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■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 第128号━■■
グリーンスパンFRB議長、米政府系住宅金融2社の肥大化阻止訴える
【2005年5月22日(日)】 − アラン・グリーンスパンFRB(米連邦準備制度理事
会)議長は、先週の19日、米ジョージア州アトランタで講演し、米国最大の政府系
住宅金融機関であるファニーメイ(米連邦住宅抵当金庫)とフレディマック(米連
邦住宅貸付抵当公社)の保有資産(住宅ローン債権とMBS)の肥大化が、米国金融シ
ステムの大きなリスクとなっているとして、2社のポートフォリオ(保有資産)の大
幅削減の必要性を改めて指摘した。
同議長が問題視しているのは、2社合わせて、実に約1兆5000億ドル(約161兆
円)にまで達した巨額なポートフォリオで、ほとんどが市中金融機関から購入した
住宅ローン債権やMBS(不動産担保証券)だ。MBSは購入した住宅ローン債権を流通市
場で販売することを目的にパッケージとして証券化したもの。グリーンスパン議長
によると、このMBSの大半が投資家に売却されずに保有されたままで、2社の本来の
使命である「住宅金融市場への流動性の潤沢な供給と住宅ローン金利の低位安定、
また、金融危機が起こった際の流動性供給」を果たせない状況に陥っており、むし
ろ、大量のMBSを資産として保有し続けるために、リスクヘッジなど複雑なデリバテ
ィブ取引をしなければならず、人為的な運用ミスを引き起こしやすい状況にあると
いうのだ。その上で、同議長は、人為的なミスが米国の金融市場全体を混乱させ、
金利の乱高下を引き起こしかねないリスクの方が大きいと警告する。
なぜ、2社がMBSポートフォリオを肥大化させたかと言えば、1990年代の中ごろ
に2社のうち、フレディマックが民営化されたのを機に、それまでの資産運用方針が
ガラリと変更されたからだ。それまでは、2社とも住宅ローン債権を積極的に市中の
金融機関から購入し、それを直ちにMBSに証券化し、大口の投資家に販売して、運用
益を稼ぐ方法を取っていたが、1990年台の中ごろからは、証券化したMBSを積極的に
売却しなくなり、そのまま保有し、そのMBSポートフォリオから利益を上げるという
戦略に方向転換している。
同議長によると、この戦略転換前の1990年末時点での2社合計のポートフォリオ
は、わずか1320億ドル(約14兆2000億円)で、米国の住宅金融市場の5.6%シェアに
過ぎなかったが、2003年までには、それが1兆5000億ドル、シェアも23%という巨大
な存在に成長してしまったのである。
グリーンスパン議長は、2社はMBSを含め、証券化されていない住宅ローン債権
の資産の保有は「ほんのわずかであるべきだ」と主張する。「MBSを保有していれ
ば、住宅ローン市場には流動性が供給されないことになり、金融危機の時には現金
との換金性がないMBSのままでは市場への資金供給ができない」とし、「MBSを売り
切りすることによって得た資金で借金を返済すれば、借金の返済を受けた投資家
は、さらにたくさんのMBSを引き受けるようになる。
ホワイトハウスと米議会も、最近のグリーンスパン議長の援護射撃に勇気づけ
られ、すでにファニーメイとフレディマックの保有資産の肥大化を防止し、必要な
場合には、強制的に資産売却を命じることを可能にする法案作りに着手している。
ブッシュ政権では、現在、米財務省が中心となって、2社の経営を監督する新官
庁を設置し、2社の保有資産を制限する権限を付与する法案を作成中だ。また、下院
の金融サービス委員会も25日に同様な規制法案の作成のための審議に入る予定で、
共和党のリチャード・ベイカー議員が原案を作成中。それによると、2社の保有資産
のうち、公共の利益に合致しない資産を強制的に売却できる権限を新設する監督官
庁に付与するとしている。民主党は金融機関から住宅ローンを買い取る2社の規模縮
小には反対だが、すでに共和党との間で法案作成をめぐって、協議に動き出してい
る。 (了)
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発行責任者 :編集主筆 増谷栄一
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