艦艇模型原型制作日記 |
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模型原型制作日記
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2004/11/13 vol.12
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TESTSHOT 鳥海レジンプロトタイプの検証(その2)
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前回は、砲塔、高角砲、測距儀のお話をしましたが、一つ大変な
課題を鹿深工房の匡治氏から提示されていたのです。
それは、シャープさを出すために主砲は全金属製と書きましたが、
実は一個しか作ってなかったのです。
鳥海の主砲は全部で5基有りますが、「これと同じものを後、
4個作って欲しい」と言われたのです。そこでまず、主砲本体の
レシビを簡単に書いてみます。
主砲の前部は、横ほぼ中央線の上と下で前上角(かど)方向に
絞込みが有るため、傾斜角が違っています。その為本体を上下に
分け、上を2.0mm厚、下を1.8mm厚にし半田付けで一つにします。
次に、背面を6.5度の傾斜、側面前部を13度の傾斜、側面後を
垂直、正面(前面)を12.5度といった具合に傾斜角度を付けながら、
上下一緒に平面図に従って削り込みます。
次に、半田を溶かし上下をばらした後、上の板の前上角(かど)
への絞り込みを行うのです。
しかし、このスラブ鋼のような分厚い銅板加工が大変なのです。
先ず騒音、ご近所の耳と言うものが有ります。
次に熱、例のデイスクサンダーで削るのですが、摩擦熱で銅が
直ぐに熱くなり指で摘んでいれなくなるのです。
とてもじゃないが4個も作れない。何か銅に変わるものはないか。
その時、以前匡治氏から加工に使えるかも?と言って渡された
レジンの板を思い出したのです。このレジンは、鹿深工房が半年
もかけて漸く探し当てた、このキットのためのレジンです。
結果は、大成功! 火傷をしそうになりながら、ここが踏ん張り
所と必死になって銅塊を摘んで加工した自分が今から思えば滑稽に
思えます。
手垢(てあか)で真っ黒になるほど、こねくり回しながら加工
しても、ラッカーシンナーで拭けば鋭い角や傾斜角の微妙な差も
まったく角落ち無く極めてシャープな仕上がりになっています。
何日もかけて作った銅製の主砲本体が、この方法だと数時間程で
一度に4個も作れてしまったのですから(防熱板は別)嬉しいやら
情けないやら、言うに言われぬ心境です。
模型作り程、やり方と工夫次第で大きく変わるものは無いと実感
した次第です。(以前にも同じ事を言っていたように思いますが)
プロトタイプの検証の話からまた、脱線してしまいました。
前回のお話の続きはこのくらいにして、本題の検証(その2)に進
みたいと思います。 ここでは、船体についての検証から入ります。
先ず、手にしてビックリしたことは、原型では気が付かなかった
のですが、艦首フェアリーダー辺りが異常に上を向いているのです。
この箇所は一目で鳥海と判るようでないといけないのに、艦首に
タツノオトシゴの口を付けたような(超極端に言えばですが)
印象を受けたのです。
ここは、フェアリーダーや菊花紋章(モドキ)を何とか作らねばと、
船体が図面通り仕上がっているのに、パテやらゼリー状の瞬間接着剤
やらをコテコテに盛り上げては削り、削り過ぎては盛る内に次第に上
に突き上がってしまったように思います。
そう言えば、鹿深工房の匡治氏も私と同じように、こだわり過ぎて
「先が折れたので元通りに直しておいたよ」などと言っていた様な。
ともあれ、全長を測ってみなければと言う事で測り直してみました。
鳥海の全長は203.759m、それを1/500に換算すると約407.5mmと
なります。 ところが、実測では409mmと1.5mm長いのです。
1.5mmの誤差が約409mmの中で均等に分配されていればさして目に
付かないのですが、フェアリーダーと菊花紋章でこねくり回す前は、
確かに407.5mmだったのです。(有頂天になって気勢を上げていた
のでよく覚えています。)
と言う事は艦首の先端だけで1.5mmも長いと言う事になります。
ただ菊花紋章の分の厚みが本物の様には薄く出来ないのでその分
大目に見て、1mmは長い。
これでは、タツノオトシゴの口に見えてもしょうが無い分けです。
艦首のダブルカーブドバウのフェアリーダー直ぐ下の曲面の膨れ
具合も、高雄型特有の穏やかな気品あるふっくら感が感じ取れません。
恐らく、これもタツノオトシゴの性に違いありません。
早速、鹿深工房に行き、不良品の船体を頂いて帰り、艦首の削り
取りの練習をしてみると、やはり、舳先の出過ぎだったのです。
407.5mmで舳先をデイスクサンダーで直角に削り落とし、艦首の
上のカーブを成型し、型紙を当て船体が基の鞘に戻ったのを確認
しましたのでご安心ください。
今回の火種となったフェアリーダーも、腹を括って、一から加工
し直しました。
0.5mm厚の銅板を直線状で加工した後、曲げ、レジンの2液原液で
しっかりと固めた後、レジンをキレイに成型する方法を取りました。
フェアリーダー後ろのボラードは、フレアーで薄くなっている甲板
を思い切ってドリルで穴を貫通させ、そこへ1mmの真鍮棒を通し、
最後はレジン2液原液で穴埋め固定し、レジンを成型しました。
最初から腹を括って大胆かつ慎重に事を進めていれば、何でも
無かった事が、やたらと小手先で処理しようとしたために、また
大きな回り道をしてしまいました。
「やはり模型作りは、やり方と工夫次第」と、同じ事を何度も
繰り返し実感しつつ、今回はこれにて終わりにしましょう。
次回も船体の検証を続けます。
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