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自転車旅行や歩き旅を旅先から紹介します。
東海道五十三次、伊豆一周ウォーキング、沖縄一周自転車旅行を終え、ゴールデンウィークは2巡目の四国お遍路です。




体力勝負の一人旅 No.088【街道てくてく旅編】

発行日: 2006/5/5



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【2日目・2006年5月4日】

 昨日は収録が終わったあと岩本さんと話すことができた。足の疲労
は全然なく、まめもできないそうだ。やはりプロサッカー選手は違う

 私が東海道を歩いたときの話題になったので、「暑くなるとつらい
ですよ」と言うと、「暑さは大丈夫、暑いほうが好きだから」とのこ
と。疲れないポイントは精神的に疲れないことだと言う。「きついな
ぁと思うと疲れちゃうから。俺はこういう歴史的なものを見るのが好
きだから、こういうところを歩いても全然疲れないんだ。」楽しんで
歩いている様子が伺えた。さっきの「暑いほうが好きだから」と答え
たのも精神的に疲れないポイントだと思った。
 ただ最後に「ロケが長いのがつらい」と本音を言ってくれた。この
日のロケは12時間以上に及んだそうだ。

 7時45分、生放送中継地点の川越遺跡に着くと、30人ぐらいの見物
客でにぎわっていた。岩本さんは5〜6人で輪を作って談笑している。
本番間近だが余裕があるようだ。
 輪に向かって「おはようございます」と声を掛けるとスタッフや岩
本さんが「おはようございます」と返してくれた。岩本さんは「来れ
たじゃん」みたいなことを付け加えた。昨日、起きれれば来ますと言
ったことを覚えてくれていた。勝手ながら旅仲間の雰囲気を感じた。

 生放送は8時から15分間。終わるとファンに囲まれサインや写真撮
影の対応をする。ようやく「行ってきます」とファンに手を振って
一旦姿を消すと、10分もしないうちに旅支度をした岩本さんが現れ9
時ちょうどに出発していった。

 大井川の対岸の道が東海道だが橋はその道より少し上流に架かって
いる。東海道を一旦外れ迂回するように上流の橋を渡るのが本来の東
海道に一番近いルートだが、岩本さんら一行は下流へ歩いていった。
どうやら河川敷でスポーツしている人と交流したいみたいだ。
 確かに今日ゴールする金谷宿まではわずか4Kmしかないので、あち
こち寄り道するのだろう。
 岩本さんのあとを追うファンは昨日と違い5〜6人いる。すべて女性
だ。本格的に歩く格好ではない人も見受けられるが、わずか4Kmだか
ら歩けると思っているのだろう。

 岩本さんが小学生を3人捕まえてサッカーを教えることになった。
間近で岩本さんのキックが見られると思いわくわくしたが、スタッフ
の人に「これ以上近づかないでください」と止められてしまった。

 2時間ぐらいサッカーしていただろうか。最後のほうは私もどさく
さまぎれにボール拾いで参加させてもらった。
 岩本さんは万歩計を付け旅再開の準備が整うと、離れた場所で見て
いたファンのところへ来てくれた。
 ファンからは「お疲れさま」と声が掛かるが、岩本さんは真顔で「
全然疲れていないよ。今日は遊びだから。」と答えた。そして「これ
から行きますがなにかありますか」と言ってくれた。ファンたちはサ
インをもらったり写真を撮ったり、これでお別れの雰囲気であった。
 「さよなら」と言って旅立ったあと、ファンからはまだ付いていく
けどね」と声が漏れた。

 旅立ったのは良いがまた下流に進んでいった。どうやらほうらい橋
に行くようだ。もう12時ごろだったので岩本さんがほうらい橋を往復
している間に食料の調達をすることにした。
 ほうらい橋の入口付近で岩本さんの帰りを待ちながら買い込んだ弁
当を食べる。1時間待っても戻ってこないので、向こう岸から戻って
来た観光客に尋ねると、まだ向こうにいると言う。いずれ戻ってくる
だろうからベンチでしばらく休むことにした。

 2時になっても戻って来ない。地元の人と話すと、山を越えて金谷
に行く道があるとのこと。まさか東海道を無視して金谷に向かってい
るのではないだろうな。また戻って来た観光客に尋ねると「しばらく
向こうにいたけどもういないわよ」
 やられた。まるで探偵ごっこのようにまかれたと思った。昨日に引
き続き渡橋料100円を払ってあとを追った。渡りながらこれが本来の
橋としての使い方だなと思った。

 対岸に着くと急な登り坂。大慌てで追っていく。先行してしまった
昨日とは逆だ。坂を登り切ると辺り一面が茶畑。今まで見てきた茶畑
と違い、驚き、感激した。NHKのスタッフに感謝だ。
 私がイメージする茶畑は山の斜面に延々と続くもの。しかしここは
斜面ではない。平坦なのだ。あとで知ったが牧ノ原台地といって、日
本の10分の1、静岡の4分の1の茶畑がここに集中しているそうだ。ま
た、同じ作物がこれだけ広範囲に続いているのも全国的に珍しいそう
だ。
 見入ってしまったのは良いが、四つ角に私はいる。どっちに進めば
よいのだろうか。ほうらい橋で道を聞いたときは、黄色の線に沿って
いけば金谷に出ると教えられたが、そんな線はない。車一台が通れる
程度の山道で、観光用に黄色い線が引かれていると思ったのが大間違
え。どの道を選んでもセンターラインのある充分広い農道だった。と
りあえず大井川に沿っていそうな道を選んだ。

 あちこちに軽トラックが路上駐車して茶摘みが行われている。5月2
日が八十八夜だから茶摘みシーズン真っ盛りだ。茶摘みしている人に
「新金谷駅はこの道であっていますか」と尋ねると、「さっきも同じ
ことを聞かれた」と言う。きっとそれは岩本さんたちだと思った。
 分かれ道が現れるたびに大井川沿いを選択する。そして人を見つけ
ては同じ質問をする。すると新情報。「20分ほど前に、東海道を歩い
ているっていうテレビカメラを持った人が通っていったよ。」
 よし、間違えない。その人たちの進んだ道を確認して先を急いだ。
 なんだか、こんな旅もわくわくして面白い。

 ついに、見通しの利く下り坂の先のほうに数人の歩行者を見つけた
。民家がほとんどない道だけに、きっと岩本さんたちだろう。とする
と、ファンの女性たちはどこへ消えたのだろうか。私でも足腰が痛み
始めているから、女性たちはギブアップしたに違いない。東海道を進
めば4Kmの道程も、恐らく10Km以上は歩いているだろう。
 見通しが利かない道になったため、岩本さんたちは見えなくなった
が、新金谷駅付近で合流する東海道を目指した。
 新金谷駅の手前までは目撃情報を得ることができたが、駅を過ぎて
からはパッタリだ。不安になりながら東海道に合流した。
 これを左に進めば金谷宿、右には東海道の案内板があるはず、と思
い右を向くと岩本さん御一行がいた。うれしかった。そして探偵ごっ
こが楽しかった。

 岩本さんから100m以上離れて歩く。岩本さんが通ると商店街の人が
外に出てくる。そのおかげで私は地元の人と会話することができる。
 50歳ぐらいのおばさんが「子供のころはここも島田みたいに昔なが
らの家が残っていたんですけどね」と言っていた。こういう話しを聞
けると旅は楽しくなる。

 16時ごろ本陣に到着する。岩本さんは地元の人と30分ほど会話をし
て車に乗り込んだ。明日朝の中継地点の下見はしないらしい。岩本さ
んはやや疲れているようだったし、スタッフの一人は足が痛いらしい
。それで早めに切り上げたのかもしれない。

 今日は私から話しかけなかったが、車で立ち去りぎわに「何時に着
いたの?」と岩本さんから声を掛けてもらった。スタッフから邪魔扱
いされた気がしていただけにうれしかった。

 私は明日の中継地点である石畳茶屋まで歩き今日の旅を終えた。

本日の走行距離 およそ15Km

5月4日(木) 金谷宿



 
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