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日々のビジネスで啓発される事柄、話題の書籍、各種セミナー等で得られた情報から、人として成長し続けるヒントを求め、社会全般の考察を オンリーワンの目線でブレンド。

  • 最新号:2008-10-05
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見聞録●213−3 iMac iPod iPhone ・・・次は何を? アップル復活の秘密(FIN)

発行日: //

●バックナンバーは、同時発行のブログ から  http://ameblo.jp/u-nbd/

●2008年10月4日(土)

●見聞録213  ネット時代に花開いたアップル流のモノづくりの結晶
「iPhone」

●今日の視点

10月1日、幕張におもむく。 もちろんお目当ては「CEATEC JAPAN
2008」である。 何と言っても主役は、薄型テレビで競うシャープ、SON
Y、PANASONICの御三家は必見である。 それにネットの覇者マイクロソ
フト。 隣の会場に移ってドコモ auという感じだがソフトバンクが出ていない
ではないか。 おかげで、「iPhone」が見れなかったのは残念である。

ケイタイのブースではドコモの一人勝ちである。 一つは小型のプロジェクターを
本体側に搭載した携帯電話(シャープ製)、80cmの距離で20インチ、暗い場所
なら2mの距離で50インチ相当の画面を投射できるという。 はたしてこの様な
使用シーンが有るのかどうか。 あくまで試作段階だが弱視の方には朗報だろう。

もう一つは、セパレートケイタイ(富士通製)。 行列が並ぶほどの注目度だが、
これも目新しいだけの様に思える。 三つめは9月24日に発表された日産自動
車、ドコモ、シャープの共同開発による「インテリジェントキー搭載ケータイ」。
 日産車に採用されているインテリジェントキーの機能をケータイに取り込んだも
のである。

一方、有機ELディスプレイを目玉にしているauのブースでは、リサイクル時の
の分解作業のデモンストレーションも行われていた。 分解する作業を実演しなが
らのデモだが、CEATECでわざわざブースを割くほどの事でもない。 

各キャリアは11月の年末向け新製品の目前にしている事から、CEATECへの
出品を控えた事で、いきおい期待外れの感は免れない。

さて、本命の薄型テレビだが、ブースを一段と明るくしていたシャープ。 それに
比べSONY、PANASONICは、光量を抑えていたのが印象的である。 ど
こまで明るさに耐えられるか一目瞭然である。 新発売の「AQUOS XS1シ
リーズ」を正面に、見事なプロポーション、長身のコンパニオンを使っての説明
は、薄型テレビの主役はお任せといったところか。 

2010年には、液晶の供給先となるSONY・東芝・パイオニアのブースを前に
しているシャープ。 日立と連合するPANASONICとの薄型パネル二強時代
をうかがわせる会場の雰囲気である。

さて、見聞録213便は、「ネット時代に花開いたアップル流のモノづくり 
iPhone 」と、題してアップル流のモノづくりに迫っているが、終わりは「iMac
iPod  iPhone ・・・次は何を? アップル復活の秘密」を取り上げて締めとした
い。

聞く処によると、ソフトバンクにおける「iPhone」の売り上げは、今一つと言う。
 不具合や電話がつながり難いという。「細かい操作の中には欠落した部分が多く
あり、長期間繰り返し使ううちに気になってくるだろう」という専門家の指摘もあ
る。

ところで、前年比50%という程の国内ケイタイの生産の落ち込みを迎えて、国内
トップのシャープは中国市場の大開拓に乗り出した。 既に松下・NECなどは中
国市場から撤退しているだけに逆バリ戦略であり、その戦う相手は世界の御三家と
なる。 液晶テレビとケイタイ、更に太陽光パネルでグローバル戦略を展開する
シャープは、後に引けない大勝負を仕掛ける事態となったが、その秘策や如何に?
 アップルの革新的な製品を生み出す秘密は、その答えの一つとなるのではないだ
ろうか。

●見聞録213−3 iMac iPod  iPhone ・・・次は何を? アップル復活の秘密
(FIN) 

●今日の引用資料

林 信行:著 アップルの法則
http://hb.afl.rakuten.co.jp/hgc/01f81932.ddccc361.02a700c9.da2dd44b/_RTblog10000014?pc=http%3a%2f%2fitem.rakuten.co.jp%2fbook%2f5483233%2f&m=http%3a%2f%2fm.rakuten.co.jp%2fbook%2fi%2f12826205%2f

◇魅力的な独占販売契約で、電話会社から分配を得る事を条件にしたアップル

ケイタイ電話業界のそもそもの問題は、電話会社がメーカーをコントロールしてい
た為、メーカーはいつの問にか顧客が欲しがるものではなく、電話会社に気に入ら
れる端末をつくる様に姿勢が変わってしまった。 この傾向は、日本で顕著だが、
海外も少なからず似たところがある。

これに対して、アップルは、魅力的な端末をつくれば電話会社もそれを欲しがる、
と考えたのである。 当たり前の事だが、これまでの携帯電話業界の歪みが、この
正攻法を見えなくしていた。 そしてアップルはこうも考えた。 「魅力的な端末
を電話会社に売らせてあげるのだから、その電話会社にはいくつか条件を呑んでも
らう必要がある」と。

「iPhone」は、インターネット端末の機能も備えた製品である。 ユーザーにデー
タ通信料を気にさせていたのでは、快適な製品体験が得られない。 そこで、まず
欧米ではまだ一般的ではないデータ定額通信の料金プランを用意させた。 ケイタ
イ電話は、端末を安く提供して、後から月額の通信料で儲けるビジネスである。 
これは電話会社だけの独占的な利権だったが、魅力的な製品の独占販売契約を武器
にアップルも分配をもらう事を条件にしたのである。

これにより「iPhone」は販売後もアップルに定期的な利益をもたらしてくれる事に
なる。 これは浮き沈みの激しいケイタイ端末製造のビジネスにとって画期的な発
想である。 多くの電話会社は、端末を販売する時、販売奨励金として端末価格の
一部を契約後、約2年間の基本料金に盛り込んでしまう(つまり、購入してから2
年間は基本料金が高くなるが、その分、安価に端末を人手できる)。

これに対して、「iPhone」は、材料調達や製造、生産台数の工夫や流通上の工夫
で、そもそも徹底的に生産コストを抑えた上で、しっかりと原価にマージンをのせ
た価格で製品を販売している。 販売奨励金も一切なしで米国価格は399ドルだ
が、携帯電話としては、やや高価な部類に入るが、実は「iPod」の他のモデルに1
00ドル足すだけでケイタイ電話の機能が加わる、と考えればすごく安く見える。

冷静に考えると、アップルがやっている事は、全て当たり前の戦略である。 しか
し、今の様々な業界や企業は、これまでの因習の蓄積で、あまりにも複雑なルール
や線引きをつくり過ぎてしまっている。 従って、これを意識して発想すると、い
びつな製品、いびつな戦略ができてしまう。

◇妥協なきアップル品質管理◇

アップルのモノづくりでは、品質が何よりも重要視されている。製品の外観の什上
がり品質には、お金をいとわず、「iPod」の裏側の鏡面仕上げも、世界でもっとも
優れた職人が集まる新潟県の磨き職人のシンジケートに依頼していたのは有名な話
である。 ノート型製品の手触りや背面にも徹底的に拘っており、例えばノート型
パソコンでは表面だけでなく、底面も他社のパソコンと比較にならないほど美しい
として評判が高い。 ノートパソコンの底面は、使っている間は隠れているが、小
脇に抱えて持ち歩く時に見えてしまう。 アップルが目指しているのは、所有する
事に満足を覚えられる、本質的に美しい製品をつくる事なのである。

その為、継ぎ目やネジ穴をとトコトン無くし、製品のシリアルナンバーや、各種認
可を受けているマークといった必要表示は、全て取り外し式バッテリーの内側など
に隠している。 外観だけでなく、製品を持った時の重量バランスにも、徹底的に
配慮している。 この為アップルのノート型製品は、パっと持った感じでは実重量
ほどの重みを感じない。

アップルからPDAの外注を受けたシャープや、ノート型パソコンの外注を受けた
IBM社は、自社製品の開発ではありえない、製品点数の管理や重量バランスを整
える為の内部パーツの再配置の多さに驚いたという話をよく開く。

アップルではそれだけ製品づくりの際の理想が高く、完成品質への要求水準が高
い。 そんなアップルでは品質管理部門はキーとなる部門のひとつといえる。 日
本のメーカーの品質管理部門も重要な鍵を握るという人がいるだろう。 ただ、い
ろいろなメーカーのデザイナーやエンジニアに話を聞くと、アップルの品質管理部
門と、日本のメーカーの品質管理部門では、そもそも向いている方向が違う印象が
ある。

日本のメーカーの品質管理部門は「こんなに薄かったら、顧客から『壊れやすい』
という苦情がくる」、「こんなに無くなったら、顧客から『低温ヤケドになる』と
苦情が来る」と製品の悪いところを見つけてはダメ出しをかけてくる。 その結
果、どんなにカッコいい製品をデザインしても、どんなにエッジのきいた先進的製
品を開発しても、最終的には角の取れた特徴のない製品に仕上がってしまう、と不
平を言うエンジニアやデザイナーが多い。

これに対して、アップルの品質管理部門は、「我々がアップル品質の門番」という
姿勢で「このレベルでは、まだまだアップルが目指すクールさを十分に発揮できて
いない」「ここの仕上げは、(コストを上げずに)まだまだよくできる」といった
具合に、前向きに管理していると聞く。

尤も、これは日本企業の品質管理部門が悪いという事ではなく、品質管理部門と製
品企画、開発といったチームの間で、同じゴールが共有できていないのではない
か、と思わされる。 製品コンセプトの開発段階に品質管理部門が参加しているか
否かも重要なポイントである。

●関連サイト

「iPhone」はどこがすごいのか

  http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080711/154708/

「アップル - iPhone のサイト」
 http://www.apple.com/jp/iphone/?cid=MAR-JP-GOOG-IPHONE

「ソニーは“PSP Phone”、シャープは“Zaurus Phone”を出さないか?」

  http://techon.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20080825/156805/


「2008年のCEATEC トレンド情報」

  http://av.watch.impress.co.jp:80/docs/20080930/rt072.htm

●林 信行(ハヤシノブユキ)

ITジャーナリスト。 1980年頃からアップル社の動向に関心を抱き、199
0年から本格的な取材活動を始め、その技術的取り組みやモノづくりの姿勢、経
営、コミュニティづくりなど、多方面にわたって取材。 Mac雑誌2誌のアドバ
イザーを経て、現在は日本国内に加えて米国、フランス、韓国などの海外メディア
にも記事を提供している。 アップル以外では、グーグルをはじめとする検索市場
の動向、ブログやSNSの動向についても2001年ごろから記事を執筆。 著書
に『ブログ・オン・ビジネス』(日経BP)『スティーブ・ジョブス』『mixの
本』(アスペクト)など。


 
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