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■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 第74号━■■
FRB幹部、インフレ情勢次第で予想超える利上示唆で1ドル=115円の可能性も
【2004年6月13日(火)】−6月29、30日に開かれるFRB(米連邦準備制度理事会)
の金融政策決定会合であるFOMC会合を間近に控え、FRBのアラン・グリーンスパン議
長をはじめ、FRB幹部が相次いで、前回の5月4日に開かれたFOMC終了後、発表された
声明文で示された“徐々にゆっくりとしたペース(measured pace)”での利上げを
“修正”する発言をし始め、金融市場に対し、新たな利上げ準備のメッセージを送
り始めた。
グリーンスパン議長は8日の講演で、「(現行の)低金利政策がゆっくりとしたペ
ースで解除されることは可能だが、その最終決定は今後、数か月先または数四半期
先の経済要因や金融要因がどうなるのかの我々の最善の予測に基づいて行われる」
とした上で、「しかし、その予測(要因分析)が間違っていれば、物価を安定さ
せ、景気を最大限に持続させるよう、必要な措置を講じる準備がある」と発言し、
声明文を“修正”したのである。
このショッキングなグリーンスパン議長の発言を追って、先週末の11日にはセン
トルイス地区連銀のウィリアム・プール総裁とアトランタ地区連銀のジャック・グ
ウィン総裁も相次いで、“援護射撃”を始めた。
エコノミストの一部には、年内に4%までFF金利が引き上げられると予測する向き
もあるが、市場は、すでに6月30日にはFRBは現行の金融政策の誘導目標金利である
FF(フェデラル・ファンズ) 金利を小幅な0.25%ポイント引き上げ、46年ぶりの低
水準である1%から1.25%になるという見方を織り込んでいただけに、30日には
0.5%ポイントの利上げもあるかもしれないとの思惑も生じ、先週は債券が急落、ド
ルは主要通貨に対し大幅上昇する結果となった。
こうした一連のFRB幹部の発言が、ドルを上昇トレンドに変えたのは確かだ。先週
1週間だけで、ドルは対ユーロで1ユーロ=1.23ドル台から1.2006ドル(11日のニュ
ーヨーク終値)へと2.2%も上昇し、対円でも1ドル=109円台前半から110.10ドル
(同)へと0.9%と1%近くも上昇している。
10日にはイギリスが政策金利を引き上げ、スイスも利上げを予定しているが、ECB
(欧州中央銀行)だけが利上げをためらっていることから、ユーロに比べて相対的
に利上げが近いドル資産に対する投資魅力が高まっており、市場では年内にはドル
は対円で1ドル=115円、また、対ユーロでも1ユーロ=1.13ドルまで上昇するという
見方が出てきている。
どの程度の利上げが今後行われるのかについて、グウィン総裁はあるヒントを示
している。同総裁は、直近のインフレ率の上昇については「一時的なもの」としな
がらも、「最近、大手航空会社が運賃の値上げをしようとしているが、低運賃航空
会社との競争激化で必ずしも値上げは成功していない。値上げを阻止する要因があ
る」とし上で、総合的に判断すると、「今のインフレ率は2001年よりちょっと前の
状況に似ているようだ」と指摘している。
これは、何を意味しているか? FRBは過去に、1988年から1989年にかけて3.31%
ポイント、1994年から1995年は3%ポイント、1999年から2000年は1.75%ポイントの
ペースで利上げを実施している。つまり、2001年の少し前をというのは、1999年6月
後半から2000年5月にかけての利上げ幅1.75%ポイントを指しているのだ。市場での
利上げをめぐる憶測は、15日に発表される5月の消費者物価と生産者物価の統計に注
目している。 (了)
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発 行 元 :「誰でも分かる!アメリカ経済情勢ファイル:ザ・裏読み」
発行責任者 :編集主筆 増谷栄一
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