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出たっきり邦人・アジア編

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【出たっきり邦人 アジア編】344号 テヘラン

発行日: 2007/2/2

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       〜セペセペしてるとコケまくるイランの生活〜



        最終回 「イランから最後のたわごと」


最後は何について書こうか、あれもこれもと考えていたら、いつのまにか
配信日の前日となってしまった。日本に戻ると家族で決めたのはずいぶんと
前、昨年の4月か5月ごろだったと思うのだが、今の今まで本当に日本に
戻るのか、いつどんでん返しがくるかも分からず、実感がわかないできた。


実際、今になって夫は、あと1年ぐらい残れれば、、、と言っているが、
残るためには夫がはじめた商売の商品の在庫管理と発送を、日本でやって
くれる人が必要なのである。しかもこれまでもちょこちょこと手助けして
くれてきた、日本語の読み書きもメールもオーケーなイラン人の友人は、
忙しくてこれ以上できないそうなので、実質上、日本に戻って自分たちでやるし
かない。しかも娘は日本の学校に通うのを何よりも楽しみにしているし、
勉強面でも日本の同学年の子のレベルに追いつくには、早ければ早いほうが
良いだろう。と考えていけば、もう帰るしかない。


さーあて、日本へ帰りましょうか!


なんだかんだいって、実は、一番うしろ髪をひかれているのは、
私なのかもしれない。わたしも本当は、あと1,2年はイランに滞在して
いたいのだ。ペルシャ語への興味、イラン人に対する親近感(以前
はあまりなかったのに)、書くことが大好きな私に、ボチボチと入るように
なってきた執筆の仕事なんかを、手に入ってすぐに手放すことになるなん
て・・・


でも、この理由って全部、私のタメだけの理由。娘のことを考えたら、
やはり日本には「今」帰るのが一番なのだ。今帰らないのなら、このまま
ずーっとイランに住んでいたほうが、娘にも私にもいいと思う。


というわけで、「帰るぞ〜」とハラをきめ、2,3日前から家中をひっくり
返して、物の整頓をはじめました。そして「出た邦」も今回で最後の配信
になると、やーっと宣言できました。


最後の配信、いろいろとたわごとを書かせていただこうと思います。


1.イランでの生活を振り返る
   

◎セペセペすることも忘れ、今ではコケる術もない


この三年半は、私の人生の中で最もラク〜な時期だった。3年半もの長い
休暇をとっていたような気分である。
そろそろ日本へ帰らないと、このまま隠居生活になってしまいそうで怖い。
「がんばるぞ〜!!!!」という気概が、のんびりしたイランの雰囲気の
中にいると萎えていってしまうのだ。
もちろん、人によって違うだろうが、少なくとも私の中の変化は大きかった。
仕事をのんびりとやっていても、日本の何分の一かの収入があれば生活
できてしまうイラン、しかも人との関係がなんだかやたらと面白くて、
「仕事で生きがいを」なんて思っていたかつての自分は、100年も前
にどこかへおいてきてしまったようだ。


イランに来たばかりの頃は、姑が家にくればその習慣の違いにキリキリし
ていた私が、今はのんびりと姑との時間を楽しめるようになっている。

パソコンにばかりはりついて、仕事仕事と、他のことに余裕のなかった私も
夫も、仕事よりも普通の会話が多くなった。子供と一緒に笑う時間も多く
なった。以前から子供との時間は多かったけれど、一緒に笑うことなんて、
以前はほんのちょっとだった気がする。

なんだかやたらと満ち足りてしまっている今の精神状態は、日本に戻って
しまったら、過去のものになってしまうのだろうか。たとえ過去のものに
なったとしても、忘れてしまいたくないな〜と思う。忙しい、忙しいと
自分を追い立てなくてはならなかったとしても、時々、そんな自分を
客観的に眺めて、何か大切なものを忘れてしまっていないか自分に尋ねる
ようにしたいと思う。

  
◎ありがとう

イランで楽しくラク〜に暮らせた理由は、

 (1)夫ががんばってくれた
 (2)姑や親戚などのイラン人が温かく接してくれた
 (3)日本人の友人、知人が精神的に支えてくれた

の三つにつきる。

特に3番目の理由である日本人との関係は、最初の一年近くは、ほとんど
日本人と付き合わなかった(日本人との接触を避けて、一人しか友人がいな
かった)私とは思えないくらい充実したものだった。あるとき公園で話しか
けてきてくれた日本人は、その後、私にとって一番の心の支えになって
くれた。もともとおしゃべりでない私にとっては、これまでの人生で、一番
多くしゃべった相手かもしれない。
その友人があの時公園で声をかけてくれなかったら、もしかしたら私は日本
人の会にも入らなかったかもしれないし、さらなる日本人との交友関係を生むこと
にはならなかったかもしれない。

日本人女性が40名ほど加入している在留邦人の会はまた、イランで何十年
も暮らしてきた女性と接することのできた貴重な機会でもあった。ここで
そんな女性たちをみて、そして彼女たちがイランで強くそして美しく
年を重ねている姿をみて、私はイランでずーっと住んでも悪くないな、と
思えたのだった。

このメルマガを読んでくれている方のなかには、私の友人や知人がいるか
もしれないので、ここで「ありがとう」と伝えさせてほしい。

ほんとうにありがとう。イランでの生活、おかげさまでとっても楽しかった。


2.イランの置かれた危うい立場

◎中東の情勢が危ういのではないか・・・

イランに永く住んでいる日本人や中東関連の専門家に「今年の3月に戦争
が始まるかもって言われてるけど大丈夫かな」と尋ねれば、

「そんなことは、もう何年も何年もずーっと言われてきたことだからね、
すぐに戦争になんてならないよ」

という返事が返ってくるのが一般的なようだ。

確かにそうかもしれない。

でも怖い。

イラクのような悲劇はぜったいに起こってはならない。
日本からみたらイラクは遠かった。イランも遠い。

でもそこには人々が住んでいて、普通の生活があって、人々の幸せがあって、
おじいさんもおばあさんも、大人も子供も、男も女も生活していて、
まさか自分たちが爆弾で殺されたり家を焼かれたり、家族を殺されたり
するなんて、そんなことを考えてはいない。日常の生活をたのしみ、
仕事にいそしみ、子供たちは学校に通い、公園で遊ぶ。

   
もしイランに戦争が起こったら、友達を想って娘はどんなに嘆くだろうか。

子供たちがニコニコ笑いながらサッカーや滑り台で遊んだり、パソコンで
ゲーム遊びをしたり、おじさんたちが公園でチェスをしたり、おばさん
たちが朝のウォーキングをしたり、そんなイランの日常、それはとても平
和で平穏で決して壊されることはあってはならないと思う。

そんなイランの日常の少しを、ブログで紹介中。ぜひイランを知らない方
たちに、イランを垣間見て欲しいと願う。

最近は、一年に一度の大イベント、アシューラー祭について、写真を載せて
いる。私の名前やら写真まで出しているので、ここで紹介するのは勇気
がいるが、このブログではできるだけイランに住む人の顔写真を出す
ようにしているので、自分だけ出さないわけにもいかない。

http://kojima.stay.jp/archives/category/842.html

イランに悪いことが起こりそうになったら、このブログに載っている子供
たちの写真を思い出して欲しい。この子達とこのブログには載っていない
たーくさんのイラン人たち、そしてたーくさんの日本人などの外国人たち
がいつも幸せにくらしていられるように。


3.メルマガ読者の皆様


出た邦アジア編を購読して下さっている皆様、これまで、私の稚拙な文章を
お読みくださりありがとうございました。日本では政治面ばかりが強調
されてしまうイランについて、少しでも身近に感じていただけたとしたら
本望です。とはいっても、ほとんど私の個人的な話ばかりでしたね。
これからも、アジア編をよろしくお願いいたします。

日本に戻ったら、いつになるかはまだ分かりませんが、「出戻り邦人」のほうで
書かせてもらうことができればと思っています。
「出戻り邦人」をご購読されていない方、ぜひそちらもよろしくお願いいたします。



それではまたいつか。

イランからソラでした。

ご感想はkidsmetアットマークyahoo.co.jpまで
 
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*次回12月1日(金)はガジャさん、インドネシアからです!お楽しみに!

                    
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