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先生、頑張って!

発行日: 2004/5/13

■教師の特異性の一端
 はじめに、教師が立っている地点を確認するために、教師の特異性について、
その一端を考えてみたいと思います。以下、学校教育の現場、現場教師の特異性
について、理論的にとはいきませんが、体験的な雑感として触れてみます。
今後もこのテーマは、いろいろな角度から触れてみたいと思います。

 退職後に、学校の事務職の手伝い・バイトをしたことがあります。その時に、
教師と異なる点を感じ、教師の特異性について考えました。
その第一の点は、学校事務の場合は仕事のほとんどにおいて、手順がきちんと
整理されて手順書・マニュアル化されていることです。第二には、先輩がその
担当の経験者である場合は、指導を受けることができる、ということです。
特別な職場以外は、自然に職務上の情報交流ができる状況にあります。
第三には、一般的に、経験者がいない場合で不明な点ができた時、そのつど
担当の者が本庁の担当者に直接問い合わせることができる、という点です。

 第一の点で言えば、教師には教科教育のみ、学習指導要領という形でマニュアル
らしきものがあり、その周辺のものはあるが、それ以外、教科教育以外には
基本的には無いと思います。
教員の行う学校業務において、マニュアル化した学校業務手順書は無い所が
ほとんどです。学校内規集などでは、各分掌の担当範囲などが明記されている
学校もありますが、学校業務の手順書・マニュアル化したものはほとんど無いの
が現状ではないでしょうか。私の受けている相談者の学校は例外なく、その手の
ものはありませんでした。教師は教科を教え、授業のみすればいい、という
考え方が、システムの面での不備のままであることの大きな原因ではないか、と
考えています。そのため、新規採用の教員ばかりではなく、異動してきた新任の
教員も、学校業務について、何もわからないままの手探り状態で教科指導以外の
学校業務を行います。
 第二の点については、現場教師になった当初、驚いたことです。学校現場に
行ったら、基本的に教科指導でさえも、何らの具体的な指導も受けることが
できない、ということです。新規採用期の研修はありますが、教育実習期間の
指導のようには、現実的な個別の指導を受けることは難しい状態です。各都道
府県が現在、いろいろと試みてはいますが。
 第三の点は、教師の教科指導の面では、教科室などで個別に指導を受ける
ことはありえますが、教科指導以外の学校業務面については、難しい場合が
多いことです。学校業務という表現が適切かはわかりませんが、生活指導上
で問題があり、解決困難な場合には、担当教師本人が直接問い合わせること
は、ありえません。教育管理職が問い合わせることになりますが、そのつど
頻繁に問い合わせることはありえません。
 逆に考えれば、教科教育以外の学校業務は、事務業務ほどには、その完成度
を評価しにくいこと、恣意性の幅がある。そしてその業務遂行・達成の厳しさ
の度合いが異なるといえるのではないでしょうか。
 これらのことが、業務内容の差異によって生じたものであり、簡単に是非は
論じられないと思いますが、経験的に考えた場合には、教師の業務システムに
多くの改善点があるように考えています。
 問題が生じた時には、生徒個人、教師個人を云々するよりも、彼らの行為と
その背景にあり、それらの問題を生じさせているシステムについて考えるよう
に、と後輩教師には言ってきました。学校改革をしていく時は、つねにその
視点で、過去よりも将来に対して、どう変えていくかについて、議論するよう
にしていました。
 これを読まれている現場教師の方は、いかがでしょうか?
貴校には、手順書のようなものは、どの分野に、どの分掌に、どういう業務
について、あるのでしょうか?
あれば、次の方が助かるし、次の代の方がその時の状況に合わせてより良い
ものへと毎年改訂していくことが、組織全体としても望ましいのではないか
と思います。
 ゼロから暗中模索のうちに業務をはじめていき、職員会議に提出したら、
引継ぎをしなかった前任者から公然とあるいはかげで批判にさらされた、
という経験をしたことがある人もいるのではないでしょうか。頭を下げて、
そのつど聞きに行っても全く答えてくれない先輩教師に限って、平然と自ら
の点取りのためにか、このようなことをします。このことがいかに後輩教師
の意欲をそぐことか、そして学校組織全体の将来に、いかにマイナスを与え
ることか、はかりしれません。ベテランの教師と言われている人に、この
ような人が多かったように思います。
 学校教師としてのベテランについては、後日触れて述べてみたいと思います。


 
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