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■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 第95号━■■
4-6月期米GDP伸び率は+3.3%に上方改定=FRBは利上げ継続に自信
◎GDP上方改定の主因は輸入の下方改定、輸出の上方改定による貿易赤字の改善と在
庫投資の上方改定
◎純輸出のGDP寄与率、−1.37%ポイントから−1.06%に上方改定
◎個人消費支出、前期比年率換算+1.6%で変わらず
◎企業設備投資、前期比年率換算+13.6%から+12.5%に下方改定
◎民間在庫投資、前期比+577億ドル(6.4兆円)から同+611億ドル(6.8兆円)に
上方改定
◎実質最終売上高(GDP-在庫投資額)、前期比年率換算+2.1%から+2.5%に上方
改定
◎企業の税引き後利益、前期比1.2%減の8980億ドル(99.7兆円)から同0.7%減の
9027億ドル(100兆円)に上方改定
◎コアPCE(個人消費支出)価格指数、前期比+1.7%で変わらず
【2004年10月3日(日)】 米商務省は先月29日、第2四半期(4-6月)の実質国内総生
産(GDP)成長率の確定値を発表したが、市場予想のコンセンサス前期比年率換算+
3.0を上回る+3.3%(季節調整済み)に上方改定され、その1ヵ月前の8月27日に発
表された改定値+2.8%すらも0.5%ポイント上回る強い内容となり、米株式市場で
もポジティブ・サプライズとして好感し、相場を押し上げた。統計発表直後の朝方
の米株市場では、ダウ平均は0.1%高の1万0088.46ドルに上昇した。
一部のエコノミストは経済のソフトスポット(弱い部分)は、結局、それほど
ソフトではなかったようだと指摘する。その一番のサプライズは、少なくとも現時
点では、インフレ率を示すコアPCE(個人消費支出)価格指数が前期比+1.7%と前
回の改定値から変わらないままで、成長率だけが上方改定されたことだ。
しかし、全体的に見ると、今回のGDP成長率の上方改定でも2003年1-3月期の
1.9%増以来の低い伸びであることは変わらず、前期(1-3月期)の4.5%増を下回
り、過去4四半期の4.8%成長を依然、下回っている。
また、市場ではこのところの1バレル50ドルを超える原油価格の高騰が、これか
らの冬の暖房シーズンを迎えて長期化するようだと景気の回復ペースが減速するこ
とは避けられず、また、企業が原油高によるコストアップを製品価格に転嫁する事
態になればインフレ率の上昇を引き起こすという懸念が依然、根強い。
GDPの上方改定の最大要因は、輸入が上方改定され、他方、輸出が上方改定され
た結果、純輸出のマイナスのGDP寄与率が改善したためだ。改定値段階では、純輸出
はGDPを1.37%ポイント引き下げたと見られていたが、今回の確定値ではから1.06%
ポイントのGDP押し下げに緩和している。
また、GDPの押し上げ要因である企業在庫投資額も前期比+577億ドル(6.4兆
円)から同+611億ドル(6.8兆円)に上方改定されたことが寄与している。この結
果、GDPへ寄与度も改定値の0.66%ポイントから0.88ポイントに上方改定された。た
だ、エコノミストの中には、今後、この在庫の増加が売り上げ上昇につながらなけ
れば、景気先行き懸念となると指摘する声もあり、不透明感は残る。
前回の改定値から初めて公表された4-6月期の企業利益は、税引き後利益は前期
比1.2%減の8980億ドル(99.7兆円)から同0.7%減の9027億ドル(100兆円)に上方
改定された。 ただ、個人消費支出は前期比年率換算+1.6%で変わらずだったが、
3年ぶりの低い伸び率で、エコノミストはこのところの原油先物価格の上昇によっ
て、個人消費がさらに低下すると見ている。
一方、金利政策の舵取りを担っているFRB(米連邦準備制度理事会)の反応は、
こうした市場の見方に比べて、むしろ楽観的で温度差は大きい。今回のGDP確定値が
発表された翌日(9月30日)、スーザン・バイズFRB理事はテキサス州アービングで
講演し、その中で「4−6月期GDP成長率は3.3%となり、2003年半ば以来の高い上昇
率を示した。今年の春後半の時期(6月ごろ)は原油価格高騰の影響を受け、景気拡
大のペースがやや鈍化したものの、再び景気拡大の強さを取り戻し始めている」と
指摘、経済は依然、持続成長を続けているという、アラン・グリーンスパンFRB議長
や他の多くのFRB幹部が指摘しているのと同様な認識を示した。
また、同理事は9月16日に発表された8月の消費者物価(CPI)と同月21日の8月
の住宅着工のデータを引用、さらには「企業の設備投資は、数年前の低迷から反発
しており、拡大傾向にある」と指摘。その上で、「現在の金融緩和の環境下で、年
内の米経済は強い成長率を維持する」と強気の見方だ。
同理事は金政策決定会合のFOMC(米連邦公開市場委員会)のメンバーでもある
が、「インフレとインフレ期待は緩和しており、コアCPI も6月から8月までわずか
0.1%上昇で推移、インフレは依然低水準にあり、FRBは“徐々にゆっくりとした”
ペースで緩和政策を解除していくことが可能だ」と利上げの継続を強調した。
今週末の8日には注目の8月雇用統計、また、29日には7−9月期GDPの暫定値が発
表されるが、それまでは米経済の回復がFRBの主張通り「米経済は再び力強い成長力
を取り戻してきている」のかどうか、不透明感が市場を支配する状況が続きそう
だ。 (了)
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発行責任者 :編集主筆 増谷栄一
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