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Happy Harley Vol.23 ショップスタッフ編

発行日: 2005/1/24

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 ☆★  HAPPY−HARLEY    Vol.23
 〓〓 ショップスタッフ編 〓〓
 東京都調布市のハーレーダビッドソン調布 スタッフ 大坪靖雄さん
━━━━━━━━━━━━[ 2005年1月23日第23号 ]━

大変お待たせいたしました『Happy−Harley』の発行人ターミーです。
このメールマガジンは我が相方のダイスケの運営している
http://www.virginharley.com/
の発行するメールマガジンです。

今回ご紹介するのは東京都調布市の「ハーレーダビッドソン調布」大坪 靖雄さんだ。大坪さんは元々「HOT-DOCK」に長年勤めてメカニックの修行をしており、カスタムへの造詣も非常に深い。しかもつい最近まで「ハーレーダビッドソン沖縄」の店長として沖縄のハーレーシーンを引っ張っていたとも聞く。「ハーレーダビッドソン沖縄」は場所柄、米軍関係のお客さんも多い。我々の知るハーレーシーンとは少し違うであろう、沖縄のハーレー事情についてお聞きしたく、インタビューにお邪魔してきた。ぜひ堪能してほしい。

■ 本日のメニュー ■
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1. 「ハーレーのクラッチは重い」という感覚がない
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2. 「いかに楽しく移動できるか」を追求して造られたバイク
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3. 編集後記
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■【1】 「ハーレーのクラッチは重い」という感覚がない ■ 
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――大坪さんは最近まで「ハーレーダビッドソン沖縄」の店長を勤められていたんですよね。モトギャルソンさんの他の2店舗は東京都内にあるのに、なぜ沖縄にディーラーを出店されたのでしょうか? ――
「ハーレーダビッドソン沖縄」がオープンするまで、沖縄にはハーレーディーラーがなかったんですよ。米軍の基地内では「ミリタリーセールス」と言って、軍人向けにハーレーの販売はやっていたようです。でも、ハーレーの販売しかやっていなくて、整備などは自分でやるしかなかったようなんです。そういう事情があったので「沖縄にお店を出してくれないか」と頼まれまして。それで普天間飛行場のすぐ側にお店をオープンしたわけなんです。

――やっぱり、お客さんにはアメリカの方が多いのでしょうか? ――
そうですね。日本人とアメリカ人のお客さんはだいたい半々くらいの割合ですね。

――アメリカ人のお客さんが多いと、スタッフの皆さんは英語を覚えないといけなくて、大変でしょうね。
もちろん流暢に英語を話せるスタッフもいます。でも、全員が英語を話せる必要はないですよ。僕だって英語は得意ではないですから。仕事の上で必要な英語を話すことができたら充分です。仕事で話したり聞いたりする英語って、実はある程度限られているんですよ。それさえ覚えれば大丈夫です(笑)。

――なるほど。アメリカ人のお客さんはハーレーの本国、アメリカから来ているので、英語でマニアックな質問などをされることが多いのでは、と思ったもので。
確かに、アメリカ人のお客さんには「専門知識を持っている」人が多いかもしれませんね。アメリカに比べると、日本ではハーレーについての情報源はまだまだ雑誌が中心ですよね。彼らも雑誌は読んでいますが、それをそのまま鵜呑みにせず、他からも情報を手に入れて調べている人が多いんです。友人がつけているパーツの情報や、いろいろなショップから聞いた情報など、本当によく調べてお店にやってきますよ。

――アメリカ人の方が詳しい人が多い、と。
手に入る情報量の差、そこが大きいんでしょうね。たとえば、日本人のお客さんでもドラッグスペシャリティやカスタムクロームのパーツは手に入ります。でも、英語と日本語の言葉の壁があるので、そのパーツについての情報は日本国内の雑誌や人のつながりからしか入ってきませんよね。でも、彼らはアメリカ国内の友人、インターネット、ショップ、メーカーから直接情報を手に入れることができますから。

――アメリカでは年間20万台以上、ハーレーが売れているんですよね。一方、日本は年間1万ちょっとですから(笑)。オーナーの数の差からも、当然集まる情報量も違うでしょうね。それは詳しくもなるでしょうね。――
ほんと、自分のハーレーに詳しい人は多いですよ(笑)。トラブルが起こったとしても、彼らは自分で調べてきて「この部品を使って修理して欲しい」とか「この部品を使うのはどうか?」というように、専門的なことをよく知った上で依頼をしてくるんですよ。パーツを選ぶ際にも「このパーツは高価だけど、この材質でできているから」だとか「自分の乗り方だと、この材質でできているパーツの方が合っているよね」だとか、自分で調べて理解して、モノを選ぶ人が多いですね。

――アメリカ人のお客さんのハーレーの好みについてもお聞きしたいのですが、そこにも違いはありますか? ――
彼らはだいたいビックツインを選びますね。体格的な部分が大きいのでしょうが、スポーツスターを選ぶ人はほとんどいません。大きなアメリカ人がスポーツスターのハガーに乗っているのは確かに想像できませんから(笑)。峠を攻めるのが好きなアメリカ人はFXDXやFXDLを選ぶ人が多いのですが、ミッドコントロールのステップが窮屈らしく、わざわざフォワードコントロールに換えていたり、シートも着座位置がかなり後ろのものに交換したりと、彼らのカスタムパーツの選び方は面白いですよ。「手足の長さが日本人とは違うんだなぁ」とつくづく実感しましたよ。きっと、アメリカ人にとって、ビックツインは「Big」ではなく、「My Size」なんでしょうね。

――体格以外でも、やっぱり腕力も違うんでしょうね。――
まったく違いますね。基地横という場所柄、普段から体を鍛えている人が多いので当然なのかもしれませんが、彼らには「ハーレーのクラッチは重い」という感覚がないんですよ。以前、知り合いのアメリカ人に「このハーレー、クラッチ軽いだろ? 日本にはこんな便利なパーツがあるんだぞ」ってVPクラッチを装着したハーレーのクラッチを握ってもらったことがあるんです。でも、握ったあとに「何が違うんだ?」って聞き返されました。そもそもノーマルのクラッチを軽いと思っているので差がわからないんですね(笑)。

――VPクラッチの違いがわからない…同じ人類とは思えないです。――
そんな話はごろごろありますよ。軽トラックにラダーレールなしでハーレーを持ち上げるアメリカ人だっているんですから。前輪を荷台に持ち上げてから、後輪をヒョイっと持ち上げて押し込んでしまうんですよ、信じられますか? それだけの地力があると、事故をしたときも転倒せずに踏ん張れるみたいで。その彼はフロント周りが大破するような事故にあったときも転倒もせず、怪我もなかったんです。

――腕力でバイクを押さえ込んで、バランスを崩さなかった、そういうことなのでしょうか。
我々日本人とはそもそも体のつくりが違うんでしょうね。

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■【2】 「いかに楽しく移動できるか」を追求して造られたバイク ■ 
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――沖縄から東京に戻ってきて。何か違いはありますか? ――
まず、当たり前ですが東京は寒いです(笑)。あとは沖縄ではスプリンガーソフテイルが何故かよく売れていたのですが、東京ではそうでもないですね。

――沖縄でスプリンガーソフテイルですか。潮風にやられてすぐ錆が出てきて、手間がかかりそうな気がしますね。――
確かに沖縄には潮風が吹いているので、錆対策には気を遣いますね。沖縄では「走っているときに塩がつく」んです。錆びるのがバイクの前側だけで、ミラーやステップ、風の当たる側だけが錆びていくんですよ(笑)。だから、ハーレーに限らず、古くからバイクに乗っている人はツーリングに行ったあとは必ず洗車をします。洗車で塩が流されますから、そういうバイクは綺麗ですね。そこで洗車をせずに1週間でも放っておくと錆びてきちゃいますね。

――前側から錆びてくる、面白い話です。でも、海が近いところに住んでいると、そこまで気をつかわないといけないんですね。――
沖縄は島の周りすべてを海に囲まれているので、特に空気中に潮気が多いのでしょう。あと、沖縄は移動手段がバイクか車、という人が多いので普段からよく走って潮気に触れる機会も多いのもあるでしょうね。

――沖縄には電車がないですから、車かバイクがないと移動は大変でしょうね。――
そうですね。普段からバイクに乗っている人は多いですよ。女性のバイク乗りも多いですね。ですから、沖縄は他の地域に比べてバイク業界は元気なんです。

――そうなんですか。最近、国産バイクは不況だと聞いていましたので、嬉しいですね。ハーレーだけが盛り上がっていても、小型・中型のバイクが盛り上がらないと、これからハーレーを乗ろうと思う人も出てこないでしょうから。――
ハーレーだけではなく業界全体がもっと盛り上がって欲しいですね。僕個人の意見としてですが、ハーレーと競合するような国産のアメリカンバイクが出てきて、業界全体が面白くなってきて欲しいですね。ヤマハのV-MAXのようなオリジナリティに溢れるバイクが、ニューモデルとして出てくれば面白くなってくると思いますよ。

――個人的にはもうすぐヨーロッパで発売されるヤマハの「MT-01」などにオリジナリティを感じてしまっていますね。ただ、ハーレー以外のオリジナリティに溢れたバイクが増えててくると「ハーレーらしさ」とは何か? というテーマが問われるようになると思います。大坪さんの考える「ハーレーらしさ」とはどういった部分でしょうか? ――
難しい質問ですね(笑)。僕は国産バイクやBMWなど、いろいろなバイクに乗ってきました。ハーレー以外のバイクに乗って思うのは、「いかに速く、快適に、安全に移動できること」を目指して造られているんだな、ということなんですね。でも、ハーレーは「いかに楽しく移動できるか」を追求して造られたバイクだと感じます。極端な話、別に時間はかかってもいいし、快適さも無くてもいい、乗っていて楽しいことが一番重要視されているバイクなんですね。100年以上の歴史があるハーレーの中でパンヘッドやショベルヘッドからツインカム・V-RODまで、どのハーレーも「楽しく乗れる」というスピリットは貫かれています。そこがハーレーのこだわりであり、ハーレーらしさなのではないでしょうか。

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■ 編集後記 ■ 
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今回のインタビューでは大坪さんからいろいろなお話をお聞きした。子供の頃に見たカスタムハーレーに憧れ、「Hot Dock」で働きはじめた話、「ハーレーダビッドソン沖縄」で出会った多くのお客さんの話など、非常に話題が豊富な方で、インタビューで取り上げる内容を選ぶのには苦労してしまった。ハーレーに限らず様々なバイク、多くのハーレー乗りに出会い、経験を積んできた大坪さんだからこそ、ハーレーを含めたバイク業界全体のことを考えることができるのかもしれない。業界全体の盛り上がりがハーレー業界にもいい影響を与える、そこまで考えられる大坪さんにインタビューができて、私も少し広い視点を持つことができた。

−次回予告−
次回は兵庫県高砂市の神戸缶コーヒーミーティングの創始者、Jonnyさんへのインタビューをお届けいたします。お楽しみに。

HAPPY−HARLEY担当:ターミー
バックナンバー:http://www.virginharley.com/harley-enjoy/interview/index.html
ご意見・ご感想はinfo@virginharley.comまでよろしくお願いいたします。

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