食品工場長の仕事とは??? |
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========================================食品工場長の仕事とは===
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■■ 第12回 毛髪混入防止について
■■■ 2006年12月30日発行
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おはようございます。
河岸です。2006年も残り二日になりました。食品工場の場合は、年末が休み
で無い場合が多いと思います。特にスーパー、コンビニエンスストアが365日
開いているようになりましたので、何時も新鮮な食品が必要になり、工場も36
5日稼働するようになりました。今日のメルマガを是非読んで頂いて、来年こそ
は毛髪混入のクレームをゼロにしようと正月から決意して頂けると幸いです。
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毛髪混入防止について
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何故毛髪混入から考えるのか
食品工場のクレームで一番多いのは毛髪混入になると思います。異物混入
の危害の重要度から考えると位置づけは低くなりますが、商品を購入されたお
客様の工場に対する印象は非常に悪いものになってしまいます。従業員の衛
生教育を行う場合にも、毛髪混入防止の教育は一番判りやすい項目になります。
毛髪混入防止に対する意識付けが従業員に対してできれば、他の衛生教育に
ついても進みやすいと考えます。陸上競技のハードル競技はトラック内のハード
ルを全て倒してゴールしてもゴールと認められます。しかし馬術競技の中の障害
飛越(ジャンピング)競技は第一障害を飛越しなければ失格になってしまいます。
第一障害を飛ぶことを忘れて、第二障害から全ての障害物を飛ぶことができても
失格になります。同じように、個人衛生の基本でもある毛髪混入の防止ができ
なければ、第二障害からの様々な問題点に向かって行くことは難しいと思いま
す。第一障害の永遠のテーマ毛髪混入防止について考えてみます。
何故毛髪が商品に入ってしまうのか
何故、商品に毛髪が入ってしまうのでしょうか。陸上競技のハードル競技を考
えてください。図1の様に毛髪がスタートしてゴールの商品に混入するまでに様
々なハードルがあります。非常に極端な話では有りますが食品工場で働く人たち
の体毛を全て剃ってしまえば、毛髪混入は無くなってしまいます。すなわちハード
ルの種類を図1の様に陸上競技のハードルから、図2の馬術競技のハードルにし
て、毛髪混入の競技者が、障害に向かう意欲を無くすることができればいいので
す。更に、ハードルを煉瓦で高く積み上げれば障害に向かう意欲は更に強いもの
がいります。まして飛ぶことができないほど煉瓦を高く積みその煉瓦を全てモルタ
ルでつなぎ合わせて積むことができれば、毛髪は商品に混入するという事はでき
なくなってしまいます。このハードルを考えるときに、図3の様に一つのハードルを
堅牢に作り上げ、そのたった一つのハードルに頼り切ってしまうと、そのハードル
が壊れてしまった場合にクレームが発生してしまいます。例えば個人衛生に頼っ
て毛髪混入を考えると、担当者が変わって、教育を十分受けていない新人が包装
作業を担当したとたんに毛髪混入のクレームが発生してしまいます。毛髪に混入
するパワーが10有ったとします。そしてその10を使い切ってゴールにたどり着い
たときに、毛髪混入になったとします。ハードルの高さを10の力で飛べるような堅
牢なハードルを作り上げれば毛髪混入は防ぐことはできます。しかし、そのたった
一つのハードルが倒れてしまえば、クレームが発生することになります。図の様に
2づつの力がいるハードルを8カ所立てることができれば、一つ二つのハードルが
倒れても毛髪混入は防ぐことができます。商品クレームはクレームの要因が重な
ったときに発生していることは皆さんも経験があると思います。
特性要因図を利用して考えます
毛髪混入防止のハードルの詳細を考えるために特性要因図の力を借ります。特
性要因図は「魚の骨」とも呼ばれ様々な要因を考えるのに適しています。ここでは
「毛髪混入を防ぐために」の特性要因図を作成してみました。図4のように八本の小
骨に更に小骨がついています。この小骨を分析することが最終の目標を達成する
大事になります。考えた特性が最終の目標値の改善に効いているかどうかを検証
するためには、実験計画法で計画を組んで解析を行えば寄与率も求めることがで
きますが、ここではそこまでは必要ないと思います。是非、実験計画を組んで実験
を行って見たい方がいればご相談に是非乗らせて頂きたいと思います。特性要因
図の各項目について考えられる要因を書き出してみます。今回は例で書いていま
すが、皆さんの工場で考えられることを考え出して、記入します。その時に実際の
作業者の方から意見を出してもらうようにすれば、毛髪混入に対する参加意識が
非常に高まることになると思います。
特性要因図の各項目で考えてみます
1.個人衛生
極端な話体毛を全て剃ってしまえば、毛髪混入は無くなります。但し、従業員
の方をよく見てみるとひげの生えている方、手の甲に体毛が多く生えている方、
すね毛が多く生えている方がいます。実際すね毛が、制服から落ちて異物混入
になった例があります。床屋に何時いったか、髪の毛を何時とかしたか、風呂に
何時は行ったか等、個人衛生の基本の基本もじっくり教育する必要があります。
少なくても頭髪だけは毎日洗う習慣を教育したいものです。
2.ロッカー
作業着と、家から着てきた服が同じロッカーに入ると毛髪混入の要因になり
ます。毛髪だけでなく、ネコの毛、犬の毛が着いたジャンパーと、制服が隣同
士でロッカーの中に掛かっている場合も多く見られます。作業着は、専用のロッ
カーでたたまないでつるしておくのがベストです。帽子、ヘアーバンドなどを使
用する場合も、その保管場所が家から着てきたものと交差しない保管場所が
必要になります。家から着てきた服、靴などは専用の個人ロッカーに保管する
ことが必要です。
3.制服
この8項目の中で制服についての項目が、一番奥が深くなります。IC工場の
様に繋ぎの制服を着て、帽子をかぶり目だけが開いている制服を着れば毛髪
混入は極端に減ってくると思います。完全に作業着を装着した中で加熱作業、
包装作業を通じて、働きやすくて、異物混入の少ない材質の制服が必要になり
ます。すね毛が混入することを防止するためにも、手足の先はしっかりふさがっ
ている制服が理想になります。制服は消耗品になります。けばだってきて毛玉
が着いているような制服では、ローラー掛けを丹念に行っても毛髪を完全に取
り除く事は難しいと思います。最近では下着まで作業着として交換している所も
あると聞いています。
4.制服の洗濯方法
制服の洗濯を家庭で行っている工場はまだまだ多いと思います。ある調査で
は、お弁当工場の半分以上が作業着の洗濯は従業員の家庭で行っているそう
です。何故家庭で行ってはいけないのでしょうか、家庭の洗濯機の中は、パンツ、
子供の泥のついた服、犬の毛、ネコの毛など異物などの非常に衛生状態の悪い
環境になります。そして洗濯が終わって畳む場面を考えてみてください。ネコの
走り回っている床で作業着を畳みます。そしてお弁当を入れた袋に入れて工場
まで運ぶのです。その間に毛髪の着くチャンスはいくらでも出てきます。制服は家
庭では無く、また町中の洗濯屋さんでもなく専用の洗濯業者に任せることが必要
になります。
5.入室方法
作業着に着替えました。着替えてから作業室に入る前に、粘着テープのついた
ローラーで体中をまんべんなくローラー掛けを行ってから入室します。このローラー
掛けを頭の先からつま先まで、丹念に行えば、十分毛髪混入を防ぐことができま
す。髪の毛が出ないように帽子をきちんとかぶる事が必要になります。手の甲の
毛が多い方はその毛も手袋等で防ぐ必要があります。ひげを生やしている方も、
そのひげを隠す必要があります。そして作業着についた静電気を静電気防止の
のれんなどで取り除いて作業室に入ります。
6.作業中
作業中は作業することで、どうしても髪の毛が出てきますので、定期的に作業者
同士向かい合って相互チャックするだけでかなり状況は変化します。作業中に衛生
担当者が定期的に肩、背中にローラー掛けを行っている工場もあります。工場内の
放送で日付の点検と制服の点検を定期的に放送して手を止めて確認している工場
もあります。
7.休憩中
トイレに行く時どこまでの作業着を脱いでトイレに入るか、たばこを吸うとき、食事を
するときどこまで制服を脱ぐかを決めます。作業着のままたばこを吸っていたり、食
事をしたり、極端な工場では、畳の引いてある休憩室で昼寝を作業着のまましていま
した。せっかくの作業着に休憩中にごみ、髪の毛などが付着する事になり、その制服
のまま作業を行っては、毛髪混入の温床になってしまいます。
8.包装中
最終商品に毛髪が混入するときは、フイルム経由の静電気で混入する場合があり
ます。特に深絞り真空包装機はフイルムが床面の近くを走りますので、静電気で床面
に髪の毛が落ちていれば、混入する可能性があります。フイルムを置く場所、包装室
の床面の清掃状況を管理することは非常に大切だと思います。
目標達成のためにPDCAサイクルを回します
責任者の方が、毛髪混入をなくそうと声高らかに叫んでも従業員の方は動きません。第二
次世界大戦の時に、連合国はノルマンディー上陸のために一年間空挺団を教育しました。
図5の目標達成のためのPDCAサイクルの考え方の様に、達成する具体的な目標を決めま
す。毛髪混入連続100万pk混入なし記録の達成、等です。次に達成する期日を決めます。
今年中に達成するとか、月末までに達成するとかになります。そして目標と期日が決まれば、
PDCAのサイクルを回します。魚の骨で検討した要因から、どのハードルを高くするか方法を
決めます。そして実際に働いている従業員の方に教育を行います。のどの渇いていない牛を
池まで無理につれてきても水を飲まないように、のどが乾いていないと牛は水を飲まないの
です。従業員に毛髪混入の防止の重要性を教育できれば、このプロジェクトは終わったよう
なものです。そして、決めたハードルを実施します。そして図6の様なグラフで結果を掲示して
いきます。連合国の空挺団の訓練時でも、もっとも優秀なE中隊は他の中隊と競い合って一
番優秀な中隊になりました。目標が達成したときに必要な事は、褒め称えることです。日本
ではなかなかほめることができませんが、目標を達成したときは、賞状、バッチ、賞金などを
従業員全体の前で渡すことで、人のやる気はのびていきます。そして自分の家族に自慢で
きるような内容であれば働く意義も見いだすことができてくると思います。
常に目標達成に向かってPDCAサイクルを回します
常に目標に向かってPDCAサイクルを回します。毛髪混入は永遠のテーマです。新入社員
が入ってくれば教育をゼロから行います。また、毛髪混入のクレームが増えてくれば、先のど
こかのハードルを高くする必要があります。そして最終はコストとの競争になります。使い捨て
の作業着を毎日使用できないように、効果が十分に有ってコストが最適な方法を、見つけ出す
ことがその工場の力になると思います。特性要因図から、多変量解析を行って最適の方法を
見つけるときにコストの要因を入れてみることもおもしろいかもしれません。
図はhpから確認をお願いします。
http://homepage3.nifty.com/ja8mrx/mouhatu10.htm
私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。
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著書 『ビジュアル図解 食品工場のしくみ』 同文舘出版
http://homepage3.nifty.com/ja8mrx/honn9.htm
食品工場長の仕事とはHP http://homepage3.nifty.com/ja8mrx/koujyou1.htm
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