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3分で読めるアメリカ経済情勢ニュース 第288号です
発行日: 2008/6/29■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■■
■■ ◆3分で読めるアメリカ経済情勢ニュース◆
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■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 第288号 ━■■
FRB、金利据え置きを決定=バイアスは原油高懸念でインフレ重視へ
−ドル、対ユーロで下落=目先の利上げないと見て−
【2008年6月29日(日)】 − 先週の25日、FRB(米連邦準備制度理事会)はFOMC(公開
市場委員会)で、市場の大方の予想通り、政策金利であるFF(フェデラル・ファンド)
金利の誘導目標を2%に据え置いた。
しかし、今後のFRBの金融政策の方向性を示すバイアス(金融政策に対する姿勢)は、
前回のFOMC(4月30日)の声明文で示された、景気悪化とインフレ上昇の両リスクが均衡
する中立バイアスから、よりインフレリスクを重視するバイアスにシフトしている。
金融政策決定後に発表された声明文は、景気リスクについて、「クレジット市場のタ
イトな状況と住宅市場の悪化、エネルギー価格の上昇で、今後数四半期は経済成長を抑
制する可能性が高い」とした。
しかし、その一方で、「これまでの利下げと流動性の潤沢供給の効果のおかげで、景
気後退リスクは残るものの、そのリスクはやや低下した」と述べ、景気リスクを引き下
げている。
実際、景気見通しについては、第1四半期(1-3月)GDP伸び率は前期比年率+1.0%だ
ったが、エコノミストは、個人消費と輸出が依然堅調を維持していることから、第2四半
期(4-6月)は+1.5〜2%になると予想している。以前は、FRB幹部が、今年の上期はマ
イナス成長になる可能性を示唆していたのとは様変わりだ。
◎インフレとインフレ期待の上昇リスクが増大
その一方で、「インフレとインフレ期待が上昇するリスクは高まっている」という文
言を新たに追加、インフレ重視にシフトしたことを明らかにしている。
特に、今回の声明文では、2度にわたって「インフレ期待」という語句を繰り返してお
り、市場では、FRBは今後発表されるCPI(消費者物価指数)やPCE(個人消費支出)物価
指数といったインフレ指標を見ながら、利上げ方向で動き出す兆候と受け止めている。
また、前回の声明文で見られた「今後数四半期は、原油や原材料の価格高騰も治ま
る」という文言も削除されており、楽観的な見方が影を潜めた感じだ。
最近のインフレ動向を見ると、13日に米労働省が発表した5月のCPIは、全体指数が
原油高を反映して、前年比4.2%上昇と、前月の同3.9%上昇を上回り、1月以来4カ月
ぶりの大幅上昇となった。
原油高騰が続けば、CPIは夏までには5%を超え、インフレ期待を一段と高めるという
見方も強くなっている。
◎ドル、対ユーロで下落=目先の利上げの可能性見えず
しかし、25日のNY外為市場では、ドルはユーロに対し、前日NY終値の1.5572ドルから
1.5675ドルに下落した。市場関係者は異口同音に、インフレリスクへの転換は確認でき
たが、利上げが近いことを示す明確なサインが欠けている、と指摘している。
これは、FRBが、声明文の中で、「インフレは今年後半から来年にかけて緩和するだろ
う」と予想しているところが、FRBはまだインフレに対してそれほどタカ派ではないとい
う印象を市場に与えている。
また、25日、欧州中央銀行(ECB)のジャンクロード・トリシェ総裁が欧州議会でイ
ンフレリスクを改めて強調したことから、来週(7月3日)開かれるECB理事会で、ECBの
利上げは避けられないという観測が広がったことも、ユーロの優位性につながりドル安
となった背景にある。
◎フィッシャー地区連銀総裁、利上げを主張
金利据え置きは、昨年8月以来10カ月ぶりだ。これまでFRBは、昨年夏のクレジット市
場危機による景気後退懸念を強め、景気リスクを重視して、昨年9月から前回FOMCが開か
れた4月30日まで計7回にわたり、5.25%から2%へ3.25%ポイント利下げしてきた。
しかし、今回の金利据え置きの決定は全会一致ではなかった。インフレに関しては、
タカ派で知られるダラス地区連銀のリチャード・フィッシャー総裁だけが、利上げを主
張して、据え置きに反対票を投じている。
また、市場の一部でも、次回のFOMCが開かれる8月5日までに発表される経済データ
で、インフレの抑制が確認されない場合には、9月以降の利上げは避けられないと見る向
きも少なくない。(了)
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