外資系通信社で日米の政治、経済、マーケット、金融のニュース速報の最前線で活躍してきた筆者がアメリカの株・債券・為替市場やホワイトハウスや米議会、米連邦準備理事会の要人コメント、経済指標を分析します。
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3分で読めるアメリカ経済情勢ニュース 第277号です
発行日: 2008/4/13■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■■
■■ ◆3分で読めるアメリカ経済情勢ニュース◆
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■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 第277号 ━■■
米FOMC議事録、今年上期のマイナス成長を予測=FRBの限界も示唆
【2008年4月13日(日)】 − 先週初め(8日)、FRB(米連邦準備制度理事会)は3月18
日に開かれたFOMC(公開市場委員会)の議事録を公表した。
議事録では、今年上期のマイナス成長の可能性が初めて示される一方で、フィラデルフ
ィア地区連銀のチャールズ・プロッサー総裁とダラス地区連銀のリチャード・フィッシ
ャー総裁がインフレリスクを強調して反対票を投じた理由の詳細も明らかになった。
これを受けて、金利先物市場では、インフレリスクよりも景気リスクを重く見て、やや
大幅利下げの確率が高まった。基本的には、先週末に発表された3月の雇用統計が3カ月
連続で悪化(前月比8万人減)、0.5%ポイントの大幅利下げの見方が強まった流れは変
わっていない。
FRB幹部、景気に対し悲観的な見方=議事録
3月18日の政策決定後に発表されたFOMC声明文では、景気リスクについて、「クレジット
市場収縮(金融逼迫)と住宅市場の一段の悪化で、今後数四半期は、経済成長が押し下
げられる可能性が強い」とし、また、「景気下降リスクは依然、存在する」と指摘して
いた。
つまり、FRBは依然、金融市場の混乱や企業と家計の資金調達の困難な状況、雇用市場の
悪化傾向、住宅市場の一段の悪化に対する懸念を示したが、今回の議事録では、「(FRB
のエコノミスト)予想では、今年下期からGDPはゆっくり上昇するが、上期はマイナス成
長になる」と初めてマイナス成長という文言が使われている。
また、議事録では、「最近、議会で成立した景気刺激策により、今年下期のGDPが押し上
げられることが期待されるが、その景気浮揚効果は、これまでの累積的な利下げの効果
や堅調な輸出、原油高の影響の緩和、金融市場の緊張緩和とあいまって、2009年に現れ
るだろう」と予想。
さらに、「2009年にGDPが上昇に転じても、企業の設備稼働率や雇用市場などは前回予測
を下回る緩やかな伸びが予想される」と悲観的な見方だ。
これは、4月2日のベン・バーナンキFRB議長の米議会の両院合同経済委員会での証言とも
符合する。同議長は、「実質GDPは、今年上半期はそれほど伸びず、ややマイナス成長に
なる可能性がある」とし、初めてリセッション(景気失速)の可能性を示唆した。
また、今年後半から景気が回復するという先行き見通しについても、同議長は、「この
予測の不確実性はかなり高い。依然、景気後退リスクがある」とも指摘している。
エコノミストは、今回の議事録については、3月18日の0.75%ポイントの利下げ以上に深
刻な景気懸念を示しているとし、かなり悲観的な内容との見方が多い。
2人のFOMCメンバー、大幅利下げに反対
3月18日のFOMCの0.75%利下げ決定は8対2で、2人が大幅な利下げに反対した。プロッサ
ー総裁とフィッシャー総裁の2人だが、いずれもより小幅の利下げを主張して、反対票を
投じた。
議事録では、2人は急激な利下げに反対した理由について、「インフレ率とインフレ期待
はすでに上昇しており、追加利下げにより、インフレ期待を抑制することが困難になる
可能性がある」と指摘している。
フィッシャー総裁は、「景気の先行き見通しを早期に、かつ、持続的に改善するには、
利下げよりも流動性の緊張緩和に焦点を置く金融政策の方が有効だ」と述べ、追加利下
げの必要性には否定的だ。
また、プロッサー総裁も、「インフレ期待が十分に抑制されているという確証が得られ
るまで待っていては、一段のインフレ圧力の上昇を招き、遅きに失することになる」と
警告している。(了)
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