見聞録▼182−3 予想を上回る水位低下のため、既存水路にはりつく日々(FIN)
発行日時: 2007/12/15━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『 隔日刊 心が元気になる オンリーワン見聞録 』
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発 行 (有) 新規事業開発 代表 肝 付 博 昭
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2007年12月15日(土)
ペシャワール会のホームページより、中村哲医師の記述によれば、
「ペシャワール会は本来の医療団体として、20年以上に亘って病院を運営して
きた。 しかし「農村の復興こそ、アフガン再建の基礎」と認識し、今年8月ま
でに井戸1500本を掘り、農業用水路は第一期13kmを竣工、既に千数百町
歩を潤し更に数千町歩の灌漑が目前に迫っている。
総工費は9億円、延べ38万人の雇用対策にもなった。 そうすると2万トンの
小麦、同量のコメやトウモロコシの生産が保障される。 それを耳にした多くの
かんばつ避難民が村に戻ってきている。
だが、これは例外的である。 2000年以前94%あった穀物自給率は60%
を割っている。 世界の93%を占めるケシ生産の復活、300万の難民、治安
悪化、タリバーン勢力の復活拡大・・・。 実は、その背景には戦乱と旱魃(か
んばつ)で疲弊した農村の現実がある。 農地なき農民は、難民になるか、又は
軍閥や米軍の傭兵になるしか道がないのである。
この現実を無視する様に、米英軍の軍事行動は拡大の一途をたどり、誤爆によっ
て連日むムクの民が生命を落としている。 被害民衆の反米感情の高まりに呼応
する様に、タリバン勢力の面の実効支配が進む。 東京の復興支援会議で決めら
れた復興資金45億ドルに対し消費された戦費は300億ドル。 これが「対テ
ロ戦争」の実相である。
殺しながら助ける、支援というものがあり得るのか。 干渉せず、生命を尊ぶ協
力こそが、対立を和らげ、武力以上の現実的な安全保障になる事がある。 これ
まで現地が親日的であった歴史的根拠の一つは、日本が他国の紛争に軍事介入し
なかった事にあった」
同氏は、現地の活動の合間をぬって、たびたび日本各地で講演活動をされてい
る。 今後の日程は下記の様に組れているので、お近くのか方はぜひ、生の現地
報告をお聞きいただきたい。(2月の予定は文末に記載)
現在の様子では、自民党の新法は、年明けに力づくで通るであろう。 それはそ
れとして日本としてとれる切り口は、年々ひどくなるアフガニスタンの旱魃(か
んばつ)に対し、汗を伴う支援ではないだろうか。 この「ペシャワール会」へ
の支援もこの一つになる。 更に国として農業支援としての人・モノ・カネによ
る具体的な策を練り、世界に向けてアナウンスをして、汗を流す事での「アフガ
ニスタン復興支援」の道が有る筈である。 野党もこの視点で創造的な対案を広
く国民に呼びかえる必要があるのではないだろうか。
政局の匂いがすると、良い案もかすむのが、今の日本の現状である事が問題では
あるが・・。
今回取り上げる、現地で汗を流している潅漑用水路建設担当者の「予想を上回る
水位低下のため、既存水路にはりつく日々」で、今週の締めとしたい。
引用資料
ペシャワール会報 No91(直近の12月5日号)
■182 アフガニスタンに迫りくる大凶作 進まぬ復興 給油新法の不毛の
議論
▼182−3 予想を上回る水位低下のため、既存水路にはりつく日々(FI
N)
水路事業第2期工期は、第1期工期23キロの終点のK地区池から更に2.5キ
ロほど進んだM地区池周辺が現在の主な現場になっており、着々と進んでいる。
しかし、なぜか現場から14〜15キロほど離れたところで仕事をしている。
PMS(ペシャワール会医療サービス))の水路現場と事務所や宿舎のあるジャ
ララバードとのちょうど中間に位置するベスード郡というところ。 2007年
1月に河の水位が下がって、昔からある用水路に取水ができなくなったので、ど
うにかしてほしいという住民の嘆願を受け、中村先生が自ら重機を動かして、取
水堰を作ったところである。
しかし、夏になると河の水位が増して堰は水没。 夏が過ぎ水位が下がってみる
と、堰は跡形もなくなっていた。 と、ここまでは中村先生も予想していたこ
と。
しかし、今年の水位の下がり方は尋常ではなく、前回の嘆願が水位のもっとも下
がる1月頃だったのに対し、今回は10月初旬。 実を言うとこの1ヶ月ほど前
にもベスード郡の別の地区、カーブル河沿いの用水路の取水堰を作ってほしいと
いう依頼を受け、作ったばかりだった。
私が現在いるのはクナール河沿いの用水路。 ここの嘆願を受けたとき、中村先
生は帰国の途でぺシャワールにいたので、電話で指示を仰いだ。 「この際ケチ
ケチせず、助けてあげましょうや」との事。 早速、PMSの水路現場から割け
そうな重機をベスードヘ送った。 しかし、ただでさえPMSの現場の方はギリ
ギリの数の重機で動かしていたので、仕事のペースが落ちてきた。
すると、それを見越したかのようにレンタル重機を増やす様にとの指示が、日本
にいる中村先生からEメールで送られてきた。 今回は「夏の増水や冬の低水位
にも対応できる本格的な取水堰と取水門を作りましょう」という内容も送られて
きた。
ともかく重機を増やし、巨石を運んで堰を伸ばし、水路の水位がある程度上がっ
たところで取り敢えず作業はストップし、中村先生のアフガン入国を待ったので
ある。 しかし、河の水位は急激に下がり続け、また水路は涸れてしまった。
やっと、中村先生が現場へ到着、早速、本格的な堰の建設が始まると思いきや、
住民が反対したのである。
何故かというと、本格的な堰を作るには工事期間の3ケ月ほど水路の水を止めな
ければならないが、その期間が小麦の栽培時期と重なったためである。 住民か
らすると、この冬を越せるだけの水が来れば、という気持ちが強いのかもしれな
い。
小麦の値段が高騰し続けている状況なのでそれも仕方がない。 PMSの水路が
しっかりとした取水堰を保っていて、この急激な水住低下の中でも、しっかりと
取水し続けていたのを見てきた。 「同じ様な堰を作ってあげたい」と思った
が、住民の意思を優先して、水路には水を流しながら簡易的とは言え、それでも
かなり大掛りな堰の建設を、中村先生が中心になって始めたのである。
自分はそこを一旦離れ、PMSの水路現場の方に専念する事にした。 しかし、
中村先生は、10日間ほど日本に戻らなければならなくなり、当初は「(アフガ
ン人の)エンジニアにやり方は伝えておきましたので、大丈夫ですよ」と、言っ
ていた。 しかし、中村先生が帰国の途のペシャワールから「やはり対岸の護岸
は蛇龍を4列で〜、セメントミルクで〜、巨石はダンプ200杯ほど〜」など
と、細かい指示の電話がかかってきた。
そうなると、こちらもベスードに出向かねばならず、先ず朝一番でPMSの方の
現場へ赴いた。 水路事業責任者のヌール・ザマーンと打ち合わせをして、
ディーゼルの入ったポリタンクを担いでベスードヘ向かう。 タイヤチューブで
作った筏(いかだ)に乗って堰を渡った。 ところが岸に降りる時に足を滑ら
せ、すごく冷たい雪解け水の河の中に左半身を沈めるというアクシデントに遭
遇。 ビショビショに濡れたままの姿で現場にたどり着いたのである。
中村先生からの指示をエンジニアに伝え、ディーゼルを重機に給油して少し現場
を眺めて、本来の現場へ戻った。 そんな日々を過ごしながら、中村先生が帰国
されてから、今日で4日目である。 (潅漑用水路建設担当 T・M)
PMSペシャワール会医療サービス(PMS)
総院長 中村哲 (なかむらてつ)
九州大学医学部卒。 専門=神経内科(現地では内科・外科もこなす)。 国内
の病院勤務を経て1984年パキスタン北西辺境州の州都ペシャワールに赴任。
以来23年にわたりハンセン病コントロール計画を柱にした、貧民層の診療に
たずさわる。 1986年からはアフガン難民のための事業を開始、アフガン北
東山岳部に三つの診療所を設立。 1989年には基地病院PMSをペシャワー
ルに建設。 また病院・診療所で患者を待つだけでなく、パキスタン北部山岳地
帯の診療所を拠点に巡回
診療も行っている。
2000年以降は、アフガニスタンを襲った大旱魅対策のための水源確保(井戸
掘り・カレーズの復旧。 作業地1400ケ所以上)事業を実践。 更に200
2年春からアフガン東部山村での長期的復興計画「緑の大地計画」を継続、 2
003年3月からは灌漑水利計画に着手、2007年3月第一期工事完成。 年
間診療数約8万人(2006年度)。
ペシャワール会のホームページ http://www1a.biglobe.ne.jp/peshawar/
中村哲医師 講演会(申込他詳細は主催者にお問い合わせ下さ)
●2月12日(火)東京・練馬区 18:30開場 19:00開演
会場:練馬文化センター小ホール (西武池袋綴練馬駅北口すぐ)
参加費:一般 1000円(申込制)
主催:「市民の声ねりま」申込、間合:「市民の声ねりま」 03−5933−
0108
●2月16日(土)岡山・岡山市
15:00〜17:00
会場:長泉寺 料金:一般11000円 定員:150人
予約方法:FAX 086−942−4214 Eメール dongkil@
zpost.plala.or.jpまで
「中村哲講演会」とお書きの上、 お名前(フリガナ)ご住所廓電話番号をお知ら
せ下さい。
主催:「長泉寺で中村哲先生のお話を聴く会」
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