小学校中退で大学卒業の創作舞踊家・花柳幻舟と仲間たちが、日常の出来事から内外の政治、経済、教育等々の小さな疑問や大きな矛盾について、自由でユニークな観点であれこれ考え語るメッセージマガジン。
- 最新号:2008-10-10
- 発行周期:月2回(10日、25日)
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- 創刊日:2004-02-26
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花柳幻舟さんとあれこれ考えてみる(2005.5.25号)
発行日: 2005/5/25<他人ゴトから自分ごとへ> 争いごとを求めぬ温厚な性格なのだが、ときにして我慢ならない事態に出っ食 わす。とくに権力やら権威を、さりげなく振りかざす輩(やから)。黙って通り すぎる人間ばかりではないゾ、ということを示しておきたくなる。 この種の人間をノンキにのさばらしておくのは世のため人のため、いンや私自 身の腹の虫がおさまらない。 多くの国民があまりまだ目を向けていないようだが、中央官庁(で働く役人) は一級の資料を抱える情報の宝庫である。そこで私は、いろいろな調べごとや情 報集めのとき、それは趣味に近くわりかし気軽に、国会や省庁など中央の各種国 家機関に電話をかけて活用している。県庁や都庁など地方自治体に対しても同様、 気軽に接する習慣がある。それも彼らの仕事の一部である。 そんな中央と地方の官僚の中に、国民の税金で国公立大学を卒業させてもらい ながら、厚かましくも、「公僕」意識を1グラムほども持ち合わせていない、エ リート意識丸出しのゴーの者が存在する。 納税者であり主権者である国民に“背中”を向け、同じ公僕たる政治家のほう にばかり顔を向けている勘違いエリート官僚がはなはだ少なくない。 「私はナニナニ県ナニナニ市に住む○×と申す善良な国民の1人だが、新法のナ ニナニについてお尋ねしたい」 その日、例のごとく素姓と名前を明らかにした上で、いつものように上品にス タートした先は、某法務省の若き役人。 エリート君は最初、事務的に調べて回答。 「コピー代と送料を支払うので、それを送っていただきたい」 「そういうことはこちらではやっていないので、インターネットで見て下さい」 このあたり、省庁と役人個人によって対応は別れる。快(こころよ)くFAX してくれるところと人もいるのである。一瞬ムッときたが、抑えて、 「ほお。インターネットができない人は、どうすればいいでしょう?」 「では、公立図書館に必ず官報がありますから、そちらをご利用下さい」 「残念ながら図書館は遠く、体調も悪くて出られない。私のような病人やご老体、 身体障害者、農山村の遠隔地住民はどうすればよいですか」 テキもイラだってきたが、こちらも段々と体内の血の逆流を意識しはじめてい る。なにせ、たかが2ページの資料なのである。 早急に入手したいのも事実だった。 「うーん‥‥」 「お手数でもFAXしてもらえませんか」 と、ここまでは私も礼を尽くしたつもりだ。が、私はただ黙って退場する種類 の人間ではない。 「そういうことはやっていません」 「どうして。そんな法律でもあるの?」 私の口調が、いささか変わる。すると相手も変調し、今度はどこか高圧的に、 「文書としての決まりはないですけれど、内規でそうなっています」 「ほほお、ほお、ほお。つまり慣習ということ?」 「そうです!」 木っ端(こっぱ)役人の常套句(じょうとうく)に、「前例がない」というお 決まりのメニューがある。実に安直楽チンなマニュアルで、百年たっても変わら ない(変えない)と言明しているのと同義だ。 それに対して私は、「だったら今日から私がただちに前例になる」と反論する も、けっして受け入れはしない。認めるとすれば、一回こっきりで終わる“例外 ”だけである。 「分かった。これは、私にいわせると悪しき慣習である。局長に電話を回して下 さい」 「えっ‥‥」 絶句し、ひるんだ様子が伝わってくる。私のようなタイプは、やはり少ないの だろう。 「私の意見を局長に述べるから回してくれ」 「い、いや、局長はいま国会のほうへ行っています‥‥」 「仕方がない。では局次長につないでくれ」 「いや、あの、あの‥‥」 激しい動揺の気配が伝わってきて、しばしの沈黙のあと、急に口調が変わって ケロリと、 「分かりました。じゃ、今回のみ“特別”ということでFAX いたします」 所期の目的を達したので話のホコをおさめたが、この間、時間にして約15分く らいか。高い電話代いやFAX代となった。 それにしてもエリート官僚(に限らないが)の自己保身たるや、強烈である。 匿名(とくめい)性を好み、自己責任を激しく嫌う。 権力や権威をバックボーンにしている者の中には、相手が自分より下位の人間、 あるいは弱者とみるや、嵩(かさ)にかかって威圧的な姿勢に転ずる大バカ者も いる。 ところが、なんでも自分ごとではなく“他人ゴト”にし安全圏に身を置こうと する今日の風潮に抗して百人に1人、いや千人に1人か1万人に1人かは知らず、 せめて1つの市町村に各1人くらいは、単純にはイエスといわない反抗的熱血タ イプの個性も存在するハズである。 そのような多彩な個性や、右顧左眄(うこさべん)する烏合(うごう)の衆と は明らかに一線を画す骨のある反逆者が一堂に会したら、実に面白く圧倒的な歴 史ドラマがただちに生まれるだろうと夢想されるが、それはともかく、制度や風 潮を創るのも、変えるのも、支えるのもヒトである。 放っぽらかしておいたら、いくらでも調子に乗り暴走し、腐ってゆくのが権力 や、中身の貧しい権威なるものの正体。むろん心ある官僚や役人もいるが、心な い官僚や役人がそれより幅をきかしているのも現実である。 放っぽらかしにし、のさばらせ、暴走させて、やがて我が身に火の粉が降り注 がないようにするには、致命傷になる前にすべて「自分ごと」に引き寄せる感性 を研磨(けんま)すべきではあるまいか。 ところで、吉報が飛びこんできた。 高校生のための今年度版全国誌『ブックマップ』の<高校生のための百冊>コ ーナーに、熊本県高等学校教育研究会が推せんした永世総裁(花柳幻舟)著『小 学校中退、大学卒業』(明石書店)が選ばれたのである。 学ぶということは一体どういうことかを伝えたい、という趣旨の推せん文が寄 せられているという。まさに、何冊もの六法全書をボロボロにし、同時に一方で 算数の9×9やABCを血を吐(は)くようにして学んだ総裁の最も読者に伝え たいことや、きわめて切なく人間くさいメッセージをテンコ盛りした同名著が、 さらに一歩大きく新たな人たちに共感的に迎えられたことは、新時代の潮流を予 感させるものがある。 真の学びは、生きる勇気と希望と大いなる人生の武器をも与えてくれるという ことを、同著は深いところで伝えてくる。末長く愛されるだろう同書は、若者の みならず、真に教育者であろうとする関係者にも歓迎されるに違いない。 【『自操連』副総裁・水平線世之介】 <あとがき> □“いつか日本中がスギ林になってしまうのか”と思ってしまうような、「今日 1日で、去年1年間の2倍分の量のスギ花粉が飛散しました」という“仰天”ニ ュースから約2ヶ月。 「美しい女も、花粉には勝てん」と、ティッシュ箱を抱えながら部屋の中をウロ ウロしていた幻舟さんも、例年にない花粉症の苦しみからようやく解放され、あ と約1ヶ月後に迫ったこの秋出版予定の2冊の新著の原稿締め切りに向けて、た だ今、ねじりハチマキで大奮闘中です。 そんな幻舟さんのもとに、先日、熊本のお仲間から、誕生日のプレゼントにと、 大好きな“タコ”が届いたそうです。 届いたばかりの新鮮なタコをさっそく塩もみして(幻舟さんいわく、これが大 事なのだそうです)、ゆでたてのタコを思う存分食べたという幻舟さん。お腹も 心も一杯になって、ますます原稿書きもはかどることでしょう。 また、遠くオーストラリア在住のYさんから“お祝いメール”が届いたり、大 阪や広島のお仲間からもお祝いの電話があったりお花が届いたりと、皆さんの温 かい心づかいに、幻舟さん、感謝感激の“誕生日”でした。 □さて、その注目の幻舟さんの新著ですが、ご自身の体験に加えて、放送大学な どで学んだ勉強の成果を発揮して、今の日本社会、とりわけ若い人たちにとって 有意義な本にしたいと、特に法律をわかりやすく幻舟さん独特の語り口で製作し てくれているそうです。今から発売が待たれるところです。 □健学社から発行されている月刊誌『心とからだの健康』5月号から始まった幻 舟さんの連載コラムについて、「忘れていた子どもの頃の感性が思い起こされた 」「年間購読を申し込みました。次号が楽しみです」などの声が多く寄せられ、 大きな反響をよんでいます。 「徹底的に疎外され差別されても、決して意地と誇りだけは失わずに生きてきた 私の体験を多くの方に知っていただき、生きていくうえでなんらかのヒントにし てもらえたら嬉しい」(同誌5月号から) まだご覧になっていない方も、ぜひお読みください。 なお、お近くの書店の店頭にない場合でも、ご注文いただければお取り寄せで きます。 お問合せ等は、健学社 http://www.kengaku.com/ までお願いします。 このメールマガジンについてのご感想などは genshu-h@mail.goo.ne.jpまで お寄せください。 【へんしゅう・昇】
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