外資系通信社で日米の政治、経済、マーケット、金融のニュース速報の最前線で活躍してきた筆者がアメリカの株・債券・為替市場やホワイトハウスや米議会、米連邦準備理事会の要人コメント、経済指標を分析します。
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3分で読めるアメリカ経済情勢ニュース 第263号です
発行日: 2008/1/6■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■■
■■ ◆3分で読めるアメリカ経済情勢ニュース◆
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■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 第263号 ━■■
米0.5%利下げ観測、一段と強まる=米12月失業率が5%に急伸で
−ブッシュ大統領、28日の一般教書演説で景気刺激策発表か−
【2008年1月6日(日)】 − 先週末(4日)、米労働省が発表した昨年12月の雇用統計
は、新規就業者数(非農業部門で軍人除く、季節調整済み)が予想以上に悪化したた
め、市場では、米経済はリセッション(景気失速)に入る可能性が一段と高まったと
し、FRB(米連邦準備制度理事会)は今月29-30日に開かれるFOMC(公開市場委員会)
で、最低でも0.25%の利下げを実施するか、あるいは、0.5%ポイントの大幅利下げも不
思議ではないと見ている。ただ、今回の雇用統計では、インフレ動向を示す1時間あたり
賃金が引き続き上昇していることから、利下げ幅は限定的で、0.25%ポイントにとどま
るとの見方も根強い。
12月の新規就業者数は、前月比わずか1万8000人増となり、2003年8月の同4万2000人
減以来4年4カ月ぶりの低水準で、市場予想のコンセンサスである同7万人増を大幅に下回
った。さらに、市場が最も深刻に受けとめたのは、失業率が前月の4.7%から5%へと、
2005年11月以来2年ぶりの高水準に急伸し、市場予想の4.8%を上回ったことだ。これ
は、政府部門よりも、民間部門が製造業と建築業、小売業を中心に前月比1万3000人減と
2003年7月以来約4年半ぶりに減少に転じたためで、エコノミストは、住宅市場の悪化と
クレジット市場収縮(金融逼迫)の影響による景気後退が着実に幅広いセクターに広が
ってきたと見ている。
また、11月の新規就業者数は前回発表時の前月比9万4000人増から同11万5000人増に上
方改定される一方で、10月の新規就業者数は同17万人増から同15万9000人増に下方改定
され、10、11月の両月合計で1万人の上方改定となった。その結果、2007年通年では、
133万人増と、2006年の230万人増の約60%にまで大幅に減速し、2003年の10万7000人増
以来、4年ぶりの低い伸びとなった。また、2月1日の雇用統計の基準変更で、2007年の増
加数が下方修正される見通しで、雇用市場の減速は一段と明瞭になる。月平均の増加数
も2007年は11万1000人増で、前年の18万9000人増をかなり下回っている。
ただ、インフレ動向を示す1時間当たり賃金が、前月比0.4%(7セント)上昇の17.71
ドルと、市場予想の同0.2%上昇も大幅に上回り、前年比も3.7%上昇とインフレ上昇の
加速懸念を示していることから、市場では、雇用市場の減速が強まっているものの、大
崩れせず、ややタイトな状況は続いていると見ている。
ブッシュ大統領、28日の一般教書演説で財政出動による景気刺激策発表か
他方、ブッシュ大統領は3日、記者団に対し、景気減速について、「あらゆる選択肢を
検討している」と述べ、財政出動による景気刺激策を検討していることを示唆したが、
その最終決定は1月後半に明らかになるとして詳細は明らかにしていない。ただ、今月28
日の一般教書演説で発表すると見られているが、同大統領が4日、ヘンリー・ポールソン
財務長官やベン・バーナンキFRB議長らが出席した金融市場に関する作業部会との懇談後
の記者会見で、「最近の金融市場の混乱で先行きに不透明感があるが、金融市場は強
く、しっかりしている」と述べ、楽観的な見方を示していることから、市場では、政府
の財政出動はそれほど大規模なものにはならないと見ている。
建設業、4万9000人減=小売業も2万4000人減に
今回の雇用統計の特徴は、依然、製造業と建設業の落ち込みが続いているのと、小売
業が減少に転じたことだ。製造業は、11月の前月比1万3000人減に引き続き、同3万1000
人減となり、市場予想の同1万5000人減を大幅に下回った。建設業は住宅市場の長引く調
整で、11月の同3万7000人減から同4万9000人減と1992年以来過去2番目の大幅減少とな
り、また、6カ月連続の減少となっている。
他方、プラス面では、サービス産業が依然、リード役となって、全体の伸びに寄与し
ているが、サービス産業は11月の同16万人増から、同9万3000人増に伸びが大幅に鈍化し
ている。このうち、小売業は11月の同3万2000人増から同2万4300人減に再び減少に転
じ、金融サービス業は、サブプライム問題で11月の同1万6000人減から同4000人減と引き
続き減少しており、なかでも、クレジット仲介業は住宅不況も重なり、同7000人減と依
然、落ち込みが激しい。(了)
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