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ほぼ日刊 心が元気になる オンリーワン見聞録 161−1 

発行日時: 2007/5/29

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           『 ほぼ日刊 心が元気になる オンリーワン見聞録 』  

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 発 行 インディペンデント・コントラクター(IC) 肝 付 博 昭 
        (有) 新規事業開発 代表
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2007年5月29日(火)

松岡農林水産大臣自殺の報は、なんとも痛ましい。 マスコミでは「頭上にス
キャンダルの看板を掲げている」とさえ言われいた。 いかなる酷評にも平然と
していた以前の姿に比べて、最近の表情は弱弱しさを漂わせていた。 ある種の
同情さえ感じるほどでもあった。 「緑資源機構」の官製談合事件で、東京地検
特捜部の調査が身辺に及んだ事で前にも行けず、引くにもひけないところ迄、追
い詰められたという事だろうか。

死者に鞭打つ事は無いにしても、現職の大臣自殺という事態は、任命責任の議論
迄にいたる政治の混乱を呼ぶ。 市井の立場からは、冥福を祈るしかない。 
                          享年62歳 合掌。


さて今週は、前佐賀市長、木下敏之氏の著書「日本を二流IT国家にしないため
の十四ヵ条」を取り上げたい。 2期半年に亘っての佐賀市長時代、その「行政
改革力」はスザマシイ。 並みの地方自治改革ではない。 この改革の凄さにつ
いて、いくつか取り上げるが、関心のある方には、是非この著書をお読みいただ
きたい。

今週取り上げるテーマは自治改革から少し視点を変えて、この著書から「日本の
はるか先を行く 電子自治体先進国 韓国」に、焦点を当てる事として、先ず最
初は「世界一のIT自治体を目指すソウル市、江南区役所」を取り上げたい。

韓国は近くて遠い。 それでも過去2回、「釜山中心とする倭城跡視察」と「ソ
ウル市中心の観光」それもゆうに五年を過ぎている。 ITの取り組み先進国と
して、一時取りざたされたが、一向にその勢いは衰えていない様である。 「電
子自治体先進国 韓国」視察記は、改革に燃えていた佐賀市長在職中のせいか、
驚きと賞賛に満ちた内容である。

今週の引用資料
木下敏之:著 日本を二流IT国家にしないための十四ヵ条 − 佐賀市「電子自治
体」改革一年の取組みから
http://www.bk1.co.jp/product/2713029

■161 日本のはるか先を行く 電子自治体先進国 韓国 その1

▼161−1 世界一のIT自治体を目指すソウル市、江南区役所

2003年3月23日、ソウル市江南区役所を訪問した。 江南区は人口54万
人、戦後開発されたところだがソウル市内で最も豊かな区と言われれている。 
東京で言えば、港区か千代田区といった感じである。 韓国の地方自治体も、日
本と同様に政府から相当の補助金をもらっているが、江南区は政府の補助金がな
くても運営できる数少ない豊かな自治体である。

それにもかかわらず、区役所の外観はとても質素であった。 無駄なものには、
お金をかけないという姿勢にはとても好感がもてた。 強く印象に残ったのは、
区役所正面玄関の上に http://www.gangnam.go.kr/ と大きく書いてあった事
である。 意識して街を眺めてみると、街中のいたるところに「○○△△.com」
という看板があふれていた。

玄関を入ると、住民票の自動交付機が目に入ってきた。 この江南区役所は世界
一の電子自治体との評価の高いところであり、少なくとも韓国では第1位の電子
自治体として有名なところである。 初めて見るその宣伝DVDの内容とそれに
続く説明には、圧倒された。

江南区役所には、家庭からインターネットを利用して行う各種証明書発行のシス
テムがある。 2002年2月から、自宅の自分のパソコンからオンラインで住
民票発行の申請手続きをし、自分の家のプリンターで住民票の印刷ができるシス
テムがすでに実用化されていた。 家庭のプリンターで印刷したものであって
も、それを偽造コピーしようとしてもうまくできない特殊な偽造防止技術を韓国
のベンチャー企業が開発していたのである。

携帯電話、クレジットカード、口座振込みと各種ある料金の支払い方法について
は、2003年の時点で、特に携帯電話が活用されていた。 手続きとしては、
まず自分の電話番号を人力すると、携帯電話会社から承認番号が携帯電話にメー
ルで届く。 その承認番号を入力すると、家庭からの証明書発行に要するお金の
決済の処理が終了するのである。 手続きには数分かかる。 驚いた事に住民が
登録をすれば、その人向けの完全な個人用の画面を区のホームページで見る事が
できる。 

この様な仕組みは、まだ日本の自治体にはあまり存在しないが、例えば教育と子
育てに関心があるのなら、区役所の行事や学校のホームページなどを中心に情報
を集めた画面、つまり住民個人向けの「ポータルサイト」ができるというわけで
ある。

又、納税の時期が来ると、メールで税金が告知され、オンラインで支払いができ
る。 区役所がもつその人の個人情報も確認することができるそうである。 日
本では、例えば自分の固定資産の資料についても、役所に行って閲覧申請をしな
くてはならない。 しかし、江南区では、インターネットを通じて自分の固定資
産台帳を見ることができるのである。

住民は、地下鉄の駅やデパートに設置された自動交付機で住民票などの書類を受
け取ることができる。 1997年に初めて設置されたが、日本の自動交付機の
半分以下の値段になったので、2001年には設置台数は61合と大幅に増え
た。 しかも、公共機関だけではなく、体育館、病院、地下鉄の駅、デパート、
金融機関など人が集まる場所に設置されていて、住民はわざわざ区役所まで行く
必要がな この交付機では、江南区のものだけではなく韓国全市町村の住民票が
発行されるのだが、更に国と市町村の枠を越えて土地情報など法務省が発行する
書類まで受け取ることができる。

行政の垣根を越えているのである。 しかも、自動交付機が使われていない時は
画面にコマーシャルを流している。 2005年度で、区役所の発行書類200
万件のうち30%の60万件を自動交付機で発行していた。 税金はインター
ネットを利用して自分の家のパソコンから納付の手続きをすべて済ませる事がで
きる。 

日本では、2005年から電子申請が本格化してきたが、とても使いづらい。 
例えば、所得税の確定申告などは、電子申請をしたとしても、別に源泉徴収去を
税務署に郵送しなくてはならない。 本人確認の為のの電子証明を取るのもとて
も手間がかかり、どの役所の電子申請システムも、利用件数はとても少ない。

韓国では、電子文書管理や電子決済システムが整備され、住民番号と20歳以上の
国民は指紋を国に登録している事もあって本人確認がしやすい事もあり、200
3年の時点で電子申請が浸透していた。 江南区ては全体の3割に当たる383
種類の手続きをインターネットで処理できるようになっていた。 しかも、庁内
の手続きが電子決裁化されており、申請者が自分の申請についての決裁手続きが
どこまで進んでいるかをインターネット経由で確認する事ができる仕組みも導入
されていた。

日本では、宅急便の配達などで自分の荷物が今どの辺まで来ているのかを確認す
るこ事がインターネット上でできるが、それと同様の事が、江南区役所ではすで
に実用化されていたのである。 だから役人は、サボって許認可の手続きを遅ら
せる事ができない。

尚、2006年4月の読売新聞の記事によると、2005年度の日本での所得税
などの電子納税利用率はO.4%。 50%近いアメリカや、75%に違した韓
国に比べ、大きく遅れていると報道されている。

既に、江南区の道路などの地図情報は電子化されている事から、道路占用許可や
工事許可も完全にインターネットネット上で処理されている。 ここでも、国道
や県道の違いを超えて、管理する行政主体が違っても問題なく処理できる。 年
間に1万件を超える申請がインターネットで出され、道路工事の現況写真もイン
ターネットで逐次公開されているのでる。

木下敏之 (きのした としゆき)
1960年佐賀市生まれ。 東京大学法学部卒業後、農林水産省に入省。199
9年から2期6年半佐賀市長を務める。 各種行政改革を推し進め、日本経済新
聞社が行っている行政改革の革新度ランキングで、佐賀市役所を1998年度3
50位から2004には全国13位まで躍進させている。  現在、様々な行革
のノウハウを自治体にひろげていく為の講演活動やコンサルテイング活動など、
幅広く行っている。

木下敏之行政経営研究所
http://www.kinoshita-toshiyuki.net/











 
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