トップ > マネー・政治・経済 > 経営 > ITでらくらく建設業

現場監督のできるITコーディネータが現場・建設業によく効くIT関連情報を提供するものです。建設業関連におつとめの方、建設業に興味のある方、ぜひご一読下さい。




ITでらくらく建設業 Vol.200(08/02/29)

発行日: 2008/2/29

 おはようございます。森下です。

 今号で200回目となりました。2004年5月7日から約4年
です。これまで続けられたのもひとえに読者のおかげであり、周囲
のご支援のたまものだと思います。ありがとうございました。

 振り返ってみるほどでもないですが、当初建設業主体の話が多か
った記事が他業種でも適用できる内容になってきているのも私の業
務範囲の影響を受けてのことです。建設業の方には違和感を覚える
メッセージもあったかもしれませんが、普遍性は建設業にも必要だ
と思っております。ご理解ご了承をお願いします。

 現在も建設業主体でご支援をさせていただいておりますが、製造
業、小売業、卸売業にもお手伝いの範囲が広がっており、勉強させ
ていただきながら、みなさんのお力になるようがんばっております。

 今後も可能な限り続けてまいりたいと思います。最後に2つほど
お願いです。できれば、みなさんの周りでこのメルマガを読ませて
もいいなぁと思われる方がいらっしゃればぜひ登録をすすめていた
だけないでしょうか。読者数は執筆者にとって何よりの力になりま
す。もうひとつは、どんなこと(激励、誤字脱字の指摘、質問)で
もかまいませんのでお時間があるときにお便りをいただけると幸い
です。よろしくお願いします。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
・建設業を取り巻くIT(3週間に1回)
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃このコーナーでは、建設業を取り巻くIT技術やトピックスを┃
┃ご紹介します。「現場でIT」「建設業を取り巻くIT」「建┃
┃設業に役立つホームページ」を週替わりでご紹介します。  ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
K067 最近の建設業に思うこと

 200号記念というわけでもありませんが、最近の建設業での支
援を通じて感じていることをお話します。

問題1:管理(コントロール&マネージメント)不在

 最近特に感じるのがこの管理不在です。建設業法の改正により、
管理体制の強化は進んでいるように見えますが、建設現場での雰囲
気は決していい状況ではありません。低価格入札によるコスト削減
の一環として、元請職員の減少があり、下請も職長兼作業員といっ
たプレイングマネージャーが急増した結果、連絡ミスや管理不足が
ひどくなってきています。さらに、ISOやOHSMSのような書
類乱発基準により、書類作成時間に時間をとられて現場での滞在時
間はますます減っています。ISOやOHSMSが悪いわけではあ
りません。既存書類を修正したくないために、本来見直すべき書類
を見直さずにISO必要書類だけを追加しているからなのです。認
定取得を優先し、ISO本来の体系だった業務策定を無視した結果
です。人数の減少により、技術伝承は確実に減り、従来では想像も
つかなかった簡易なミスや事故が増えています。本来、管理強化の
ために導入したISOや改正が逆に管理不足を助長しているように
思えます。

問題2:発注者の技術力、管理力不足

 これは、お金を出す側という意味での発注者です。公共工事で合
えば公共団体というだけではなく、下請けに仕事を依頼する元請も
含まれます。施工方法や設計内容の改善、いわゆるVE提案も評価
できない発注者がとても多いです。そして、その評価できないこと
を棚に上げるために「仕様書にないから」とか「前例がないから」
といった新しい技術を根本的に否定する話しかでてきません。そも
そも理解しようという意識が欠落しているケースがとても多いよう
に感じます。また、新技術に限らず専門性の高い技術に対しても、
専門業者にお任せといった傾向が前述の人手不足に重なって、ます
ます顕著になっており、専門業者から技術を学ぶ、管理ポイントを
抑えることが出来ない状態になっています。さらに問題なのは、管
理能力の欠如に対する自覚が無く、専門知識を有する相手に意味不
明な論理的でない主張をしてくる発注側が増えているということで
す。主張するのであれば、技術力・管理力をもつべきであり、技術
力・管理力がないのであれば、主張するのではなく話を聞く、対応
を考える術を身に着けるべきです。これがない人が非常に増えた印
象をうけます。

問題3:年末、年度末とその他の時期の格差拡大

 これは統計をとっているわけではないのですが、公共工事におい
て低価格での落札で予算があまり、本来なら返納すべきものを次年
度予算の削減を心配して、あまり有用でない工事を年末、年度末に
乱発している印象をうけます。結果として、一定雇用をしたい企業
は経営が危ぶまれ、季節雇用が増えてますます技術伝承もできなけ
れば、品質確保も難しくなり、若者の定着率は下がる一方です。季
節変動を少しでも減らせるような努力はなぜできないのでしょうか?

問題に対する一提案

それぞれの問題には解決策がないわけではありません。書類業務の
軽減であれば、ISOやOHSMSをきちんと見直し、不要な書類
を削減するとともに、簡易な入力ができるような仕組みづくり(雛
形の準備やIT導入)を行ったり、現場がやるべき作業の負荷をも
っと軽減する仕組み(事務センター等)づくりを考えることでカバ
ーは可能です。業務量を変更せずに人員削減だけ行っているようで
はとても経営者とはいえません。

発注者の管理能力、技術力強化として、CM(コンストラクション
マネージメント)スタイルの採用があります。日本でも始まっては
いますが、海外のようにゼネコンからCM専門会社に転換するよう
なことはまだありません。海外であれば、当たり前のように使われ
ているプロジェクト管理ソフトも日本での普及率は著しく低いとの
話も聞きます。この点においては日本の建設業はかなり成熟度の低
い状態にあると思います。逆に言えば、ここにひとつの建設業の突
破口があるのではないでしょうか。もう少し個人レベルで付け加え
ると相手の立場で物事を考えることと自分の役割のひとつ上の視点
で物事を見ることが大切です。発注者の立場だったら、近隣住民の
立場だったら、専門業者の立場だったら、上司の立場だったらと少
し視点を変えることが管理能力向上やスキルアップを行ううえで必
要不可欠だと思います。

最後の問題は、日本の予算制度自体、言い換えれば行政自身が変わ
らなければ無理かもしれませんが、これだけ少子高齢化がさけばれ
日本の人口も減少している中で現行制度維持するメリットは思いつ
きません。真剣に複数年度予算を容易に導入できる仕組みづくりを
検討すべきでしょう。もちろん、予算に対するチェック機能も必要
ですが、これらの経理(実際は経営)能力の向上も不可欠だと思い
ます。中途採用や民間力の導入をもっと積極的に行っていく必要が
あります。

 私は日本の建設業の未来は決して暗いものだけではないと思いま
す。いち早く維持管理時代に突入した結果、効率のよい建設物の運
営や構築のノウハウを世界に先駆け身に着けることが可能になって
いるはずです。そのためにも従来型の仕組みではなく抜本的に見直
した新しい建設業の姿を模索し、もっと積極的に実践してもらいた
いです。もし、このままでいくと海外資本が日本に流入し、日本建
設業の未来はなくなっていくのではないでしょうか。そんなことに
ならないよう微力ながら新しい建設業づくりのお手伝いしていきた
いと思います。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
・略語勉強会
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃このコーナーでは、建設業・ITに係わる略語をわかりやすく┃
┃説明します。                      ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

R200

 LEAP(リープ)
 (Leadership,Environment,Aspiration,Process)

 経営革新を支える土台として必要なことをあつめた略語です。L
EAP自体は飛躍という意味です。リーダーシップをとって、環境
を整え、高い視点をもって、すぐれた手順を形にすることが重要だ
ということです。でも、難しいですよね。

 
このメルマガの読者になる
規約 
>> メルマ!の会報誌もお届けします

ブックマーク: はてなブックマークに追加del.icio.usに追加Buzzurlにブックマークニフティクリップに追加ライブドアクリップに追加Yahoo!ブックマークに登録My Yahoo!に追加Add to GoogleRSS

このメルマガを読んでいる人はこんなメルマガも読んでいます

全部フリーソフト!!
ネット上にはこんなに便利なフリーソフトがいっぱい。お金なんか使わなくても、あると絶対にお得で楽しいソフトを1つずつご紹介します。
社長、「小さい会社」のままじゃダメなんです!
シリーズ第3弾「世の中は自分のためにお金を出して実験してくれている・編」がスタート! 実は、“見方”がわかれば、世の中は“ヒント”だらけなのです。こ...
役に立たない駄話
読者の皆様の貴重なお昼の休憩時間にどうでもいい話、つかえない豆知識、あまりにもしょうがないので笑ってしまうバカニュースなどを携えてやってきます。現在...
現役コンサルタントが語る!IT業界の裏話
あの大企業がこんなことをしていたなんて!? 現役の外資系コンサルタントが暴露するIT業界の裏話。守秘義務スレスレの話から業界の基礎知識までを幅広くお...
国からお金をもらおう!〜社会保険と年金の基礎知識
年金、健康保険、労災、助成金、妊娠、出産、失業、障害、遺族、人事、労務etc.困った時こそ知ると知らないで大違い。社労士が難しい制度を簡単楽しくわか...


この記事へのコメント


コメントを書く
コメントはありません。

おすすめキャンペーン

三井住友銀行カードローン
金利 年6.0%〜12.0%。最高500万円までお借入可能。
最短30分審査、即日カード発行可能。
お申込はこちら⇒

発行者プロフィール

ペンネーム : 森下 裕史

  • 建設業を中心に、みなさんが楽しく楽にITを使いこなせるためのテクニックや経営に役立つ考え方、便利なホームページ情報を提供しています。このメルマガで学んだノウハウで一時間でも早くおうちに帰れるようになってくれれば幸いです。

このメルマガの読者になる

規約に同意する



このメルマガの最近の記事


このメルマガの最近のコメント


注目情報


新着記事トピックス