食品偽装に消えた年金!「人気メルマガ発行者」が鋭く斬り込むNEWS評論!【投票は28日迄】
トップ > ニュース&情報 > 社会・社会学 > 隔日刊 心が元気になる オンリーワン見聞録

ほぼ日刊 オンリーワン起業 見聞録 160−3 

発行日時: 2007/5/24

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

           『 ほぼ日刊 オンリーワン起業 見聞録 』  

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 発 行 インディペンデント・コントラクター(IC) 肝 付 博 昭 
        (有) 新規事業開発 代表
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
・プロフィールはこちらから  http://www.sbrain.co.jp/theme/T-20528.htm
・ご意見・ご感想はこちらから http://www.smallworld.co.jp/plaza/nbd/ 
・メルマ・バックナンバー   http://www.melma.com/backnumber_114993/
・同時発行ブログ       http://ameblo.jp/u-nbd/day-20070524.html
        http://plaza.rakuten.co.jp/shinki/diary/200705240000/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●今、注目のデジタル雑誌⇒今すぐクリック
http://www.fujisan.co.jp/digitalmagazine.asp/ap-ybd
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

2007年5月24日(木)

シャープの歴史は、後に「シャープペンシル(早川式繰り出し鉛筆)」を考案した早川徳次が、創業した1912(明治45)年に始まる。 以来もうすぐ100年になる。 日本の輸出産業の花形となった電機産業を開拓したのは、シャープであったが、技術志向の企業風土と地味で堅実な社風、真面目にコツコツと築き上げるタイプの経営スタイルは、世間の注目をそれほど浴びる会社ではなかった。

創業者早川徳次は、両親と別れて育つ不遇で貧しい幼少時代を経て、9歳から職人の見習いをしながら、籍など精巧な金属製品を加工する技術を体得した。 並はずれた発明のセンスを持ち合わせ、洋服のベルトのバックル「徳尾錠」を皮切りに、「水道自在器」「1馬カモーター」などを次々に考案・開発し、独立後の事業を軌道にのせる。 その後有名な「シャープペンシルは、1915(対象4)年の発売後に欧米で大ヒットし、事業を一気に拡大させた。

シャープペンシルの事業はその後も順調に伸びていたが、関東大震災に遭遇する。工場は全壊し、最愛の妻子も失う不幸に見舞われたが、特許を馴染みの文房具社に売却、それを元手に現在の本社所在地である大阪西田辺で国産第一号のラジオを開発・製造して再起する。 その後は国産第一号テレビ、洗濯機、冷蔵庫の製造・販売などによって総合家電メーカーヘの道を歩んである。 

1970(昭和45)年、技術一筋の早川社長から財務面で支えた佐伯旭氏が、53歳の若さで社長を受け継いだ。 社名を「シャープ」に変え、総合エレクトロニクスメーカーとしての第2の創業ともいえる新たな策を、繰り出したのである。

今週前半の2回は「液晶AQUOS その独創と秘伝のタレ」と題しながら、見てきたばかりの「世界の亀山工場の様子」を取り上げたが、今回から宮本惇夫:著「シャープ独創の秘密」に迫りたい。 

先ず今回は「何があっても徹底的に拘り続け、開発をあきらめないシャープの匠達」を取り上げたい。 そのきっかけともなるのは、2代目の佐伯社長が繰り出した見事な「ロケット」である。 それはペンシルロケットではない。 30数年後に超一流ともいえるブランド「液晶AQUOS」を生み出す布石となる「千里から天理」への15億の投資である。

参考資料
宮本惇夫:著 シャープ独創の秘密
http://hb.afl.rakuten.co.jp/hgc/01f81932.ddccc361.02a700c9.da2dd44b/?pc=http%3a%2f%2fitem.rakuten.co.jp%2fbook%2f4303793%2f&m=http%3a%2f%2fm.rakuten.co.jp%2fbook%2fi%2f12009888%2f

■160 液晶AQUOS その独創と秘伝のタレ  その3

▼160−3 何があっても徹底的に拘り続け、開発をあきらめないシャープの匠達  

エレクトロニクスの花、エレクトロニクスの総合芸術ともいわれる液晶。 これがテレビとなって大輪の花を咲かせるまでには長い年月を要している。

「S734プロジェクト」で世界初のポケッタブル液晶電卓を開発・事業化して以来、34年にわたって液晶事業に取り組んできている。 その間に蓄積された膨大な技術、ノウハウ、知識を、液晶の匠達は「秘伝のタレ」と呼んでおり、大きな財産となっている。

液晶は材料が大きなポイントだが、その性質を知り尽くし、その材料メーカーと突っこんだ話ができる技術者が社内に多くいる。 材料メーカー、装置メーカー等との日本連合の形で、液晶の将来図を描いている。 今後、液晶というものをどう発展させていくか。 それを達成するには材料の進展がなければならない。 材料の進展を図ろうとすれば、エンジニア自身が材料を知らなければ活動できない。 材料メーカーの技術者と同じレベルで話が出来てはじめて開発の方向性が決まってくる。 そういった事の積み重ねが財産であり、秘伝のタレではないだろうか。

液晶とはいったいどんなものか

液晶といえばよくこんな言葉が使われる。 「ヨーロッパで発見され、アメリカでデバイスの発明がなされ、日本で事業化された」と。 確かに日本が生み出したオリジナルな科学分野ではないが、工夫、応用力に優れた日本人がつくり上げた技術、それが液晶である。

しかも初期の開発の過程で国内外のメーカー、研究者が次々とギブアップしていくなかで、シャープだけはあきらめず、こだわり続けて研究開発を継続させてきた。 そして今日、液晶AQUOSという大輪の花を咲かせたわけだが、この継続力、拘りもまた独創性に勝るとも劣らない推進力である。

では液晶とは何か。 「現代用語の基礎知識」には「結晶に似た性質を持つ液体。 大多数の液晶は棒状の有機分子からなる。 普通の液体では分子はばらばらに勝手な方向を向くが、液晶の分子は(ある温度以下では)同方向に揃う。 液晶ディスプレイはこの性質を利用する」と書いてある。

この液晶が発見されたのは、古く1888(明治31)年オーストリアの植物学者ライニツァーによってなされたが、再び脚光を浴びるのは70年後の1960年代になってからの事である。 米国のテレビメーカーである「RCA」がディスプレイヘの応用を図ったのがきっかけとなり、1968(昭和43)年、世界で初めて液晶表示装置を試作し発表した。 その報道を基にしたドキュメンタリー番組が、翌1969年の1月16日、NHKから報じられると、エレクトロニクスメーカー等から問い合わせが殺到したという。  その番組は、シャープが本格的に液晶研究に手を染めるのもその番組がきっかけだったのである。 

1969(昭和44)年といえば、翌年開催の地元大阪千里の万博パビリオン出展費用15億を取りやめ、その金額を奈良県天理の「総合開発センター」建設費用に充当したというエピソードは、「千里から天理へ」の名文句を生み、現在の「液晶AQUOS」への大飛躍へつながるの大きなターニングポイントとなる歴史的な年でもある。

さて、ブラウン管に代わる新しいディスプレイの開発は、シャープの長年にわたる夢であり悲願である。 当時も平面ブラウン管、EL(エレクトロ・ルミネッセンス)の研究をしていた。 このNHKの報道をみて、薄型、省エネルギー、シンプルな構造といった点から電卓のディスプレイとして有望と判断し1969(昭和44)年、4月に「総合開発センター」の中央研究所内で、液晶の本格研究が始まった。 しかしどうしても実用に耐え得る寿命が得られなかったという。 

関わっていた船田文明氏(現ディスプレイ技術開発本部技監)がいう。 「その頃には駆動回路がか簡単にできる事もあって、常識視されていた直流電圧駆動法でもって液晶表示を行っていた。 ところが直流電流を流し続けると液晶材料や電極に酸化・還元といった電気化学反応が起こり、短寿命になってしまう。 1000時間程度の使用時間は見込める様になっていたが、とても実用レベルの数万時間の長寿命には程遠い。 多くの研究者もこの壁にぶち当たっていた」

実際、国内外の有カメーカーからの「液晶の研究中止」のニュースが入り出し、RCAですら研究チームが縮小されたという情報が入ってくる。 当時の中央研究所の「シャープ液晶研究チーム」も存続か否かの岐路に立たされていた。 そのリミットが1971年1月。 その時に一つの奇跡が起こる。 

直流電圧で長寿命が得られないと感じた船田氏は、ある時点から交流電圧で駆動させようと考えた。 しかし、直流用に純度を上げた液晶材料は、交流電圧を加えてみたがなかなかいい結果が得られない。 そんな時の朝、出社すると実験室の机の上に、ふたを閉め忘れた液晶の試料びんがそのまま置いあるのを見て動転した。 高価な材料を使って実験していたが、「しまった。 空気中の水蒸気で液晶化合物が分解してしまったかもしれない」 しかし、失敗を一つのチャンスととらえ、失敗試料を使った交流電圧駆動の実験を思い立つ。

そして実験をしてみると思った通り失敗試料は素晴らしい表示効果を発現させた。 純度の高い試料では得られなかった表示効果だった。 しかもその後1ヵ月経ってもその表示に劣化は全くみられなかった。 「液晶を交流で駆動させる為には、液晶材料中に一定量のイオン不純物が必要である事は理論的には予測できたが、1グラム当たり何万円もする高純度の液晶材料に、イオン不純物を意図的に添加する勇気は新人社員にはなかったが、 失敗がそれをやらせてくれた」といっている。 この事は、NHKの人気番組「プロジェクトX」でも報道された。

こうして寿命解決への目途をつけた事で、存続か否かの岐路に立たされていたシャープの液晶研究は存続が決まり、次の新たなる重要なミッションを課せられる事になる。  それがシャープの液晶の運命を決めた「S734プロジェクト」、世界初の液晶電卓の開発だった。

各部門から集められた総勢55名が、融点の違う材料を混ぜ合わせるブレンド方法が検討され、その材料は500種以上、そしてその組み合わせは何万通りにも及んだと言う。  1973(昭和48)年、世界初、画期的、技術革新といった言葉が新聞紙上を賑わす。 かくして液晶が電卓用デスプレイとしての実用化の一歩を踏み出した。

因みに、この年は4代目の片山新社長がシャープには入社する8年前の事である。

シャープ株式会社
http://www.sharp.co.jp/ 

宮本惇夫   (みやもと・あつお)
1943年生まれ。 茨城県出身。 1967年早稲田大学第2政経学部卒業。 経済誌や総合誌などの編集者を経て、1977年にフリージャーナリストとじ独立。 主に産業、ビジネス分野をフィールドに企業ドキュメントや人物論、人物評伝等を執筆。
主な著書に「決断力」(日本工業新聞社編、扶桑社)、「安岡正篤と伊藤肇=師と弟子」(致知出版社)「躍進シャープ」(日本能率協会メジメントセンター) 「コカ・コーラヘの道」(かのう書房)、「企業市民」(日本能串協会)、(野村証券5人の社長」(日本実業出版社)、「TDK人間教育道場}(講談社)、(哲学なき企業は滅ぶ」(産業能率大学出版部)など。


 
このメルマガの読者になる
規約 
>> メルマ!の会報誌もお届けします
ブックマーク: はてなブックマークに追加del.icio.usに追加Buzzurlにブックマークニフティクリップに追加ライブドアクリップに追加Yahoo!ブックマークに登録My Yahoo!に追加Add to GoogleRSS

このメルマガを読んでいる人はこんなメルマガも読んでいます

のんびりやろう!情報処理試験! 〜1問1問コツコツと〜
ソフトウェア開発&基本情報技術者試験対策を中心に初級シスアドや高度区分まで幅広く対応。流行のIT用語の解説も行っているので,パソコンについて勉強した...
■■懸賞な日々■■
当たりやすい?と言われる締切日の懸賞情報を中心に大量当選やお得なサイトを紹介してまいります。
ビジネスマン必読!1日3分で身につけるMBA講座
【受講者数1万5千人以上!】 MBAホルダーがビジネスに必須のビジネス理論をわかりやすく解説。経営戦略、マーケティング、ファイナンス、人事・組織戦...
DTPで印刷コストの削減ができる! - 印刷情報メール
チラシ・フライヤー・ポスター印刷の吉田印刷所/特売プレスの新しい情報や印刷・出力・DTPに役立つ情報を掲載。データ関係ではIllustratorやI...
【笑いながら脳を鍛える】なぞかけめ〜る♪
08年朝日新聞夕刊で紹介されたり、05年ヤフーBBマガジンの「ブログBest150」に選ばれたりしている「なぞかけブログ」のメルマガ化です。週1回な...


この記事へのコメント


コメントを書く
コメントはありません。

おすすめキャンペーン

おすすめカードローン!
オリックスVIPローンカードなら

<<年率5.9%〜15.0%、利用可能枠最高500万円>>
ゆとりのカードローンです。
お申込みはこちら⇒

はじめようメルマガ生活
メルマガを読むには
メルマガを出すには
約64000誌から検索

メルマガデータ

  • メルマガID : 114993
  • 創刊日 : 2004-05-01
  • 最新号 : 2008-07-25
  • 発行周期 : 隔日刊 
  • バックナンバー: 全て公開
  • 発行者サイト: あり
  • 読んでる人 : 1235人
  • コメント数 : 6
  • Score! : 非表示
  • >> 月間ランキング

発行者プロフィール

ペンネーム :

  • ●プロフイールは、こちらから● http://biz.sbrain.co.jp/keyperson/K-6279.htm

このメルマガの読者になる

規約に同意する



このメルマガの最近の記事


このメルマガの最近のコメント


このメルマガのバックナンバー


注目情報


新着記事トピックス