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外資系通信社で日米の政治、経済、マーケット、金融のニュース速報の最前線で活躍してきた筆者がアメリカの株・債券・為替市場やホワイトハウスや米議会、米連邦準備理事会の要人コメント、経済指標を分析します。




3分で読めるアメリカ経済情勢ニュース 第159号です

発行日: 2005/12/26

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■■      ◆3分で読めるアメリカ経済情勢ニュース◆ 
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来年の米経済、ソフトランディングへ=06年GDP成長率は+3.5%程度

−インフレ上昇圧力懸念残り、利上げは来年初めまで継続−

【2005年12月25日(日)】 − 先週の21日、米商務省は第3四半期(7−9月)の実質GDP
伸び率の確定値(季節調整済み、前期比年率換算)を発表したが、それによると、先月
発表の改定値+4.3%から+4.1%へ0.2ポイントの下方修正だった。ただ、それでも2004
年第1四半期(1−3月)の+4.3%以来、1年半ぶりの高水準は変わらず、8月29日と9月24
日に石油関連施設が集中する米南東部を襲った超大型ハリケーンの「カトリーナ」と
「リタ」で甚大な被害を受け、失業者の急騰や原油・天然ガス、ガソリンなど石油製品
の価格が暴騰する中で、驚異的な米経済の堅調さを示す結果となった。

  また、長期トレンドで見ると、2005年全体の実質GDP伸び率は、第1四半期が+
3.8%、第2四半期が+3.3%、第3四半期が+4.1%となったものの、第4四半期(10−12
月)は、個人消費を引っ張っている自動車販売が、夏の値引きキャンペーンによる好調
な販売の反動と秋のガソリン価格の高騰でガソリン消費が大きいSUV(スポーツ多目的
車)の極度の販売低迷から、+3%から+3.5%の成長に鈍化する見込みで、年間を通じ
て、+3.7%程度と予想されている。

  2006年第1四半期のGDP伸び率については、いままで遅れていた米フロリダ州などハ
リケーン被災地の災害復興事業が来年初めから本格化する見通しから、GDP伸び率は+
4%近くまで回復し、2006年全体でも+3.5%程度になるとするエコノミストが多い。
2004年のGDP伸び率は5年ぶりの高水準である+4.2%だったが、2005年は+3.7%、2006
年は+3.5%というように、米FRB(連邦準備制度理事会)の予想通り、米経済はソフト
ランディングに向かっているのである。

  この第3四半期GDPの確定値が発表された同日、FRBのリッチモンド地区連銀のジェフ
リー・ラッカー総裁がノースカロライナ州シャーロットで講演したが、同総裁も2006年
の米経済の成長率を+3.5%程度との見通しを示している。その上で、「3.5%成長であ
れば、インフレを加速させることはない。我々は持続安定成長の軌道に乗っている」と
して、ソフトランディングに向かっているとの認識を明らかにしている。同総裁は2006
年から、FRBの金融政策委員会であるFOMC(米連邦公開市場委員会)の参加メンバーとな
るので、同総裁の発言は市場でも重視される。

  今回の第3四半期GDP確定値で、唯一懸念材料となったのが、インフレ率の上方修正
だった。FRBがインフレ率の指標として好んで使うPCE(個人消費支出)物価指数が、前
回の改定値の年率+3.6%から+3.7%に上方修正され、第2四半期の同+3.3%からイン
フレ上昇率が加速したのである。この上方修正の要因は、ハリケーンの影響で、エネル
ギー関連製品の価格が上昇したためだが、変動が激しい食料品とエネルギーを除いたコ
アPCEでも、改定値の+1.2%から+1.4%(第2四半期は+1.7%)に上方修正されてい
る。

  確かに、低インフレが続いているのだが、エコノミストは、今冬の暖房需要を反映
して、天然ガス価格が依然高水準にあり、また、ハリケーン復興関連で住宅建築や道
路・橋梁などの建設需要も強いため、FRBは依然、インフレ上昇圧力を懸念していると
見ており、少なくとも、来年1月と3月のFOMC会合で、FRBは0.25%ポイントずつの利上げ
を実施、政策金利であるFF(フェデラル・ファンド)金利の誘導目標を現在の4.25%か
ら4.75%まで引き上げると予想している。

  ラッカー総裁も、講演の中で、「コアのインフレ率は低水準だが、エネルギー価格
の(小売り段階での)価格転嫁が、物価を上昇させないと見るには時期尚早だ」と警告
し、「価格転嫁が一時的で、ごくわずかであってもFRBは歓迎しないので、インフレ期待
が目に見えて高まってくれば、FRBは積極的に対応する心構えをしなければならない」と
利上げキャンペーンの継続を示唆した。どこまで利上げを続けるべきかについては、
「来年、FF金利がどこまで上昇しているかどうかは、経済データいかんだ」と指摘し
た。この経済データについては、「不透明要因となっている原油価格と住宅価格の低下
がどこまで進むかだ」という。 (了)

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発 行 元   :「誰でも分かる!アメリカ経済情勢ファイル:ザ・裏読み」
発行責任者  :編集主筆 増谷栄一
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