん ID:6753 http://www.melonpan.net/mag.php?006753
Macky ID:yama1732fuji2236 http://macky.nifty.com/
■このメルマガ内容の無断転載・複写はご遠慮願います。
○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
このメルマガを読んでいる人はこんなメルマガも読んでいます
- 教育記事から教育を考える
- 2002年教育改革により様々な教育ニュースが跡をたちません。しかし、その本当の意味・背景がどれだけ語られているでしょうか?このマガジンでは今まで誰も...
- 役に立たない駄話
- 読者の皆様の貴重なお昼の休憩時間にどうでもいい話、つかえない豆知識、あまりにもしょうがないので笑ってしまうバカニュースなどを携えてやってきます。現在...
- 誰にでもできる お子様を学力アップに導く方法
- お子様を勉強に導き、学力を上げるためにはどうしたらいいのか?学校や塾よりも効果的な「ご家庭でできる方法」を紹介します。
- 時事通信「内外教育」メールマガジン
- 時事通信社が発行する教育界の“定番”情報誌「内外教育」やコラム、教育ニュースなどを紹介。1行の見出しで、最新の教育界の動きがわかり、教育関係者や教職...
- 常識力メールマガジン
- 日本常識力検定に関するご案内や日常に役立つ常識力の話題をお届けしています。
![メルマガスタンド[メルマ!]](/img/common/backnumber_article/melma_logo.gif)


