強化書140 若さを保つ魔法の杖!? ホルモンマジック その1
発行日時: 2006/11/27━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ほぼ日刊『 ビジネスリーダー “拡幅”強化書 』
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2006年11月27日(月)
16日から25日まで10日間、休刊したのは眼の手術の為の入院によるもの。
病名は一般的には流涙症と言い、眼を潤おす役目の涙が鼻へ抜けず、時を選ばず頻
繁に溢れるという症状である。 清潔を第一に常に専用のハンカチを胸ポケットに
入れているので、早稲田実業の斉藤投手のハンカチ王子ならぬハンカチオヤジと
言ったところである。 実際、日常生活の煩わしさこのうえない。
入院先は、19年前の網膜剥離の手術以降、毎年眼底検査でお世話になっている慶
応病院。 6月には1泊2日の白内障手術を受けたばかりである。 今回は、想定
外の辛さに苦しんだ全身麻酔だが、直接眼球の手術でない事から、後半の病室では
時間をもて余し、本でも読まなきゃあ・・と院内に有る地下の売店でタイトルにひ
かれて購入したのが「不老!の方法」という宝島社の文庫本だった。
後で気付いた事だが、著者が何と慶応病院の坪田一男眼科部長だった。 眼科入院
患者の一人として18日(月)の回診を受けたその人である。 慶応医学部と
ハーバード大留学で日米の医師免許持つ著者は、世界に先駆けて角膜上皮のステム
セル移植術を成功させている。 又、男子プログルフの今シーズン賞金王が確定し
た片山晋吾や中島常幸などにレーシックという近視手術の執刀でも有名である。
2001年にはアメリカで発達している「アンチエイジング・メディソン=抗加齢
医学」のアメリカの試験に合格し、日本のアンチエイジング・メディソンの普及に
取り組まれている。
今週は、その慶応病院、坪田一男眼科部長 著作の「不老の方法」から「若さを保
つ魔法の杖!? ホルモンマジック」を取り上げたい。
アンチエイジングは、その手の本や雑誌で既に紹介されているので、今回は、あま
り知られていないホルモンにスポットをあてて、参考に供したい。 先ずは「加齢
の正体とは」から。
■140 若さを保つ魔法の杖!? ホルモンマジック
・140−1 なぜ加齢するのか 「加齢の正体」とは?
なぜ加齢するのか。 このシステムが解明できれば、それをクリアする事で、人は
不老不死のパスポートを手に入れる事ができる。 アンチエイジング・メデイスン
がスタートした現在も、実はこの加齢の正体はまだ完全に解明はされていない。
しかし、いくつかの仮説が提唱されていて、今の医学では、おそらくこれらの複合
的作用で人間は加齢するのだろうと考えられている。 それらに対抗する手段も少
しずつだが見え始めている。 その主なものを簡単に挙げてみたい。
体が錆びるフリーラジカル説:酸素があると釘でも何でも錆びる。 人体は、酸素
を取り入れてエネルギーを燃やしている。 酸素は肉体にとっていわば原子力みた
いなもので、非常にパワフルなエネルギーを発する元となるが、それが外に漏れた
りすると害を及ぼす。 このブリーラジカル説では、肉体ではミトコンドリアとい
う細胞の中に酸素を閉じ込めて外に害が出ない様にして燃やしているが、それが少
し漏れてしまっていて、錆が生じるという概念である。 この概念では、錆び止め
を摂取すれば錆を解消する事ができる、加齢を止める事ができるという理論にな
る。
細胞分裂が減少するテロメア説:細胞分裂ができなくなって細胞の数が減ってしま
い加齢するのだという説である。細胞分裂にはテロメアという分子が必要である事
が1999年に発見された。 このテロアは、細胞分裂のたびに少しずつ萎縮して
ゆき、ある程度の短さになると細胞分裂がピタリと止まってしまう。 細胞にとっ
ての命の時計の様うなものである。 だから、このテロメアの萎縮を防げば、細胞
分裂の減少を防げる事になる。
興味深いのは、加齢してもどんどん細胞分裂をくり返して増殖するガン細胞の中
に、このテロメアの萎縮を防ぐ物質が見つかった事である。 これは「テロメラー
ゼ」と名付けられたが、このテロメラーゼを取り除く事ができれば、ガンの増殖を
防げるし、更に健康な細胞に取り入れる事ができたら、ガンの様にずうっと生きて
いく事ができるかもしれない。 今後の研究が期待されるところである。
タンパク質の変化によるクロスリンキング説:たとえば、白内障がその代表例なの
だが、白内障は透明な水晶体が白く濁ってくる疾患である。 きれいな透明を保つ
為に一定の構造で秩序正しく並んでいたタンパク質の分子が、くっついてしまい
(これをクロスリンキングという)変質して濁ってくる。 これと同様、体内の
様々なタンパク質も、その分子がクロスリンキングして構造が変わり変質して加齢
を来たす。 だから、そのクロスリンキングを止めればいいという理論になる。
老廃物がたまる説:人体は、常に必要なものを外から取り入れて、不必要になった
ものを排出している。 ところが、その不必要なものを排出しきれなくなって、つ
まり老廃物が体内にたまってきて、エイジングを起こすという説。 最近では老廃
物のみならず、環境ホルモンや重金属の様に、化学物質の汚染もここに含まれてい
る。
免疫力低下説:身体は免疫によって守られている。 侵入してくる細菌や病原菌と
絶えず戦って、それに免疫力が勝ち生命を維持している。 ガンに関しても実は、
しょっちゅう体の中にガン細胞は生まれているが、免疫がそれをやっつけて正常に
保っているとも考えられている。 だか、その免疫力が弱まるから病気になってし
まい、寿命に限界が生じるという考え方。
遺伝子修復エラー説:細胞分裂をコピーと考えてみると、コピーを何回もくり返し
ていると、少むつ汚くなって、薄れてきてしまったり、一部が欠けてしまったり、
原形と変化が生じてしまう。 これと同様に、遺伝子の修復にエラーが出てしまう
という説。
ホルモン低下説:生命の繁殖に欠かせないホルモン。 このホルモンの分泌が低下
する事でエイジングを起こすという説で、このアンチエイジングではかなりポイン
トの高い部分である。 近年の医学で様々なホルモンのシステムが解明されてき
て、それらの多くが若い頃に活発であり、加齢とともに減少するからである。 し
かしながらこれは、あらかじめ生命体にプログラムされたものだという考え方もで
きる。
例えばカマキリのオスは、交尾した後にメスに食べられてしまう。 それに対抗し
てメスと戦ったりはしない。 甘んじて食べられるのである。 つまり、次の子孫
を残す為にその様にプログラミングされているわけである。 子孫を残し、ある程
度成長させた後は不要のものとなる。 いつまでも生きていたら食料も必要で、子
孫繁栄、種の保存の為には好ましくない。 よって、そのプログラムにより自らホ
ルモン分泌を低下させ、次第に生命のレベルを下げていくというもの。
これらの加齢説を片っ端からクリアしていけば、老化による衰えを防ぎ、加齢を遅
らせる事ができる筈である。 それどころか、若返りも可能になる筈である。 し
かし、よく問われるのが「それは自然の摂理に反する事なのではないか?」という
質問である。 確かにそうである。 特にテロメア説やホルモン低下説などにおい
ては、あらかじめ生命の時間としてプログラムされたシステムとも考えられるか
ら、その低下したホルモンを補おうという行為は自然の掟に真っ向から対立すると
いうものである。
「いつまでも年寄りが、はびこっていても地球はハッピーじゃないんじゃないか」
という考えを持つ人もいるだろう。 自然の摂理に反するといった抵抗感のある人
は、アンチエイジングには向かないかもしれない。 自然を受け入れる事と、それ
もひとつの選択肢である。
確かに政治にしても何にしても、長老がいつまでも古い考えで居座っていたら新し
い時代の改革や挑戦はできないかもしれない。 適度な新陳代謝は、社会にとって
は歓迎されるべきものといえる。 でも、頭が柔らかくて知識と経験をもった長老
がいたら、若い人の力を更に有効に生かせるかもしれない。
とにかく自分の体なんだし自分は若く元気に生きたい。 自然に反してもホルモン
レベルを若い頃に近づけたいと考える人は、それを選べばいいのである。 自由主
義国家として、あくまで選択は自由であるべきである。 価値観の多様化は受け入
れるべきと思う。
ちなみに繁殖期を終えた後、これだけ長く生きている生物は人間くらいである。
殆どの生物は、繁殖を終えた後の寿命は短い。 人間にもっとも近いとされるチン
パンジーでも長くはない。 リチャード・ドーキンスの唱える「生物は遺伝子の乗
り物にすぎない」というビーグル理論が真理とするならば、それにかろうじて反抗
してDNA支配だけではない知的創造のもとに生きているのが、人間であるともい
える。
参考資料
・坪田一男:著 「不老!」の方法
http://item.rakuten.co.jp/book/3602518/
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発 行 インディペンデント・コントラクター(IC) 肝 付 博 昭
(有) 新規事業開発 代表
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