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第26回化学的危害を防止する

発行日時: 2008/3/1

========================================食品工場長の仕事とは===

■■   第26回化学的危害を防止する
■■■                            2008年3月1日発行 
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おはようございます。河岸です。早い物で今日から3月です。普通の年より
一日多い日を皆さんは有効に使われましたか?
 3月11日に私の本が売り出されます。是非、アマゾンから予約をお願いしま
す。題名と表紙は過激ですが内容は、どうしたら食品偽装が無くなるかを
まじめに書いた本です。
http://homepage3.nifty.com/ja8mrx/annzenn81.htm

「“食の安全”はどこまで信用できるのか 現場から見た品質管理の真実」
By 河岸 宏和  3月11日発売。アマゾンで予約できます。よろしくお願いします。
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今週のお薦めの本です。


人に好かれる笑いの技術 (アスキー新書 046) (アスキー新書 46) (新書) 
鶴間 政行 (著) 

有名になりたいか、笑いが好きか

 レイザーラモン、テツandトモ、波田陽区などは、一発芸で終わってしまって
います。今の芸人は一発芸で有名になって、芸を磨いてお笑いを追及するの
では無く、一度あたれば一発芸でいいと思っているように思います。

 2008年に「そんなの関係無い」の小島よしおが更に芸を磨くのか、有名に
なって昔の有名人と同じようにおわるかが楽しみです。

 著者が芸能界に入った時は、みんな芸を極めていたと書いています
 欽ちゃんがなぜいまも笑いが取れるかを教えてくれる一冊です。
http://astore.amazon.co.jp/koujyou-22/detail/4756150934/250-4889569-1797033

アキバが地球を飲み込む日―秋葉原カルチャー進化論 (角川SSC新書 18)  
アキバ経済新聞 (編さん) 

タイトルと内容が異なりますね。

 「秋葉原」と聞けば私はジャンクショップを創造します。30年くらい前は、東
京に来るたびにアキバに行って、ラジオデパートに通ったものです。目当ては
アメリカ軍のジャンク品が目当てで、無線機などを買って集めていました。日
本製とちがって頑丈にオーバースペックのような物が楽しめた物です。
 今、アキバに行くと本当に様変わりしました。オタクの聖地になって来てい
ます。
 本の題名をアキバのガイドブックとしてもらえればもっと良かったような気が
します。「秋葉原、いまと昔」もいいかもしれません。

http://astore.amazon.co.jp/koujyou-22/detail/4827550182/250-4889569-1797033


ロスプリベンション―失われた利益を取りもどせ (単行本)   山内 三郎 

利益の本質が見えてきます。

 ロスプリベンション(損失を防ぐ)聞き慣れない言葉ですが、世界一の流通の
ウオルマートではロスプリベンションという組織があります。ロス、企業にとって
ロスとは何か、経営者の事故、火災、地震、台風、ハリケーン、食中毒など色
々な損失が考えられますが、この本は企業にとってのロスの中で特に、盗難、
社内不正、伝票上の不正を含めた利益の流出を防ぐ方法が書かれています。

 日本では万引きがクローズアップされていますが、実は社内不正の方が
利益が無くなることが多いのです。実際の不正の例を挙げて説明してくれて
いますので、利益を出すためには売り上げ管理だけではいけないことを
理解できる一冊です。
 小売だけでなく、飲食店の方にもお薦めの一冊です。

http://astore.amazon.co.jp/innsyokutenn-22/detail/4896100719/250-4889569-1797033


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 第26回化学的危害を防止する
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ロットを止めることです。

 2008年1月末に大きな食品事故の報道が飛び込んで来ました。中国の餃子
に殺虫剤が混入して中毒した方が出てしまいました。2007年の食品偽装事件
では直接の被害者が出ませんでしたから、久々の大きな事故になります。食品
危害は図1のように大きく6種類あります。物理的危害、化学的危害、生物的危
害、ペスト、表示ミス、アレルギーの6種類です。化学的被害は発生する可能性
が低いので、軽視しがちですが、一度事故を起こすと被害が広がりやすくなりま
す。化学的危害について発生しないように十分に注意する必要があります。
食品事故が出た場合に、始めにすべき事はロットを止めることです。

 鉄道事故で考えれば、1962年に常磐線三河島事故が上げられます。三河島
事故が160名もの死者を出してしまったのは、事故発生時に直ぐに近くを走って
いる車両を止めなかったためと言われています。避難している人たちを上野行き
の電車が跳ねてしまって二重被害が起きてしまいました。JR東日本では電車事
故が発生した場合は、まず近くの電車をすべて止めることを教育しているそうで
す。また自動列車停止装置(ATS:Automatic Train Stop)の設置のきっかけに
なったと言われています。

 しかし、2005年にJR西日本で発生した福知山線脱線転覆事故では、三河島事
故の教訓が活かされることなく、近くを走っていた電車に事故の連絡は入ることな
く、事故現場の直ぐ近くまで他の電車が近づいてしまっていました。二重事故にな
らなかったのは奇跡に近いと思います。
 今回の毒餃子事件も化学的危害の可能性を考えまず、対象ロット、対象工場の
製品を止めることが必要だったと思います。


化学的危害の可能性を無くします。

化学的危害は、危険な順に次のような物が考えられます。
1 洗剤等の食品で無い物が混入してしまう。
2 添加物、特に保存料等が多く混入してしまう。
3 機械油、グリス等が混入してしまう。
4 ペンキ、ワックス等の臭いが製品についてしまう。
5 防虫・防鼠で使用した薬剤が製品に混入してしまう。
 
 化学的危害を防ぐには、一般の皆さんの家庭でも同じですが、最近便利なお茶
等のペットボトルに食品以外の物を入れないことが、基本です。ペットボトル以外で
もビール瓶、オロナミンC等の容器に農薬を入れてしまって間違えて飲んでしまう
事故は、毎年新聞に載っています。(図2参照)

 化学薬品については、専用の鍵のかかる場所に保管する必要があります。
(図3参照)基本的には詰め替えは行わないもし詰め替えるときには、元と同じラ
ベルの貼ってある、専用の小分け容器を使用する必要があります。何でも使用で
きる、汎用性のある小分け容器を使用する場合は必ずラベルを使用して、字が読
めない外国の方でも間違わないようにしておく事が必要です。

 
では、化学的危害で考えられることを危害の大きい順に考えてみます。
 
1 洗剤等の食品で無い物が混入してしまう
 洗剤を間違えて混入するのは、容器を間違えた等の問題が一番多いです。洗剤、
その他の化学的な物質は専用の置き場所に置いて、決して原材料と同じところに
保管してはいけません。洗剤は万が一こぼれても、他の原材料資材にかからない
ように置場を管理する必要があります。
 洗剤は、洗剤、薬物専用のラックを用意して集中管理する必要があります。

 
2 添加物、特に保存料等が多く混入してしまう
 ハム・ソーセージに使用する亜硝酸塩、食品で一般に使用する保存料は、摂取
量によっては命に関わる場合があります。その亜硝酸塩、保存料に関する添加物
については、毎日の受払、使用量について日報を作成し、理論値と実際の量が合
っているかを確認する必要があります。
 添加物などを計量・保管する場所は、専用の部屋を準備して、鍵を取り付けて誰
もが添加物を持ち出せないようにする必要があります。

  
3 機械油、グリス等が混入してしまう
 食品製造機械に使用する、グリス、機械油については、食べられるものを使用す
る必要があります。万が一グリスが漏れて食品に入ってしまっても人の体に危害を
加えるような物は使用してはいけないのです。万が一混入しても、人の危害になら
ないか、再度確認が必要です。
 コンベアなどに使用しているベアリング類も食用の油を注入してある、食品工場
専用のものかどうかを確認しておきます。特に交換する場合、保守する場合の注意
が必要です。

 
4 ペンキ、ワックス等の臭いが製品についてしまう
 この事故もよく聞く事故です。ペンキくさい、シンナーの匂いがするとクレームが
あり、調査すると、工場の改修をしていて、たまたま、ペンキを資材倉庫において
しまったため、ペンキの匂いが包装材料に移ってしまった例があります。
臭いだけですので、危害に結びつくことは少ないのですが、工場内だけでなく物
流中も確認する必要があります。ベンゼンと一緒に共同配送されていた商品にベ
ンゼンがこぼれてしまい、異臭の事故に繋がった例があります。

 
5 防虫・防鼠で使用した薬剤が製品に混入してしまう  
 食品工場内で防虫・防鼠に使用する殺虫剤などを使用することは避けるべきで
す。ネズミ、ゴキブリなどが生息しないように工場内を管理することが大切です。
 排水升などに大量発生してしまい、どうしても薬剤を使用する場合は使用した薬
剤と、使用量を記録しておくことが必要になります。最後に、万が一の事を考えて、
化学薬品の安全性をMSDS等で確認しておく必要があります


管理者は教育していない作業者が触れないようにします。

 スイカを切って机の上に置いておいて、ハエがたかったとします。子供は何時も
親がハエがたかると殺虫剤をかけている姿を見ていますから、スイカにたかってい
るハエに対して、子供はいいことをしていると思って殺虫剤をスイカにめがけてか
けてしまいます。子供は親がやっているとおりに殺虫剤をかけてしまいます。本人
は悪いことをしているつもりは無いのですが、結果としてスイカを食べてしまった人
に被害がでてしまいます。

 殺虫剤が、ハエに対しては害があるが、人に対しても害が有ることを子供は理
解が出来ないのです。教育をしていない人、教育をしても理解できない人が、危害
を及ぼす物を手に取らないように管理する必要があるのです。殺虫剤などを工場で
管理する場合は、殺虫剤の効能を熟知したかたが、決められた希釈率で殺虫剤を
使用するようにしなければなりません。


工場外で手を加えたときに証拠が残るようにします。

 中国毒餃子報道では、針などで穴が開けられた物もあると報道されています。
食品工場から出荷された商品が最終のお客さまの口に入るまで安全な状態で届
けることが食品には求められています。

 農畜産原料からの安全を表した言葉にファームツーテーブル(from farm to 
table)と表現されます。即ち農場からお客さまの食卓までの安全を考えると言うこと
になります。1984年発生しました「グリコ森永事件」では、「かい人20面相」から
「グリコのせい品にせいさんソーダいれた」と言う文書が送られて、市場からグリコ
製品、森永製品が消える事件がありました。その後も、自動販売機の中に毒の入
った飲み物が置かれる事件などが発生しました。また、スパーの店頭のパン、牛乳、
パックされた肉、魚などから縫い針が見つかる事件は、良く聞く事件です。この食品
の流通過程での意図的な悪意を持った犯罪行為に対して、食品に手を加えた場合
に、製品が手を加えられた事が明確に解る様にする事をタンパーエビデンス(tamper
 evidence)(改変されたときの証拠)と言います。


針が刺されたら変化する包装材料が必要です。

 グリコ森永事件当時のお菓子の包装は、中身に手を加えても加えたことが解ら
ないような包装でした。最近は紙箱の上にフイルムで包装してあり中に手を加えた
場合は、証拠が残るようになっています。身近な例では、焼鮭ほぐしの瓶詰め商品
のシールの後に「開封済」の銀色の文字が瓶に残ります。この商品を見ると解りま
すが、今までの瓶詰め商品のタンパーエビデンスは、フタの中心部のくぼみがくぼ
んでいること、開けるときに「ぽこっ」と音がする事でしたが、それだけでは、お客さ
まが充分注意する事が必要でした、それを開封済みのシールを貼ることでお客さま
は誰でも開封されていることが解るようになっています。(図4,5参照)

化学的危害を防ぐためには、工場内の教育だけでなく、流通、店頭の販売時点の
安全を確保することが必要になります。


帰るときに持ち物検査が必要です。

 工場外から化学的危害になる物を故意に持ち込まないように教育が必要です。
教育と同時に、「工場から出るときに持ち物検査を抜き打ちですることがあります。
工場に私物を持ってくるときは、持ち物検査に協力できる物を持ってきてください。」
と伝えておく事が必要です。

 持ち物検査は日本ではあまり見かけませんが、爆弾事件が有ったときには日本
でも大手商社の出入り口では、ガードマンがカバンの中を確認する事が良くありまし
た。最近はあまり持ち物検査を行っているところを見ませんが、カバンの中身をすべ
て机の上に従業員自分自身で出してそれを確認するという手法をとります。

 中国の食品工場を視察したときは持ち物検査を受けた事を覚えています。化学
的危害を防ぐためには徹底した管理が必要なのです。


図表はHPで確認 お願いします。
http://homepage3.nifty.com/ja8mrx/kagaku88.htm

私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。
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月刊HACCPに「中小食品工揚の品質・安全性管理のポイント」連載中
                       http://www.keiran-niku.co.jp/haccp.html
著書 
『“食の安全”はどこまで信用できるのか 現場から見た品質管理の真実』 
『ビジュアル図解 食品工場の品質管理』 同文舘出版          
『ビジュアル図解 食品工場のしくみ』 同文舘出版
       http://astore.amazon.co.jp/koujyou-22/249-0151581-1769102
食品工場長の仕事とはHP http://homepage3.nifty.com/ja8mrx/koujyou1.htm
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