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こうじ神父今週の説教

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こうじ神父今週のお説教 No.378

発行日: 2008/9/28

感謝を込めて☆彡
●メルマガ「こうじ神父・今週のお説教」をもとに、文庫本の形で説教集を印刷
しました。「取って食べなさい」というタイトルです。2004年に発行した「B年
説教集」と「C年説教集」は残り200冊ですが、2006年12月に発行した「A年説
教集」はまだまだあります。もしよかったらメールでご一報ください。
●文庫本は、B年のみ700円、C年とA年は800円の頒布価です。冊子小包で郵送
しますので、送料込みの代金を「ぱるる」に送っていただければ幸いです。参考
までに、1冊のみの送料は210円、2冊で290円、3冊で340円となっています。
●説教集をご希望の方は、必ず郵便番号、住所、氏名をお知らせ下さい。よろし
くお願いいたします。
□□□□□□□□
当メルマガをご購読いただき、ありがとうございます。

(参考)実際の声を確かめながら読みたい方はこちらをクリック
↓↓説教者の意図が、より自然に伝わます。↓↓
http://hanashi-no-mori.news-site.net/voice/80928.mp3

(音声ファイルは、MP3形式です。再生ソフトをを用意してください。)
‥‥‥†‥‥‥‥
こうじ神父
「今週の説教」
08/09/28(No.378)
‥‥‥†‥‥‥‥
年間第26主日
(マタイ21:28-32)
「ぶどう園」は考え直す人を成長させてくれる
‥‥‥†‥‥‥‥

今日の福音朗読に用いられたたとえ話の元になる古い伝承には二通りの記録があ
って、兄に勧めて兄は断り、あとで出かける、弟はその反対に返事は良かったけ
れども、実際は出かけなかったというものと、弟に勧めたら弟が断って、あとで
思い直して出かけ、兄の方は頼まれたときに色好い返事をしたけれど、行かなか
ったという二つの伝承が残されているそうです。

ということは、必ずしも兄が誠実な人で弟が不誠実というのではなく、「あとで
考え直して出かけた」(21・29)ことが物語の中心点ということがわかります。
もちろん、先に声をかけられたとなっている「兄」には、背景があるわけですが、
私たちの問題として考えようとするとき、ここで背景に置かれているものに触れ
なくても十分学びを得ることができると思います。

まず、あとで考え直した兄弟はどんなきっかけで考え直すことにしたのかを探っ
てみましょう。彼にぶどう園の仕事を頼んだのは父親でした。ぶどう園の主でも
ある父親には、きっと使用人もいただろうし、季節労働者を雇ってもよかったわ
けです。その父親が、息子に仕事を頼んでいる。本当に断っていいだろうか。ま
ずはそう考えたのではないでしょうか。

また、一般的に父親は自分の息子が期待に応えてくれることを大いに喜ぶもので
す。これまでも父の喜ぶ顔を息子は見たことがあったはずです。「いやです」と
言ったとき、父親の顔は曇ったのではないでしょうか。本当に父をがっかりさせ
たままでいいのだろうか。そんなことも、あとで考え直した息子の頭によぎった
のではないでしょうか。

たとえ父の願いであっても、息子も人間ですから「いやです」と言うか「承知し
ました」と言うかの自由はあります。父親は、自分の意志で、父の望みに応えて
くれることを期待しています。自由意志を働かせて、だれにも強制されずに、父
の望みを果たして欲しいのです。息子は自分でよく考えて、「いやです」と言っ
たかも知れません。けれどもどこかに、「まだ考え直せる余地はあるのではない
か」という思いに駆られ、最後にはぶどう園に行きました。

こう考えると、私たちが何かを決めたり選んだりするとき、父は喜んでくれるだ
ろうか、父はどう思っているだろうか、そのことを忘れないようにして判断すべ
きです。もちろんここで言う「父」とは、「父なる神」のことです。私たちは
「はい」と言う自由も「いやです」と言う自由も与えられていますが、どちらに
しても「この返事で、父なる神は喜んでくれるだろうか」ということを考えなけ
れば本当の意味で正しい判断はできないのです。

「この判断で、神さまは本当に喜んでくれるのだろうか」と考えるというのが1
つの学びですが、もう1つは、たとえ話で言われている「ぶどう園」とはどこな
のかということも考えると意味深いと思います。この点で私が思い出せる体験を
1つ話してみたいと思います。例としては、以前聞いたことがあるかも知れません。

私は当時まだ駆け出しの司祭でした。3人の若い司祭で結婚講座を切り盛りして
いましたが、あるカップルがずっと講座に出席していませんでした。結婚講座は
全体で15回ありましたが、このままでは修了証を出すことはできないと思い、と
うとう電話をかけて、その方の家に事情を尋ねたわけです。

電話には父親が出ました。本人がまだ戻ってきていなかったのかも知れません。
そこで息子さんが結婚講座に来てなくて、このままでは修了証を出すわけにはい
きませんと伝えますと、その父親は前に結婚させた子どもは○○神父さまが指導
してくれた、その神父さまはそんな何回来なければ終了できないとか難しいこと
は言わなかった、お前はそれでも神父か、前の神父さまのようにどうして簡単に
終われないのかと責めたれられまして、まいってしまいました。

私も多少ムキになっていたこともありますが、結婚講座は結婚するために必要で
すから、そんな無茶を言われても困ります、どうしても来ることができない理由
があれば聞かせてください云々と、こちらも義務の一点張りで引き下がろうとし
なかったのです。その日は電話の出来事を先輩に相談もできず、腹も立つし眠れ
なくて、一日頭から離れませんでした。

その日の夜、布団の中で考えていました。むこうの言い分は筋が通っていないか
ら自分が折れるのはいやでした。「納得できないのにその場を譲るのはいやです」。
私は心の中で、神にそう言っていたのだと思います。けれども神は、「子よ、今
日、ぶどう園へ行って働きなさい」と声をかけて、もう一度考え直すきっかけを
くださったのでした。

私としては、一歩も譲るつもりはなかったのですが、一晩考えてみて少し考えが
変わりました。父である神は、「子よ、今日、ぶどう園へ行って働きなさい」と
言ったのです。どちらが正しいかはっきりさせてきなさいと言ったのではなく、
ましてや相手の間違いを指摘してきなさいと言ったのでもありません。「ぶどう
園」、つまり、父なる神が示す場所に行って、問題解決のために働きなさいと言
っていたのです。

私が問題を解決できるかどうか分かりません。ただ父なる神は、ご自分が働いて
欲しい場所で、忠実に働いて欲しいのです。私が居座っている場所がぶどう園だ
とは限りません。全く不利な場所を指して、ここで働いてくれないかと求めてく
るかも知れません。最初から不利な場所で働くのは誰でもいやです。それでも、
考え直して、結果を気にせずに働くことが、父なる神の望みなのではないか。そ
ういうことをぼんやりと思ったのでした。

当時は今話したようなことをはっきりと意識していませんでした。納得できない
けれども電話で言い過ぎたかも知れないからと思って、その家庭を訪ねていきま
した。前の日のことを謝り、ぜひ結婚講座に来て欲しいと言うと、結婚する人の
父親も分かってくれました。

自分に悪いところはないからと思って「いやです」と言い続けることもできたで
しょう。けれども、父である神が示す場所が、私たちにとっての「ぶどう園」な
のです。いやだと思っているその場所であっても、後で考え直し、心を決めて働
くとき、神が喜んでくださいます。

駆け出しだった当時のことをふり返りながら、父なる神が「ぶどう園へ行って働
きなさい」と呼びかけているその「ぶどう園」について、新たな発見をしました。
私たちはいつも、神が示す「ぶどう園」で、できる働きを期待されているのだと
思います。


‥‥‥†‥‥‥‥
ちょっとひとやすみ
‥‥‥†‥‥‥‥

▼最近「窓を閉めたかな」と確認に行くことが増えてきたが、とうとう行き着く
所まで行き着いた。恥ずかしいことに、「社会の窓」を開けたまま、船で長崎に
行ってきて、帰ってきたのである(念のために説明しておくと、「社会の窓」と
はズボンのファスナーのこと)。その間一度もトイレに行かなかったらしく、司
祭館に戻ってトイレに入った瞬間、すべてのことがよみがえってきた。
▼船に乗る時に行列に並び、親しい人と笑い話をした。カトリックセンターの広
報室に行って、教区報の仕事をしてきた。帰る時に食事をしようとレストランに
入った。ちょっと時間があったので、100円ショップをウロウロした。すべて公
共の場に出かけたのに、だれにも何も言われなかった。何も言えない状況だった
のか・・・。
▼日曜日、市内の中町教会で聖トマス西と15殉教者のミサの後、JRに乗り早岐
に移動して、ある人の壮行会に参加する。その人は家具屋さんで、持っている技
術を海外で教えてくるために海外青年協力隊に飛び込んでしばらく日本を離れる
ことになっている。配偶者、子どもたちもよく背中を押してくれたなぁと驚いている。
▼この人との出会いは、以前いた地区で手話ミサをしていたことから関わりが始
まった。手話のできる人ということで夫婦で手話の集まりにやって来て、ミサの
手話通訳を手伝ってくれるようになった。そのうちに、配偶者の方は洗礼を受け
たし、私は個人的に家具の仕事を依頼したこともあった。
▼その彼が、ある時海外に行くことを決意し、家族に打ち明けたそうだ。家族は
びっくり、一度はもっと早い時期に出発することになっていたが、紆余曲折あっ
て今回の壮行会となった。技術を習いたいと熱心に集まってくる人に、持てるす
べてを注ぐのはたまらない快感だろう。ぜひ、思いのすべてを注入して、夢を実
現してほしい。

‥‥‥†‥‥‥
今週のワンショット
‥‥‥†‥‥‥
第50回目。壮行会を受けている人は、海外青年協力隊で出かけます。
http://hanashi-no-mori.news-site.net/80928.jpg
詳細は、ホームページ:http://hanashi-no-mori.news-site.net/にて。

‥‥‥†‥‥‥‥
‥次の説教は‥‥
年間第27主日
マタイ21:33-43
‥‥‥†‥‥‥‥

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