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こうじ神父 今週のお説教 No.237

発行日: 2006/4/29

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(音声ファイルは、MP3形式です。再生ソフトをを用意してください。)
‥‥‥†‥‥‥‥
こうじ神父
「今週のお説教」
06/04/30(No.237)
‥‥‥†‥‥‥‥
復活節第3主日
(ルカ24:35-48)
私たちの置かれている時間は「第三の時」です
‥‥‥†‥‥‥‥

何かに書き残された出来事には、三つの時間があると思います。福音書に当ては
めて考えてみましょう。今週の福音朗読は、復活したイエスが弟子たちに現れ、
ご自分の手足の傷をお見せになり、焼いた魚を一切れ食べて、語りかけるという
出来事でした。この出来事を考えるに当たって、三つの時間を押さえて読みたい
のです。

まずは、出来事はあるときある場所で起こっています。弟子たちの見ている前で、
出来事は確かに起こりました。「第一の時」は、「出来事が起こったその瞬間」
ということです。本来は、この時間がもっとも大切な時間となります。出来事が
今目の前で起こっていますから、その場にいなかった人は決して味わうことので
きないすばらしい体験をしているわけです。

次に、起こった出来事が重大なものであれば、多くの場合それは人々に告げ知ら
されることになります。弟子たちの集まっている前で起こった出来事は、まず目
撃者である弟子たちによって人々に伝えられました。弟子たちは目撃者ですから、
目で見たことを生き生きと伝えることができます。「第二の時」は、「出来事を
生き生きと告げ知らせる時間」です。ただし、弟子たちが直接告げ知らせている
様子は、福音書の中にはありません。その様子がうかがえるのは弟子たちの活動
が記録されている「使徒言行録」の中においてです。

ところで、直接目撃した弟子たちが生き生きと伝えていた時代もいつまでも続く
わけではありません。できるだけその生きた場面を、のちの時代に長く伝える書
き方で残すことが必要です。何人かの福音記者と呼ばれる人々が、その使命を引
き受けました。私たちの時代にまでイエス・キリストの出来事が生き生きと伝え
られているのは、この「第三の時」、「出来事をのちの時代のために書き残す時
間」のおかげです。

こうして、私たちには「第三の時」「出来事をのちの時代のために書き残す時間」
を通して当時の様子を学ぶことになります。誰も、直接見た人がいないのですか
ら、「第一の時」までさかのぼることはできません。また、目撃者がいないとい
うことは、その目撃者に直接話を聞くという「第二の時」も経験することはでき
ないことになります。あくまで、私たちが出来事を知りうるのは「第三の時」を
通してということです。残念と言えば残念なことです。

それでも、ほとんどすべての人は、この「第三の時」の中でイエス・キリストを
知り、信じるようになりました。ということは、出来事が目の前で起こり、それ
を生き生きと告げ知らせた頃の迫力が、書かれた書物の中に残っているというこ
とです。目の前で起こったときにはどんなにすばらしい体験ができただろうかと、
十分うかがい知れるくらい生き生きと描かれているということです。

一例、挙げておきましょう。復活したイエスが弟子たちに現れて、「ここに何か
食べ物があるか」と言われて、焼いた魚一切れを食べたとあります。出来事を三
つの時間で切り取ってみると、焼いた魚を食べたというその瞬間が「第一の時」
です。「第二の時」は、たとえば弟子たちが「イエス様はわたしたちの目の前で、
焼いた魚をお食べになりました」と力強く話しかけている場面が「第二の時」で
す。焼いた魚を一切れ食べたのを目撃したと言いますが、冷静に考えると、果た
してそれは、今の時代にどのような意味があるのでしょうか。

もしも中田神父が、駅前に立って、「復活したイエスは弟子たちの前で焼いた魚
一切れを食べました」と通りかかる人々に話しかけても、耳を傾けてはくれない
と思います。なぜかというと、町を歩く人々に出来事のその瞬間はあまり関係が
ないからです。むしろ「第三の時」、のちの時代の人々に生き生きと伝わるよう
に物語を書いた人が工夫した、その工夫を知らせなければ人々の心を打つことは
ないのです。

そこで私たちも、朗読されたルカ福音書の記者がどのような工夫をしているのか
を読みとることにしましょう。イエスが焼いた魚を弟子たちの前で食べたという
のは、そこにおられたイエスは弟子たちの思い込みでイエスの雰囲気を感じてい
ただけではなくて、目で見、手で触れるような実体としてそこにおられたのだと
いうことを伝えようとしているのです。

私はちょっと前に人の服を間違って着ていた夢を見ましたが、間違って着ていた
服を着替えたことまで実感があったのですから、てっきり「第一の時」だと思っ
ていたのですが、それは夢でした。弟子たちの体験は夢ではないのです。イエス
はそこに確かにいた。いたような気がするのではなく、食べ物を食べて一緒にい
ることを証明してくださったのです。

この体験が現在読み継がれているわけですが、私たちにとってはどのような意味
があるのでしょうか。それは、イエスははっきりと分かる方法で、一緒にいるよ
と伝えてくださるということです。今日の朗読箇所を、1000年前の人も読み、聞
きました。1500年前の人もそうです。どの時代にもイエスが焼いた魚を食べ、弟
子たちに語りかけたことが意味を持つとしたら、イエスは今もいつも私たちのそ
ばにいてくださり、そのことをはっきり分かる方法で伝えてくださるということ
です。

「第三の時」「出来事をのちの時代のために書き残す時間」がどれだけ必要かと
いうことが、これではっきりします。私たちがこれからも日ごと朗読されるイエ
スの出来事を生き生きとした姿で読みとり、イエスを身近に感じる努力を続けま
しょう。そして今感じられる喜びにより多くの人を引き寄せることができるよう
に行動しましょう。またそのための勇気と知恵をこのミサの中で願っていくこと
にしましょう。


‥‥‥†‥‥‥‥
ちょっとひとやすみ
‥‥‥†‥‥‥‥

▼「ながさきさるく博覧会」が開幕している。その中のイベントとして、月末の
土曜日に(メインは晩7時からの講演会)”市民セミナリヨ2006「長崎の宗教と
文化」”というものがある。全体で7回、講演会とその内容に関係する場所の見
学会、ミニコンサートという組み合わせとなっている。たいへん意欲的なイベン
トである。
▼この説明だけでは分からない方も多いと思うが、長崎さるく博の「さるく」は
「歩いて回る」ということ。長崎の各名所を歩いて回って、長崎を楽しんでもら
おうというコンセプトである。長崎県の観光課に宣伝をお願いされたわけではな
いが、当然教会関係は歩いて回るコースに組み込まれていて、10月の閉幕までは
きっと賑やか(正直言うとうるさくなりそう)なのだろう。
▼さて初めに紹介した市民セミナリヨ2006だが、教区の新聞の編集長としては当
然出席すべきイベントなのであるが、実際には土曜日の晩に行事を組まれても、
とてもじゃないが取材はできない。高島教会のミサが終わって帰りの船に乗るの
は晩の6時37分、それから大浦天主堂まで足を伸ばしたとしても完全に遅刻である。
▼取材しないわけにはいかないので、今月はもう一人の編集委員に出席してもら
っているが、次回からは主催者側に記事をお願いしようと思う。その上で、でき
れば顔を出してみたいものだ。ちなみに29日(土)オープニングを飾るのは長崎
教区の大司教であるが、出席してこちらの落ち度で失礼があってはいけないので、
ある意味出席できなくて良かったと思っている。

‥‥‥†‥‥‥
こうじ神父絵手紙
‥‥‥†‥‥‥
第23回目。この位置からの馬込教会の眺めが評判になっています。
http://hanashi-no-mori.news-site.net/60430.jpg
詳細は、ホームページ:http://hanashi-no-mori.news-site.net/にて。

‥‥‥†‥‥‥‥
‥次の説教は‥‥
復活節第4主日
(ヨハネ10:11-18)
‥‥‥†‥‥‥‥

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