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3分で読めるアメリカ経済情勢ニュース 第125号です

発行日: 2005/5/1

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■■      ◆3分で読めるアメリカ経済情勢ニュース◆ 
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■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 第125号━■■

米Q1の実質GDP伸び率(速報値)、+3.1%に減速=原油高でスタグフレーションか

【2005年5月1日(日)】 − 米商務省が28日発表した第1四半期(1−3月)の実質
GDP(国内総生産)伸び率(速報値)は、季節調整済み前期比で+3.1%(年率換
算)となり、2003年第1四半期の1.9%成長以来、実に2年ぶりの低い伸びとなった。
個人消費と企業在庫投資、民間企業の設備投資は、引き続き、GDP上昇に寄与した
が、原油高の影響を受けて、それらの伸びがいずれも前期(2004年10−12月)に比
べ、大幅に鈍化したのに加え、やはり、原油高と中国からの繊維・衣料品の輸入急
増で貿易赤字が拡大し、純輸出の対GDP寄与率が2年ぶりの大幅マイナスとなったた
めだ。市場の事前予想平均値の+3.6%も大幅に下回った。

  GDP伸び率鈍化に寄与した原油高だが、どれだけ影響したかとといえば、一部の
エコノミストの試算によると、GDPを1%ポイント引き下げたと見られている。ま
た、ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)の米国標準油種であるWTI(ウ
エス・テキサス・インターメディエート)価格は、4月初めに1バレル=57.27ドルま
で上昇したが、ドライビング・シーズンの夏までは、原油価格は高止まりするとの
見方から、第2四半期(4−6月)と第3四半期(7−9月)のGDP伸び率は一段と低下す
る可能性も指摘されている。

  今回のGDPの最大の特徴は、スタグフレーション(景気沈滞下のインフレ)の兆
候が伺える点だ。昨年春に見られたソフトパッチ(一時的な景気沈滞現象)の再現
ともいえるのだが、一つ違う点は、これまで見られなかった原油価格の上昇を受け
て、製造業者による製品価格への転嫁が見られ始め、インフレ率の上昇が加速して
いることだ。第1四半期GDPのインフレ動向を示すコアPCE(個人消費支出)価格指
数、これはアラン・グリーンスパンFRB(米連邦準備制度理事会)議長が、金融政策
の物差しとして重視している統計指標だが、それが前期の+1.7%(年率換算)から
実に7年ぶりの高水準である+2.2%に拡大、年間比較でも+1.6%となり、FRBが容
認できる+1.75%〜+2.0%のレンジの上限をやや上回る勢いとなった。この背景に
は原油高騰によるガソリン価格の上昇と連邦政府の公務員給与の引き上げがある。

  GDPのもう一つの特徴は民間設備投資も、機器類やソフトウエアに対する投資額
が前期の+18.4%から+6.9%へと2年ぶりの低い伸び率にまで鈍化したことから、
PCなど情報機器投資は堅調だったものの、全体では同+4.7%となり、前期の
+14.5%からは大幅な減速を示したことだ。この設備投資が鈍化したのも、在庫が
急増したためだ。在庫投資の増加額は、前期(昨年10−12月)は402億ドルだったの
が、1−3月期は802億ドルと2倍になった。

  この在庫増加は、次の第2四半期(4−6月)に影響してくる。企業は当面、在庫
調整に専念せざるを得なくなり、その結果、生産活動を抑え、設備投資も抑制する
ようになる。FRBによる利上げ継続も予想されるので、個人消費や住宅投資に影響が
及ぶ可能性があるからだ。すでに米国の主な経済調査機関では、今年のGDP成長率を
下方修正する動きが出始めている。ドレスナー・クラインオート・ワーッサースタ
イン証券は20日付けの顧客向けレポートの中で、第2四半期の実質GDP成長率は3%を
下回るとし、2005年は3.5%と予想。また、米メリルリンチ証券は当初の3.7%から
3.5%に、2006年も3.3%から3.2%に引き下げている。

  問題は、景気のスタグフレーションの兆候が進む中で、FRBが利上げペースをこ
れまでの0.25%の小幅で行くのか、0.5%ポイントの大幅利上げにするのかどうかだ
が、市場では、まだ、成長の鈍化もインフレ率の上昇もFRBにとって危機的な状況で
はなく、原油高も数ヵ月後には落ち着き、インフレ率は依然抑制的で推移するとし
て、来月3日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で、FRBは米国の政策金利であるFF
(フェデラル・ファンド)金利の誘導目標を昨年6月の利上げ以来、8度目となる
0.25%ポイントの引き上げで3%とし、その後も景気や物価に中立と見られるレート
(3-5%)の中間の4%まで利上げを継続すると見ている。

  焦点は今度のFOMCで発表される声明文の中で、「“measured”(徐々にゆっく
りとした)ペースの利上げ」という文言を残すかどうかだ。前回の3月22日に開かれ
たFOMCの議事録の中では、一部の委員が、この文言を残せば、小幅な利上げが当然
視され、資産市場で高リスクの投資に拍車がかかり、ゆくゆくは資産バブルが崩壊
する恐れがあるとして、“measured”の文言を外すべきと主張している。

  しかし、もし、この文言が外されれば、FRBは0.5%の利上げを示唆したと受け
止められるのは必至となる。また、グリーンスパン議長は景気の悪化よりもインフ
レの悪化の方を重視するという見方もあり、「金利を小幅に引き上げて、インフレ
を加速させるほど危険なものはない」という経験則から、0.5%の利上げの可能性も
否定できないようだ。5月のFOMCのあとは、6月29−30日までFOMCの定期会合は開か
れないので、この間に、景気が本当に低迷するのか確認しながら、利上げを検討す
ることになりそうだ。(了)

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発 行 元   :「誰でも分かる!アメリカ経済情勢ファイル:ザ・裏読み」
発行責任者  :編集主筆 増谷栄一
ホームページ  :http://www.asahi-net.or.jp/~fl7e-mstn/usfile.html
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