トップ > ライフスタイル > 老後 > ながい介護丞と とうなす屋の 平成浮世草子

超高齢社会の日本、20年後に高齢者は3500万人に。年金・医療・介護・財産・住まいなど、お金の絡む、複雑でわかりにくい、これらの問題を、悪代官と商人の対話を通じて、わかりやすく解説する。
近未来のシニア・ライフに役立つ情報も満載・・・かも?




平成浮世草子第98号

発行日: 2005/12/28

     ◆◆◆◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◆◆◆
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   ◆◆◆  ながい介護丞と とうなす屋の 平成浮世草子 ◆◆◆
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         平成17年12月28日  第98号


強欲代官と物知り商人との時空を超えた対話が、超高齢社会に突入した平成の
世相を鋭く抉る、時代劇メルマガ巨編!これからの20年、近未来のシニア・
ライフに役立つ情報も満載・・・かも?


           ◆◆◆  ニュース  ◆◆◆

 2005年最後の平成浮世草子となりました。この1年間、ご愛読をいただ
 き、まことに有難うございました。

 年明けの4日には、新年号を発行する予定です。引き続き、よろしくお願い
 申し上げます。

       皆様どうぞ、ご健康でよい新年をお迎えください。


                ◆◆◆


   ◆◇◆ 第98話 「唐茄子屋、人間不信を憂う」の巻 ◆◇◆


(唐)いよいよ年の瀬、今年も残りわずかと相成りまして。
   
   手前の方は、なんとか無事に年を越すことができそうでございます。こ
   れも偏に、お代官さまのお陰にて、まことに有り難く・・・

(代)それは上々じゃ。
   その顔つきでは、今年もしこたま儲けたようじゃの。

(唐)とんでもないことで。決してさようなことはございませぬが・・

   しかし、お代官さまとも一年間、あれやこれや色々なお話をさせていた
   だきましたな。今年は今日が最後となりましょうが、ひとつ、きれいに
   さわやかに締めくくりたいものでございます。

(代)うむ、出来れば予もそうしたいところじゃが、そう事がうまく運ぶもの
   かの・・

   今年はいろいろと、腹の立つことも多かったでの。

(唐)?? なんぞ、お気に召さぬことでもございましたか?

(代)まずは、この雪と寒さじゃ。「今年は暖冬」と言うておったのに、一体
   どういうことじゃ。

   雪道ですべって転ぶわ、鼻水は出るわ、寒さで歯は痛むわ・・ まった
   く、ろくなことはないでの、むかっ腹が立っておるのじゃ。

(唐)さようなことで、ご立腹なされましても・・ なにぶんにも天のなせる
   業でございますゆえ。確かに、これほど大きく予測が狂うことも、珍し
   くはございますが・・・

(代)だいたい、「今日は晴れるでしょう」「洗濯物がよく乾くでしょう」な
   ぞと、いい加減なことばかりをぬかしおって。天気が良ければ、洗濯物
   は乾くに決まっておるわ。あの天気予想屋くらい気楽な商売ははない。

   そんなことはどうでも良いが、大坂のたわけ役人どもには、本当に腹が
   立った。実にふざけた奴等じゃ。

(唐)それは、手前も同じ思いでございます。
   あまりにも出鱈目が過ぎましたな。庶民が苦労して支払う税金が、いつ
   の間にか、お役人のヤミ手当てやヤミ退職金に化けて、掠め取られてい
   たのでございますから、まるで詐欺同然の・・・

(代)あ奴らが起こした事件の煽りを喰らって、我らの年末手当の割増し分も
   なくなってしもうた。程々にうまくやっておれば良いものを、図に乗る
   からバレるのじゃ。

   お蔭で、我らのような真面目な役人が、迷惑をすることに・・

(唐)うーっ、そ、そういう問題ではございませぬが・・・ なんともコメン
   トできませぬな・・・

   しかしまあ、今年は腹の立つことは多くございましたな。「おれおれ詐
   欺」に始まって・・ あの「悪徳リフォーム詐欺」も実に酷い話で、お
   年寄りばかりが狙い打ちにされて。いつから我ら日本人は、あのように
   平気で人を騙す国民に、成り下がったのでございましょうな。

(代)そうじゃ。だいたい「己さえよければ良い」という風潮が蔓延しておる
   からの。少しは、回りのことも考えよと言うのじゃ。

   あの耐震偽装事件なぞは、その典型じゃの。まったくふざけた真似をし
   おって。

(唐)いや、まことに仰せのとおりで。姉歯も木村建設も、回りの人々にどれ
   ほどの被害を与えるかということを、少しでも考えて仕事をしておれば、
   このようなことにはならなかったはずで・・

(代)聞けば、そ奴らを仕切っておった首領がおるそうではないか。
   内河某とか申す者のようじゃが、よそではさんざん手抜きをさせておい
   て、己の住むところだけは、地震でも倒れぬように、しっかりと作って
   おるらしいの。

   しかも豪邸と言うではないか。しっかりしておることじゃ。それにして
   も己だけ儲けおって! うらやましいわ、畜生!!

(唐)?? 決してあんな事を真似てはなりませぬぞ! あ奴らは、どうせ牢
   で臭い飯を食うことになるのでございますから。

   しかし、あれこれ見ておりますと、今年ほど人々の心に「不信」の念が
   大きく広がった年はございませぬな。

(代)そうじゃ。「安普請」じゃの。

(唐)いえ、そうではなく「人間不信」ということで。
   考えてみますと、人々に不信感を抱かせるような出来事が、実に多く起
   こっておりました。

(代)予は、金は信じても、人は信じぬことにしておる故、べつにどうという
   ことはないがの。

(唐)それが半端なものではございませぬ。
   我が国を体表するような大手企業が、顧客を騙し、株主を騙し、それを
   また、会計士や税理士が不正の指南をするのでございますから。また、
   アスベスト事件のように、人命に関わる問題と分っていても事実を隠し、
   保険会社は勝手な理屈をこねて、保険金の支払を拒否する。

   新聞社が嘘の報道をする。金融機関、放送局などから顧客情報が垂れ流
   しの如く流出する。庶民は一体何を信じて良いものやら・・

(代)信じられるのは神仏と、予の如き清廉潔白の士だけであろう。

(唐)銀行のキャッシュコーナーでは、隠しカメラで暗証番号が盗まれ、いつ
   の間にか、大金が口座から消える。コンピュータにはスパイウェアが入
   りこんで、ごっそりと情報が盗まれる。

(代)なにやら良くは分らぬが、得体の知れぬカラクリばかりを使うから、そ
   のような始末になるのじゃ。

(唐)女児の誘拐や殺人もいたるところで起こり、子供を預かる塾でさえ信用
   できぬようになって・・・ 幼い子供に植え付けた大人への不信感は、
   なかなか元へは戻せませぬ。大人を信用せぬ子供が育つ、また、そのよ
   うに教えなければならぬということは、これぞまさに人間不信社会の極
   みでございましょうか・・

(代)これからは、自己責任で乗り切ってゆくしかあるまい。子供たちにも、
   このことをよくよく教えて行かねばなるまい。

(唐)今回ばかりは、きれいに締めくくりたいと思うておりましたが、嫌な話
   ばかりで、なんとも後味が悪うございますな・・・

   いや、これだけ続けば、悪いことはもう出尽くしたのでございましょう。
   きっとそうでございます。いやなことはこれでお終い。さっぱりと忘れ
   て、清々しい気分で新年を迎えることといたしましょう。

(代)唐茄子屋、よくぞ申した。その通りじゃ。来年は良いこと尽くめ。予も
   いやなことは今日で終わりにして、良い正月を迎えたい・・・のじゃが。

(唐)な、なんでございます? 先ほどから指に挟んだ紙切れを、ひらひらと
   させて??

(代)いや、その・・ 茶屋の女将が請求書を送ってきおっての。「有るとき
   払いの、催促なし」でよいという言葉を信じておったのじゃ。六十両ほ
   どじゃが・・・

   これさえ払えば、すっきりとした気分で新年を・・・

(唐)あ、いやいや、そ、それはなりませぬ。
   それは、お代官さまの自己責任ということで・・・

   手前、まだ掛取りの用事もございますれば、これにてご免蒙ります。
   お代官さま、では良いお年を・・・

(代)あっ、こ、こりゃ待て。待たぬか唐茄子屋・・
   これを払ってくれー! この半分だけでも良いから・・・ 頼むー!!


         ☆☆☆ 今週の役立たず情報 ☆☆☆

 ○ 300年前の熱狂

   人々が小泉劇場と参院選挙に熱狂した2005年から300年遡った宝
   永2年(1705)は、実に膨大な数の人々が伊勢神宮参拝に熱狂する
   という、珍現象「御蔭(おかげ)参り」が起こった年である。正月半ば
   過ぎから増え始めた伊勢参拝の人々は、春頃には1日に数千人、やがて
   これが数万人にもなった。人の流れは京都から始まり、東は江戸、西は
   安芸・阿波にまで及び、年末までに伊勢参宮を行った人の数は362万
   人に膨れ上がったという。事の起こりは、神宮の札や銭が天から降り、
   それを人々が「神様のおかげ」として、その返礼に参宮に出かけたとい
   うのであるが、多分に作為的なものであろう。

   当時の推定人口は、2800万人程度であり、362万人といえば、国
   民の13%以上が、伊勢参りを行った計算になる。とてつもない人の流
   れが生まれ、そこには子供や商家の奉公人が、家族や奉公先の主人にも
   無断で参加を始める。さらには洗濯物を干していた女中や壁を塗ってい
   た職人が、そのまま参宮者の行列に紛れ込むというようなことが起こる。
   また、気がつくと村から10歳くらいの子供たちや老人がごっそり消え
   てしまい、これが皆、御蔭参りに行っているということもあった。その
   ため「御蔭参り」は「抜け駆けしてお参りする」ことから「抜け参り」
   とも呼ばれた。

   着の身着のままの参加者(道者と呼ばれた)は、金も往来手形も旅の支
   度もなく、ただ神仏の御加護を信じながら柄杓一本を手に参加した。柄
   杓は、施しを受けるための必需品で、道者が「どうか御恵みを」と差し
   出すものであるが、宿場町松阪や沿道の住民は競って「施行」と呼ばれ
   る施しを行って、この道者たちを支えた。施しの品々は、銭、茶、握り
   飯、餅、舟・駕籠・馬・宿泊所、ゴザ・コモ、ワラジなど、ありとあら
   ゆるものに及んだため、無一文の者でも、いつの間にか立派な旅姿にな
   ったという。中には、一万両といった莫大な寄付金を提供する商人たち
   もいた。

   また、街道沿いには休憩所、迷子案内所、乗り物案内所)までが設置さ
   れ、長道中で病気になった者には薬を与え、医師を付け、重病人は駕籠
   で国許まで送り届けられたという。「犬のお伊勢参り」もあった。愛犬
   が飼い主の夢に出て「お伊勢参りがしたい」と言えば、首にお賽銭を結
   びつけて送り出し、犬は御蔭参りの一行に可愛がられながら、伊勢まで
   辿り着いて、たいていはちゃんと元の家に戻ったという。帰りには十倍
   くらいの賽銭を首に付けて戻ったという話もある。  

   道中には各地に関所があり、通行手形がない者は通れぬはずであったが、
   「お伊勢参りに行きたい、その気持ち一心で来た」と言われれば、役人
   も無下にはできず、大目に見ていたという。幕府は「入り鉄砲に出女」
   を厳しく取り締まったとされるが、京都所司代が行った調査では、ひと
   月の間に京都を通過する参詣者は、

       総数         51、500人、
       内 子供(6〜16歳)18、500人 
         女性       21、000人
         成人男子     12、000人

   となっており、お蔭参りでは成人男子より、女子供の方の数の方が圧倒
   的に多かったのである。

   ちなみに、無断で職場を離れた女中、奉公人、職人などの処遇であるが、
   「お陰参り」に関しては、そうして帰ってきた奉公人は、元通り雇い入
   れるという暗黙の約束があったという。

 □ 江戸から伊勢まで、当時は15泊くらいの行程だそうで、片道だけでも
   普通は3百文(13万円以上)はかかったというのに、こんな無銭旅行
   が出来たというのは、実に不思議ですね。


         ★★★ ためになるかも情報 ★★★

 ● 日本を代表する企業の不祥事

   人間社会では、人的ミスや不測の事態が生じることは避けられないが、
   今年発生した以下のような事件は、あきらかにそれとは性質が異なるも
   ので、そこには企業トップの傲慢さや、組織の隠蔽体質、顧客軽視など
   大企業の病巣が見える。日本を代表する企業の不祥事が、我が国の社会
   全体に与えた不信感と、その悪影響は計り知れない。

   日本航空  春ごろから、無許可離陸、整備車両との接触、部品脱落、
         前脚タイヤの破裂など重大事故につながるトラブルやミス
         を連発し、安全運行への信頼性を失墜させた。

   みずほ証券 61万円の株を1円の価格で誤発注し、400億円もの損
   東証    失を出した。東京証券取引所にもシステムの不備があった。
         東証は前月にも、3時間にもわたる取引停止という重大な
         システム障害の事故を引き起こした。

   松下電器  20年前に発売した石油温風器の欠陥で、死者2名、重体
         8名の一酸化炭素中毒事故を引き起こした。社内に欠陥の
         報告が上がりながら、対応の遅れから被害拡大を招き、回
         収品の修理にもミスを重ねた。

   三菱重工  道路公団関連の橋梁談合で、長年にわたり主導的役割を果
         たしていた。また、実務経歴を偽って、28人もの技術者
         が資格を不正に取得していた事実も最近判明した。

   西武鉄道  コクドという非上場会社を隠れ蓑に、40年間にもわたっ
         て有価証券報告書の偽装を行い、西武鉄道は上場廃止とな
         った。企業の私物化、インサイダー取引、総会屋との癒着
         なども明らかとなった。

   JR西日本 福知山線脱線事故で、死者107名、負傷者550名の大
         惨事を引き起こす。背景には安全対策費の大幅削減や、運
         行ダイヤ最優先の企業体質があった。大事故の後も、AT
         Sの設置、運用にミスが続発した。

   朝日新聞  従軍慰安婦問題に関するNHKの特集番組に、自民党の中
         川・安倍の両代議士が圧力をかけたとする、虚偽の報道を
         行った。また、衆院選について、田中長野県知事とのメモ
         をねつ造して報道した。 

   カネボウ  800億円を超える債務超過がありながら、多年度にわた
         り粉飾決算を繰り返し、株主を騙し続けた。粉飾には中央
         青山監査法人の公認会計士が関与し、粉飾の手法を指南し
         ていた。

   明治安田  外務員が、契約時の告知義務内容などを十分に説明しない
   生命    まま保険契約を募集し、保険金の請求があったときには、
         契約時にの不備を指摘して、本来支払うべき死亡保険金を
         支払っていなかったため、業務停止の行政処分を受けた。

 ■ 大会社の社長、重役が雁首をそろえて「まことに申し訳ございません」
   と頭を下げる意味不明の儀式や、「再発防止に努めたい」という無味乾
   燥のコメントなどは、もう見たくも聞きたくもありません。大企業の皆
   さん、みっともないことは止めて、来年はちゃんとして下さいね。お願
   いしますよ!


          ◆◇◆ 編 集 後 記 ◆◇◆

今週も、最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
ご意見やご感想のメール、お待ちしています!

          ◇◆◇  感謝、感謝  ◇◆◇

やはり最後は代官のドタバタで終わってしまいましたが、今年の平成浮世草子
はいかがでしたでしょうか? 来年はまた、新たな気持ちで書き続けて参りま
す。代官も少しは成長してくれるものと思います。ご期待ください。


□ ■ □        「登場人物紹介」         ■ □ ■

永井介護之丞(ながい かいごのすけ) 年齢: 53歳
金と色が人生のすべてという、強欲で知られた悪代官
弱い者には強いが、娘と茶屋の女将にはめっぽう弱い、生活習慣病はほとんど
経験済み。自分のことは棚に上げて、他人の悪事は鋭く追及する。

唐茄子屋徳三郎(とうなすや とくさぶろう) 年齢: 62歳
若いころ放蕩をして親に勘当されたが、唐茄子の「担ぎ商い」から出直して成
功し、いまや押しも押されもせぬ豪商となった。人助けが大好きで他人の健康
管理にも、やたらと口をはさむ。

話に出てくる人物・名称に関しては、全てフィクションであり、実在の人物、
団体とは、何ら関わりはありません。ご了承下さい。

■ □ ■                         □ ■ □


  発行元:NPO法人ユニバーサル・ケア http://www.kyoto-koken.net
  管理人:のほほん茶      E-mail: postmaster@kyoto-koken.net


◇◇◇----------------------------------------------------------◇◇◇

□ 購読中止・変更: 京都「成年後見」支援センター
                    http://bokenahsi.com/magazine/index.html

□ 発行システム: まぐまぐ   http://www.mag2.com/    ID:0000126034
        : Melma!     http://www.melma.com/    ID:m00109136
        : めろんぱん http://www.melonpan.net/  ID:006052
        : Macky!   http://macky.nifty.com/  ID:nohohon

□ 記載内容の無断転載はお断りします。

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