トップ > ニュース&情報 > 社会・社会学 > 花柳幻舟さんとあれこれ考えてみる

小学校中退で大学卒業の創作舞踊家・花柳幻舟と仲間たちが、日常の出来事から内外の政治、経済、教育等々の小さな疑問や大きな矛盾について、自由でユニークな観点であれこれ考え語るメッセージマガジン。

  • 最新号:2008-08-25
  • 発行周期:月2回(10日、25日)
  • 読んでる人:113人
  • 創刊日:2004-02-26
  • Score!:非表示
  • コメント数 : 0
  • メルマガID:111008
  • バックナンバー:全て公開
  • 発行者サイト:あり
  • >> 月間ランキング



花柳幻舟さんとあれこれ考えてみる(2005.9.10号)

発行日: 2005/9/10



     <中村勘三郎の終わりなき“お詫び”会見>

『非常に申し訳なく、世間を騒がせたことを深くお詫び申しあげま
す』(日刊スポーツ新聞・2005.8.6)
 息子・中村七之助の公務執行妨害逮捕事件(詳細は当メルマガの
本年2月10日号にあります)から約半年。歌舞伎界の“名門”とい
われる18代目中村勘三郎も、自らの襲名披露興行に浮かれているだ
けではなく、少しは心を入れかえて、半年経った今でも、息子の不
祥事をことあるごとにお詫びして回っているのか。“不肖の息子”
をもつと親も大変だなあ、などと思いながら、その新聞記事の続き
を読んでみると、それはとんでもない私の早合点だった。なんと、
また新しい“ネタ”で勘三郎は“世間”にお詫びしなければならな
かったのだ。
 勘三郎の弟子である中村銀之助(32才)が「覚せい剤取締法違反
(所持)」の現行犯で、本年8月4日午後11時ごろ、自宅アパート
で逮捕されたのである。
  勘三郎は報道各社へのファックスの中で、
『弟子の指導のどこに問題があったのか、あらためて深く考え、反
省しています。銀之助については破門せざるを得ないと考えていま
すが、本人の更生を第一に考え、見守っていこうと思います』(同
紙)
 と詫びたという。
 しかしながら、今さらではあるが、勘三郎という人間、まったく
進歩のない人である。
 その証拠に、前述の息子・中村七之助が逮捕されたとき、勘三郎
は記者会見でこう言っていたのである。
『甘やかして育てたつもりはなかった。自分の教育方針が間違って
いたのかなあ』
 と。
 その半年後に、今回の弟子の事件である。
 勘三郎はこの間、息子・七之助の事件とどう向き合ってきたのか
と問われても仕方あるまい。
 自分の息子が不祥事を起こしたとき、親としての反省はもちろん
必要だが、『中村屋の長』としてもう一度、芸に取り組む姿勢を深
く自省し、襟(えり)を正し、自ら範(はん)となり、その上で一
門の弟子たちに対しても芸の精進に励むよう指導していくというの
が当然の姿ではないだろうか。
 七之助の事件の記者会見で、報道陣の前で両手をあわせ、いかに
も反省しているような言葉を並べてはいたが、結局のところ、この
半年間、勘三郎自身、何ら反省することもなく、襲名披露興行とい
う“ゼニ稼ぎ”に奔走(ほんそう)していただけということなので
はなかっただろうか。
 
 警察官を殴り、あれだけの大立ち回りをして、公務執行妨害とい
う事件を起こした実子・七之助に対して、勘三郎は2ヶ月の謹慎処
分を命じた。たった2ヶ月である。
 その一方で、今回の事件では勘三郎は、『本人の更生を第一に考
え、見守っていこうと思います』と口先ではいっておきながら、事
件として起訴もされていないにもかかわらず、弟子・銀之助をさっ
さと破門処分にするという。
 銀之助は国立劇場の歌舞伎俳優養成所の出身者である。
「歌舞伎俳優の家」に生まれた、いわゆる「梨園(りえん)の出」
以外の者が歌舞伎俳優になる方法は、歌舞伎俳優の弟子になるか、
もしくは養成所に入るしか現在他に道はないのだ。
 現在、約300人いる歌舞伎俳優のうち4人に1人が養成所の修了
生だという。
「梨園の御曹司」しか主役になれないような血筋優先の封建的な世
界に、あえて身を投じることを望んだ研修生たち。彼らは心底、歌
舞伎が好きなのだろうと私は推測する。銀之助にしても歌舞伎俳優
になるという志をもってこの世界に飛び込んできたに違いない。そ
れがなぜ「覚せい剤所持」などという"悪の道"に踏み入ってしまっ
たのか。勘三郎が芸の“親”であるならば、なぜ“子”である銀之
助にこれらを問いただす前に「破門宣告」をしたのか。この点、私
は不思議でならない。
 東京・豊島区の2階建ての安アパートに暮らし、下積みの歌舞伎
俳優としてわずかな収入しかない銀之助が覚せい剤などになぜ手を
染めたのか。聞くところによれば1グラム6万円ともいわれている
覚せい剤を、銀之助はなぜ9グラムも所持していたのか。
 一般的に、法廷で通常いわれている覚せい剤の1回の使用量は、
0.03グラムとされているらしい。
 銀之助が逮捕時所持していたのは、警察発表では9グラムといわ
れている。単純にこの数字を当てはめると、300回分の量に相当す
る覚せい剤の量である。金額に換算すると、とてもではない高額な
代物(しろもの)、収入のほとんどない修行中の銀之助が本当に買
うことができたのか、これも不思議である。
『自分で使おうと思った』(同紙)と警察の取り調べでは銀之助は
言っているというが、これほど大量の覚せい剤を所持していたとい
うことは、銀之助は覚せい剤常習者、相当な中毒患者だったのか。
だとすれば、勘三郎はもとより、一門の誰もまったく気づかなかっ
たはずがない。
 銀之助が起訴されたのは本年8月25日である。
 今後、公判の中で、銀之助は誰をかばうこともなく本当のことを
述べ、明らかにしていくのであろうが、現時点ではまだまだ不明で
不思議な点が多すぎる。
 ことの真偽も定かでないにもかかわらず、勘三郎は事件発生直後、
銀之助を「破門」処分にした。とにかく、何が何でも中村銀之助と
いう弟子はいなかったことにしたいかのように。それが勘三郎の本
音のように私にはみえて仕方がない。
 由緒ある「中村屋」名を汚すような、しかも所詮、研修生上がり
など使い捨て。「中村屋」に入りたい役者はいくらでもいるんだ、
雑魚(ざこ)なんかにかまっているヒマはないんだよ。と言いきる、
こんな勘三郎の声が聞こえてきそうで、恐ろしさと冷たさを私は禁
じえない。
 マスコミはよってたかって“伝統芸能の継承者”などと中村勘三
郎をほめたたえているが、勘三郎がそんな立派なご仁なのだろうか。
 芸はそっちのけで、「中村屋」という名前、家柄、血筋、格式を
“伝承”することだけにきゅうきゅうとした、たんなる自己本位、
自己保身だけの人間であるということは、はからずも今回の中村銀
之助の事件によって露呈されたといえるのではないだろうか。
 以前、当メルマガで『自操連』最高顧問・木戸光氏が述べていた、
「親の背中を見て子は育つ」という名文を私は思う。
 中村勘三郎という親の背中を見ながら、子(弟子)たちはどのよ
うに育つのだろうか。
 勘三郎が今の勘三郎である限り、“お詫び”会見はきっとこれか
ら先も繰り返され、何度も“ご披露”されることであろう。
              【『自操連』事務総長・中森秋彦】


<あとがき>
□この夏の西日本各地での講演会も大盛況のうちに終え、久しぶり
に東京に戻った幻舟さんは、休む間もなく、この秋出版される新著
の校正に励んでいるところです。
 前号でお知らせしました幻舟さんの新著『14歳の死刑囚』は、少
年少女が犯したショッキングな事件を大々的に取り上げて、あたか
も少年少女たちの犯罪が激増しているかのように、事実とはまった
く異なる情報をマスコミ等に意図的に流布し、「少年少女にも厳罰
を与えるべき」という世の中の流れに警鐘を鳴らしたい。そして数
々の身近な事例をわかりやすく取り上げながら、少年少女たちに「
賢くなろう」というメッセージが込められた本だそうです。
 発売まであともう少しということなので、心待ちにしたいと思い
ます。
□先日、幻舟さんがある宝くじ売り場で目にした光景のお話です。
 幻舟さん自身は、宝くじをこれまで一度も買うことはなかったそ
うですが、幻舟さんがまだ幼い頃、お父さんがよく宝くじを買って
いた光景を思い出して、幻舟さんは、宝くじ売り場があるとそこに
並んでいる人たちにいつもふっと目がいってしまうのだそうです。
 幻舟さんが都内のとある銀行に用足しに出かけたとき、銀行の横
にある宝くじ売り場に並ぶ人たちの中にまじって、ひとり法衣(ほ
うえ)を着たお坊さんの姿を見つけました。
 好奇心旺盛な幻舟さんは、そのお坊さんの行動が気になり、宝く
じ売り場の窓口近くまで近寄って、お坊さんの話に耳を傾けたとこ
ろ、お坊さんは
「宝くじを連番で3セット。バラもありますか?」
 と、売り場の女性に告げたのだそうです。
「坊(ぼん)さんは、ケチな割にはいやらしくて、愛人を持ってい
る坊さんもいる。俗世界そのものや」
 と、幻舟さんは、お友だちの京都の芸妓さんらの言葉を思い出し
ながら、
「宝くじに当ったお金で、お寺の修理をするのか、愛人にダイヤモ
ンドをプレゼントするのかわからないけれど、貧乏人の檀家(だん
か)から多額のお布施をまきあげて愛人に貢(みつ)ぐようなお坊
さんよりは、同じ俗世界のお坊さんかもしれないけど、このお坊さ
んはエエお坊さんなのかもしれないなあ」
 と、月末で混雑する銀行の前で、お父さんの姿を思い浮かべなが
ら、一人こう思ったそうです。
□このメールマガジンについてのご感想などは、
 genshu-h@mail.goo.ne.jpまでどうぞ。
                     【へんしゅう・昇】

 
このメルマガの読者になる
規約 
>> メルマ!の会報誌もお届けします

ブックマーク: はてなブックマークに追加del.icio.usに追加Buzzurlにブックマークニフティクリップに追加ライブドアクリップに追加Yahoo!ブックマークに登録My Yahoo!に追加Add to GoogleRSS

このメルマガを読んでいる人はこんなメルマガも読んでいます

ワールド・ニューズ・メール
世界各地に滞在し、その国の空気を吸って生活しているライターが、現地の目と日本人の目で多角的に分析したレポートです。毎週2回の配信で、世界を一つかみし...
Info Moon
月の総合サイト「The Moon Age Calendar」から様々な情報を毎日お届けしています。月を意識しながらの生活は、きっとあなたを変えて行く...
週刊アカシックレコード
02年W杯サッカー韓国戦の「誤審」を世界で唯一「前日」に誌上予測し、誤審報道を「常識化」した推理作家(金正日の「遺書」で始まる「中朝戦争」後の北朝鮮...
宮崎正弘の国際ニュース・早読み
 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析
暦のツボ
「○○の日」って、誰がどうやって決めたの?「旬の魚」って、どんな魚なの?生活や食、歴史の視点から、暦や記念日に関する疑問を一歩踏み込んでズバッと解決...


おすすめキャンペーン

三井住友銀行カードローン
金利 年6.0%〜12.0%。最高500万円までお借入可能。
最短30分審査、即日カード発行可能。
お申込はこちら⇒

発行者プロフィール

ペンネーム :


このメルマガの読者になる

規約に同意する



このメルマガの最近の記事


このメルマガの最近のコメント

最新のコメントはありません。

注目情報


新着記事トピックス