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一日1題、技術士(金属)試験問題にチャレンジしよう!

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一日1題、技術士(金属)試験問題にチャレンジしよう!2004/04/29木

発行日: 2004/4/29

■一次試験にチャレンジしてみよう。2004/04/29木
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今日から全国的にグールデンウイーク突入ですね。
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【今日の問題】

平成15年度一次試験問題から出題をします。

4-16 金属材料の疲労き裂に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 疲労き裂の進展方向は、円弧状のビーチマークに垂直であるため、ビーチマーク
から疲労破壊の起点を推定することができる。

2 高強度材における疲労破壊の起点は、内部の介在物が起点となることがある。
この場合、起点となった介在物周辺の破面は円形模様を呈し、これはフィッシュ・
アイと呼ばれている。

3 疲労き裂伝播速度(da/dN)-応力拡大係数範囲(?K)線図上の中間領域
では、ノートン則 da/dN=C(?K)^mが成立する。ここでC及びmは材料定数で
ある。

4 延性材料の疲労破面にみられるストライエーションの一筋一筋の間隔は、
1サイクル当たりのき裂伝播速度を与える。

5 延性材料の疲労破面上のストライエーション間隔対き裂伝播速度関係、
き裂伝播速度対き裂先端の応力拡大係数範囲関係から、破壊力学によって
その部材に作用していた荷重レベルを概略推定できる。
            
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【解説】
◆材料の力学的性質を大きく分けると、6つの分野に分類されます。試験ででて
くるのも、この分野で大きく括れます。
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■転位
■塑性力学
■破壊力学
■降伏
■加工硬化と塑性変形
■破壊
------------------------------------------------------------
◆これらを、全部勉強するのも大変な話しですね。ひとつひとつやっていくと、
大学の講義を数年間聴講しなければならないような分量になってしまいます。
コツは、試験に出てくるところだけを勉強するのです。それには過去問題を解くしか
方法がありません。試験にどこがでるのか、全方位で準備することなど、毎日の
お仕事で忙しい皆さんにはとても大変なことですね。話しがそれました。
今回の問題解説に、戻りましょう。
◆この中の『破壊』の一分野が今回のテーマです。破壊をもう少し掘り下げて
みましょう。
------------------------------------------------------------
破壊に関するアイテム
■延性破壊
■脆性破壊
■遅れ破壊
■疲労破壊
■クリープによる破壊
■磨耗
------------------------------------------------------------
◆この破壊の更に一分野が、今回の『疲労破壊』です。恐れることはありません。
ご一緒に、この分野について見ていきましょう。
------------------------------------------------------------
疲労に関するアイテム(今回問題に出てきた単語)
■疲労き裂の進展
■ビーチマーク
■疲労破壊の起点
■フィッシュ・アイ
■疲労き裂伝播速度(da/dN)-応力拡大係数範囲(?K)線図
■ノートン則 da/dN=C(?K)m
■ストライエーション
------------------------------------------------------------
◆これらの単語の背景が判れば、おのずと答えが判ってきます。
◆疲労とは、繰り返し応力を受けると、通常の材料が持つ破壊応力(普通、
引っ張った時の応力で代表することが多く、TSすなわち引っ張り応力と称します
ね。)よりもずっと低い応力で破壊する現象です。疲労応力は、通常の何も
欠陥が無い試験片の場合で、のTSの3分の1程度、切り欠き欠陥などを
いれると応力集中して10分の1程度で破壊してしまいます。材料に切り欠きを
入れた場合を切り欠き効果、表面を腐食させた場合を腐食疲労と呼ぶ場合も
あります。
◆疲労破壊は脆性材料では発生しにくく、延性材料すなわち塑性変形能を
持つ材料では必ず生じます。これは、降伏応力以下では材料全体は塑性変形
しないのですが、微視的にみて、表面や結晶粒や介在物の周辺では塑性変形が
起き局所的なすべりが生じるからです。この結果、繰り返し応力がかかるとすべりが
蓄積し、破壊に繋がるのです。◆従って疲労寿命は、き裂が発生するまでの荷重の
繰り返し数と、発生したき裂がある限界き裂長さまで成長するのに要した繰り返し数
の合計で決まります。細かく見ると、疲労き裂の発生、疲労き裂の伝播、
そして破壊です。ここで注意しておかなければならないのは、最初から欠陥がある
場合にはき裂伝播速度が寿命支配因子です。欠陥がなく、き裂を生じるまでの
時間が寿命の支配要因の場合と区別する必要があります。
◆疲労破壊の分野には、フラクトグラフィという分野があります。今回の問題は、
その中から出題されています。フラクトグラフィは、破壊面に残された形態を見れば
破壊様式が推定できるため、破壊事故の原因究明に有力な道具になっています。
------------------------------------------------------------
◆ここで破壊様式による呼び方を整理しておきます。
■延性破壊;ディンプル模様
■脆性破壊;リバー模様(リバーパターン)
■疲労破壊;ストライエーション、タイヤトラック
-----------------------------------------------------------
◆ストライエーションの一本一本が応力の繰り返しに対応しており、局所的なき裂の
伝播速度を与えています。少し難しくいうと、ストライエーション間隔Sと
応力拡大係数ΔK/Eの関係は、S≒6(ΔK/E)^2です。
◆さて、疲労き裂の成長速度についてもう少しみていきましょう。き裂の長さaと
繰り返し回数Nを用いて、(da/dN)をき裂成長速度と定義します。これと
応力拡大係数ΔKの間には、(da/dN)=C(ΔK)^2の関係式が成り立ちます。
ただし、これが成り立つ領域は、領域を3つに分類すると疲労き裂進展開始域、
安定成長域、不安定破壊域のうち真ん中の安定成長域に限ります。
◆さて、問題の解説に戻りましょう。
1は、ビーチマークとき裂の進展方向は直角になりますので○
2は、高強度鋼の介在物が起点になると丸くなりフィッシュアイと呼ばれます。○
3は、これまでの解説で○
4は、これまでの解説で○
5は、意味不明ですが、疲労き裂の進展は単純にストライエーションだけで決まる
ものではなく、他の機構も色々関与していることから考えても推定できるとは思え
ません。他にはボイドの合体やへき開や環境因子も絡んできます。
◆解答は、5が誤りです。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
何か、ご意見、質問、疑問がありましたら、KAZTECまでご連絡ください。
連絡先  kaztec@aw8.mopera.ne.jp

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