金正日私的研究 |
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金正日私的研究 隣の権力者を勝手に分析します
======================================== 発行日:2005/5/6 VOL 29
脱北者支援団体RENKが最近ホームページに発表した文章。あまり高い位
の人とは思えないが、一般庶民の金正日総書記観を知ることはできる。文中子
どもの名前を勝ってにつけるというのはどこかで読んだ覚え有り。
関連部分のみ抜粋。興味のあるかたは下のアドレスにアクセスを
http://www.bekkoame.ne.jp/ro/renk/note20040501.htm
われわれ中間階層の視点から見た北朝鮮
−ある脱北者の手記−
今年1月、北朝鮮から中国に脱北した2人の男性(ともに30歳代)が共同で
執筆したものである。中朝国境地域で活動するRENKメンバーが現地協力者を通
じて両人と接触した。交流を重ねる中で、視点のユニークさ、内容の幅広さに
興味を持ち、レポートにまとめるよう要請し、2月に入って本稿を受け取った。
故あって職業を明かすことはできないが、一読すればお分かりの通り、筆者
らはインテリの部類に属する。「最高指導者」金正日の性格や働きぶり、北朝
鮮社会の状況を醒めた眼差しから皮肉たっぷりに描いている。
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1. 最高指導者同志に対する見解
多くの資料と同僚たちの意見を総合すると、たがいに矛盾する最高指導者の
性格を知ることができる。
△ 過激型、気分主義がとてもひどい。
(金正日は-訳者注)政治家を動かすものは、感情ではなく利害関係だと言
った。身振りと行動、言語表現に至るまで、最上級の修練を受けたというけれ
ども、天性の性格は隠せない。
朝鮮人民軍功勲合唱団の公演を観覧し、自分は凛々しく気迫にあふれた歌が
好きだと言った。
何処であれ、現地視察に出向くと決まって芸術小公演を観る。芸術を喜ぶよ
うだ。けれども、このような行動は単なるご愛嬌で、実際上はちがう。自身の
気分に応じて幹部を登用し、失職させることが多いのだが、このような気分主
義が国家政策の一貫性を維持できなくさせる一つの原因となっている。
ときには、たったいま伝達した内容が覆るせいで、最高指導者の指示を伝達
する講演者たちまでうろたえるときがある。
大紅湍(テホンダン、両江道にある地名-訳者注)に来たとき、ジャガイモ
生産量と食生活の有用性に対する話を聞いてからは、即応的にジャガイモ農業
を全国的に一般化することについて指示を下ろし、気候風土が全然合わない野
原地帯にまでジャガイモを植えろという伝令が出た。
こんな例を挙げればきりがない……。
△ あまりにも注意深く、こころ広く持てない性格。
かまどの上に座り、飯が炊けるまでずっと神経を使う者がいる。巷間では、
このような男たちを指して「粟(あわ)」(ひどく小物の人間のこと-訳者注)
と言う。
最高指導者は、自分の政治について「幅広の政治」だと喜んで言う。しかし
その政治が決して幅広ではなく、あまりにも品がないということは、今や世人
がみな知っている。
最高指導者が平凡な家庭を訪問し、味噌の問題までこと細かく関心をよせる
ということは、言論媒体が先を争って騒ぎ立てる。
彼が現地指導の過程で名づけていく子供の名前も多い。大紅湍に来たとき、
妊婦に、六ヶ月後に男の子を産んだら「テホン(大紅)」、女の子なら「ホン
ダン(紅湍)」と名づけろと言った。そのせいで、お腹の中で満足に育ってい
ない子供のために、平壌産院から保育士まで差し置いて医者だけを集めてきた。
朝鮮ではこのようなことを指して「祠堂の言い伝え」と言う。
咸興市(ハムン、咸鏡北道-訳者注)の塩田を見て廻れば、子供の名前を
「塩」、慈江道の道路管理工と会って記念写真を撮るときに、子供がぐっすり
寝ていると「後悔」。将来きっと寝たことを後悔するようになると……。ほん
とに賢い子だ。会いたくないから寝たふりをしたのだろうに。そう、これから
先に後悔するようになるか、ほんとに良かったと言うか……。
△ 多方面的才能の所有者?
美術に興味があり、(拳銃の-訳者注)速射もうまいという。音楽に造詣が
深い。コンピューターをうまく使い、映画を好む。軍事に精通し、歴史に通じ、
文学についても深く通じている。
それなら、経済は?
朝鮮の出版物はやはり経済に対する現地指導についてはよく騒ぎ立てても、
さすがに経済の天才だとは言えないでいる。
外国人もそうだが、朝鮮人もやはり、金正日書記が経済を知らず、彼が政治
をやりはじめてから国の事情が苦しくなったと言う。
「一人が儲けて十人を食わせて暮らす」というのが朝鮮だ。
党、行政経済機関、軍隊、司法安全機関をはじめとする国家統治機構と非生
産部門の従事者が驚くほど多い。
「船頭多くして船山へ登る」というが、このように多くの組織従事者がいる
にもかかわらず、状況は日ごとに悪化するばかり。
常識はたくさんあるというけれど、専門的な仕事の知識が不足しているよう
だ。だから、下から上がってくるあれやこれやの話に振り回され、つじつまの
合わない指示を続けざまに下命することになる。
ひとことで言って、常識の塊ではないかというのだ。
△ おべっかと快楽を喜ぶ
金正日の名言がある。
「おべっか使いの口には蜜があり、腹の中には刃がある」
自分が最も嫌いな人間は、一番目におべっか使い、二番目にずっと座ってば
かりいて世渡りだけする遊び人、次に民衆を見下す官僚主義の暴君だという。
けれども、自分がそうした人間の頂点であり、自分の配下は皆、そうした人
間であることを知らないようだ。
「おべっかは発展の基礎だ」という朝鮮のユーモアがある。ひとことで言っ
て、おべっかが無ければ出世も名誉も、自分の座を守ることもできないという
わけだ。
△ 実利よりは外的表現(体面-訳者注)
国のありさまが苦しいせいか、性格的に小物のためなのか、目の前の成果に
だけ汲々として満足している。壮大な問題について大騒ぎするものの、実際に
は足の甲に落ちた火から消そうという式だ。
ところで、このような現象は国の状態が大丈夫だった以前の時期にも濃厚だ
った。ひとことで言って、けっして未来志向になれない判断だ。
3. 民衆の要求と政治的反映
金正日書記はやはり「以民為天」(民衆の思いどおりの政治をする-訳者注)
をみずからの座右の銘とするという。しかし、これは真実の表現ではない。朝
鮮の政治は、民衆を完全に無視した政治、民衆と上層が完全に相反する政治だ。
路線や方針の上から見るとき、気分主義が多く、正確な分析や周囲の環境に
対する研究がない。
ジャガイモ植え、中小型発電所建設、草食動物の飼育、養魚、きのこ栽培な
ど、苦難の行軍(96年〜98年)以降の時期に下された指示を見れば、それこそ
人びと唖然とさせ顔色なからしめるものだ。
・ジャガイモ植え
高山地帯の気候風土に合ったジャガイモを全国に植えろと命じて、人びとを
ひどく疲れ果てさせた。結局、自然と「ちり紙」になった指示文だった。
・中小型発電所建設
水のあるところ全てに発電所を建設し、電気のありがたさを感じるというが、
発電設備が効率的にならず、冬の長い北部の発電所の実情に合うわけがない。
結果、発電機だけ作って、数多くの電動機をだめにした。ここに投じた労力、
木材、セメントをはじめとする資材だけでも少なからぬ数字になる。
・草食動物の飼育
ヤギの飼育について大騒ぎした。実際、国家はまだこれを大仰に押し進めて
いる。けれども、人びとの要求は、草がたくさん必要な気難しい山羊ではなく、
牛を自由に飼えるようにすることだ。ところが、牛は生産手段に属するので、
個人では飼えないという。
・養魚、きのこ(マツタケ)栽培、温室野菜
利益よりは労力と資材をあまりに多く浪費した。各道、郡、里の所在地、大
きな工場・企業所にすべて整えた施設がひとつでも残っているか?
・最近下された指示=工場の構内食堂
(金正日が-訳者注)平壌市のある工場に入って見たら、構内食堂を整えて、
労働者の昼食を保障していたという。ほんとうに良いことだと、この工場を見
本にするよう全国に指示した。だから工場・企業所ごとに構内食堂を作って騒々
しい。その食堂を運営できないのは灯を見るより明らかなのだが、形だけでも
整えないと、命令に背いては、毎日やって来る検閲員に首をゴロンと落とされ
る。糊口をしのぐのもたいへんなのに、なにが構内食堂だ? そんな力があっ
たら、配給でもすこしぐらいしてくれ……
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