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毎日の食品工場での仕事を自信もって、「家庭の食卓で子供に向かって話せる仕事ができる」、そんな食品工場を一緒に考えていきましょう。




原材料仕入れ先管理について

発行日: 2007/7/29

========================================食品工場長の仕事とは===

■■   原材料仕入れ先管理について
■■■                            2007年7月29日発行 
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おはようございます。河岸です。月刊HACCPに連載を書いています。
http://www.keiran-niku.co.jp/haccp.html 2625円と少し高い本ですが、
中身はそれ以上の価値があると思いますので、是非購読をしてみてください。
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原材料仕入れ先管理について
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モラル以前の事件です。

 丁度一年前の2006年8月号のこの特集記事の中で「第七回 原材料の管理
について」お話ししましたが、2007年6月に北海道で牛肉などの挽肉に様々な
畜種の肉を混ぜるという食品産業の根底をゆらがしかねない事件が発生しまし
た。北海道ではスーパーの西友が2002年に輸入肉を国産と称して販売しお客
さまへの返金でお客さまのモラルを問いかける大きな社会問題になりました。ま
た、雪印食品、雪印乳業の大きな食に関する事件もありました。同じ北海道で起
きた事件をホープ社とその仕入れ先は対岸の火事として高みの見物をしていた
と思います。私も北海道で大学卒業まで過ごしていたので北海道産の食品に対
する信用が無くなることは非常に残念です。今回の事件はなぜ10年以上も発覚
しなかったのでしょうか。実際に偽装を会社ぐるみで指示した会社の体質にも問
題がありますが、購入し続けたひき肉などの納入先にも大きな問題があると思い
ます。私が実際に中国で肉を仕入れ検品しているところをみたときには、凍結豚
肉をうけいれる時に例えば重量を計量するときには段ボールから取り出して1ケー
スづつ重量を測定していました。農薬の心配のある葉物野菜は農薬の付着量が
判定できる試薬を用いて受け入れ検品時点で検品を行っていました。中国は生産
者、加工者、販売者とも何を行っているか不安なので出来る受け入れ検査はすべ
て行っているそうです。今回のひき肉を仕入れていた納入先の工場が受け入れ
検査として細菌検査しか行っていなかったとの報道があります。納入毎の挽肉の
外観検査、理化学検査を行っていれば、契約通りの挽肉かどうか検査できたと思
います。10年以上の仕入れの間に挽肉工場の監査で挽肉製造現場を監査するこ
とが何回かあったと思います。監査先の工場の冷蔵庫、凍結保管庫の中に本来
使用しない原料肉が保管されていたり、賞味期限の切れた原料肉があれば、更
に細かく挽肉工場の監査点検ができたと思います。仕入れ原料の製造先の点検、
監査は形だけの監査になりがちですが、図1の様に原料から品質のテントを張る
ためにも一層細かい点検が必要になります。今回は原材料、加工原料の仕入れ
先の具体的な点検方法を食品工場で働いた経験のない方でも点検ができるよう
に詳しくお話したいと思います。


ロットテストで決めた検査項目を出荷前に検査を実施します。
 仕入れる原材料を製造し出荷するときにどんな検査をどのような頻度で行うかに
ついて初回製造のロットテストの時に打ち合わせを実施します。検査項目は細菌検
査だけにとどまらず物性の検査、水分値などの理化学検査が含まれます。当初設
計時の特性値を満足する特性値が見つかればいいのですが特性値として設定でき
ない場合は代用特性値を設定します。挽肉などであればひき肉をビニール袋に入れ
ウオーターバスでボイルしボイル後離水している水分量を測定することで肉の鮮度
の代用特性とするといったことです。出荷前検査でPHを測定するだけでも鮮度のい
いひき肉を仕入れることができます。脂肪値,水分値の測定も自動測定できる測定
機があるので検討するといいかもしれません。検査機械に頼らないでも五感に頼っ
た色、ボイル後の触感などを決める必要があります。


ロットテスト時に帳票を決めます。

 仕入れる原料を製造するときに製造工場で使用する帳票を図2のように明確にしま
す。特に使用する原材料は、仕入れ伝票、使用した原料の現箱のラベルなど原料製
造工場で記入されたものではなく原料製造工場以外の方が書いたものを添付させる
ようにします。原料は最終製品までひもでつながるようにロットの識別を明確にする必
要があります。ロットの識別を使用した原料ロット毎の区分にするか、製造の設備単位
にするか、日別単位にするか良く打ち合わせを行い、使用した原料に問題が有った場
合、使用した設備に問題があった場合などロット区分に迷うことなく回収が実施できな
くてはなりません。


常に帳票を監査できる体質を作り上げます。

 原料製造工場から原料が納入され受け入れ検査時で異常が見つかった場合必要な帳
票を確認できるようにします。図3の様に常に製造工場だけに管理を任せることなく、二
輪車の様に常に受け入れ側の管理が出来ていれば車輪は倒れること無く前に進むこと
が出来ます。これが一輪車であれば車輪は簡単に倒れてしまいます。たとえば、入荷し
た原料肉の色がいつもより赤いと感じたときは使用した原料の帳票を瞬時でFAXをもら
えるようにしておきます。帳票を毎日スキャンしてもらい共通のWEB上に置けばFAXの依
頼を行わないでもデーターを確認できるのでさらに原料メーカーと信頼度が上がることに
なります。



毎日の受け入れ検査の実施について

 受け入れ検査は、規格書に基づいて実施します。納品規格書は当初納品開始時点で
しっかりした打ち合わせが必要ですが、五感で検査できる項目、理化学検査で検査でき
る項目、細菌検査で検査できる項目に分かれます。また、すぐ検査結果が出る項目と検
査結果が出るまでに時間がかかる項目があります。受け入れ検査時点でサンプリングを
おこなっても細菌検査などは検査結果がでるまで数日かかる場合があります。検査結果
が受け入れ時点ででない受け入れ検査項目については、検査結果に問題があった時に
問題のあった原料を使って製造してしまった半製品などの取り扱いをどうするかまで含め
て決めておくことが重要になります。受け入れ時点で何を検査するか受け入れの検品者
のチェックが非常に大切です。


日本で通常行われている受け入れ検査項目は

・品名、・数量、・製造日になります。

少し細かい受け入れ検査を行っている工場では

・入荷時点の入荷温度、・包装等の破損状況などが加わります。

受け入れ検査時点で本来は、・理化学検査、・官能的検査、・細菌検査の項目を付け加
えることが必要になります。

 原料肉などの農畜産物は季節ごとにモデル的に実際に製品を製造してみて問題がな
いかを五感を駆使して官能検査で確認する必要があります。さらに受け入れ検査で数
値に異常がある場合は抜き打ち検査が必要です。


毎日の受け入れ検査で異常値がでた場合

 該当原料を使用した商品で市場クレームが発生した場合などは該当原料を製造してい
る工場に抜き打ち検査に行く必要があります。抜き打ち検査は文字のとおり抜き打ちに検
査に行くことが重要ですから監査に行く工場に「お宅の工場は駅からどのように行けばい
いですか?」とか、何時から製造していますか?」とかを、電話等で問い合わせを行っては
行けないのです。場所、製造時間などのタイムテーブルは納品開始時点で十分に打ち合
わせを実施し、製造時間の変更などがある場合はタイムテーブルの打ち合わせが必要な
のです。該当商品の前後の製造商品による原料のコンタミ、サニテーション不良が考えら
れますので毎週、何曜日の何時から何時に製造すると言った明確な約束事が必要です。
抜き打ち検査に行くときには契約時に約束したデーターが測定されているか、原料の管理
状況はどうか、など細かく検査をする必要があります。


抜き打ち検査では工場全体を監査します。

 原料を仕入れている工場が、他の納入先で大きな問題を起こし製造ができなくなると結
果として原料の仕入れが止まってしまいます。何時原料工場がトラブルを起こしてもいい
ようにすべての原料は二社購買を行うことが理想ですが、数量の確保、価格、しがらみな
どからどうしても1社に頼らなくてはならない場合もあります。一社購買のとき原料供給業
者が他の納品先で問題を起こしても原料を購入することができなくなるため、必ず監査に
行った場合は監査する工場のすべてを自分が品質管理の責任者と言う思いで監査を行
うことが最も重要なことになります。本来挽肉工場で使用するはずの無い「パン」や「豚の
心臓」などがあればこの時点で気がつかなくてはいけないのです。


使用する原料は従業員に説明できることが重要です。

 図4の様に、前日配合した原料の残りを翌日の原料にまぜる。昨日の包装不良品を再
度包装する。一度製品になったものを再度原料として使用する。このような行為は過去か
ら習慣として製造現場では行われてきました。いつもと商品の粘度が異なるときにこの再
製品の使用量が異なったため原料の固さが結果として異なった事例を私も経験しました。
入荷する原料の当日残の半端品の取り扱い、再生品の使用の可否について充分な打ち
合わせが原料製造工場と必要です。再生品の使用については再生品の使用の事実を従
業員に対しても説明が論理的に出来て、何時世間、報道機関に公表されてもいいように
しておく事が重要になります。


第三者のホットライン制度が設けられているか?

 セクハラホットラインが第三者機関で設けられている企業が増えてきましたが、直接の
上司にセクハラではなく、作業上の事で私の言う通りに作業を行わないと明日から来なく
ていいと言われてしまうとつい作業者が本来持っている倫理観とは異なる作業でも行って
しまいます。コンプライアンス、倫理上問題がある作業を強いられたとき第三者に連絡でき
る制度が必要になります。この第三者機関は連絡が入った時点で直に事実関係の調査
に入れることが大切になります。勇気をもって連絡を入れても事実関係の調査に当たるこ
となく逆に経営者にホットラインの連絡を入れて来たひとの名前を伝え工場から排除する
ようなことになっては勇気をもって笛を吹く人はいなくなってしまうと思います。残念なのは
ホットラインの連絡を入れて来た人に頼ることなく調査する方だけの力で事実関係を調査
できる本当に力のある、第三者機関は少ないのが現実になります。もし、通報をしてきた
方の話を聞かなければならない場合には、従業員すべての方の話を聞くことで通報者が
誰かわからないようにする配慮が大切になります。正義感あふれる従業員が保健所、農
水などに連絡をしてしまい結果として正式に処分を受け原料供給工場を失ってしまうこと
になります。ホットラインを設置し、早急に問題点を解決する姿勢がインターネット社会では
大切になります。車の当て逃げの映像を警察に届けても警察が犯人逮捕に動かないため
映像をインターネットで公開する時代です。ホットラインの内容がインターネット上で一人歩
きしないように誠意のある素早い対応が重要になります。


図表はHPで確認をお願いします。
http://homepage3.nifty.com/ja8mrx/siirekannri4.htm

私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。
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月刊HACCPに「中小食品工揚の品質・安全性管理のポイント」連載中
                       http://www.keiran-niku.co.jp/haccp.html
河岸宏和著書 『ビジュアル図解 食品工場の品質管理』 同文舘出版          
河岸宏和著書 『ビジュアル図解 食品工場のしくみ』 同文舘出版
       http://astore.amazon.co.jp/koujyou-22/249-0151581-1769102
食品工場長の仕事とはHP http://homepage3.nifty.com/ja8mrx/koujyou1.htm
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