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■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 第49号━■■
先週末の原油価格反落で、米航空株上昇に転じるも一過性か?
【2004年3月28日(日)】 − OPEC(石油輸出国機構)が予定通り4月から減産を
開始すれば、原油価格が高騰し、ジェット燃料の価格も上昇して経営が悪化すると
懸念され、先々週から株価が急落していた航空株が一斉に反発している。
反発は先週後半の25日から始まったが、26日には、全米No.1の航空会社、アメリ
カン航空の株価が43セント(3.69%)高の12.08ドルと2日連続で上昇した。また、デ
ルタ航空も同様に18セント(2.40%)高の7.67ドル。コンチネンタル航空も22セント
(1.79%)高の12.54ドルだった。航空業界全体の株価動向を示すアメリカン証券取
引所(AMEX)のエアライン・インデックスもこの日だけで2.42%も上昇している。
航空株が反発したのは原油価格が上昇から下落に転じたためだ。そうした変化が
現れたのは、24日だった。それまでは原油は急騰を続け、19日のニューヨーク・マ
ーカンタイル取引所(Nymex)での4月渡し原油先物の終値は1バレル(159リット
ル)=38.08ドルと38ドル台に上昇。一時は、13年ぶりの高値となる38.18ドルまで
急騰、40ドルの心理的な上値抵抗線まであと一歩と迫る勢いだった。
それが、24日にOPECのプルノモ・ユスギアントロ議長(インドネシアのエネルギ
ー鉱物資源大臣)が、最近の原油価格の高騰を懸念して、4月から当初予定していた
日量100万バレルの減産(生産上限枠の引き下げ、減産後は日量2350万バレルとな
る)政策を見直す可能性を示唆。また、他のメンバー国も減産幅の縮小や減産開始
時期の延期の可能性を示唆し始めたことから、原油の需給関係が改善すると判断し
て、価格が下がったのである。
原油価格が下がれば、当然、原油を精製して作られるジェット燃料の価格も低下
するので、営業コストの上昇に苦しんでいる大手航空14社にとっては、業績改善の
チャンスと投資家は見て、航空株を買い直し、株価が上昇したわけである。
Nymex原油先物(5月渡し)の価格はつい最近まで38ドル近辺で推移していたが、
24、25日と連続して下落し、26日も31セント(0.9%)安の35.20ドルへと一気に値を
下げた。しかし、ガソリン在庫は4週連続で低下しており、ガソリン価格は反対に1
ガロン(3.8リットル)=1.746ドル(26日)と着実に上昇してきており、米国民の
日常生活に深刻な影響を与え始めている。
これを察して、ブッシュ大統領は、11月の大統領選挙を控えていることもあり、
26日にOPECに対し、増産を要請したほどだ。こうしたことから、今月31日のウイー
ンで開かれるOPEC総会では4月減産が見直され、6月まで減産が延期になるのではと
いう見方が出ている。しかし、長期的にはいずれ、減産が実施されれば、原油は42
ドルにまで上昇するという市場の見通しは変わっていないようだ。
原油価格の変動の影響が最も大きい航空業界も大手は最近、ジェットブルー、サ
ウスウエストなど小規模航空会社に低価格運賃で攻勢をかけられ、乗客、特にビジ
ネス客を取られて苦戦を強いられており、そう簡単に原油価格の上昇を運賃に転嫁
するのは難しい状況だ。
全米No2の航空会社、ユナイテッド航空は2002年12月に破産申請し、現在、経営再
建中だが、同社は25日、最近の原油高と小規模航空会社との競争激化で、米国破産
法の適用から外され、本格的に経営再建が軌道に乗る時期と見ていた6月30日を断念
し、もっと先に延びる見通しを明らかにしている。ジェット燃料は2年前に比べて、
1ガロンあたりで50%も高い1.03ドルにまで上昇しており、毎年、数億ドルのコスト
上昇になっているからだ。 (了)
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発 行 元 :「誰でも分かる!アメリカ経済情勢ファイル:ザ・裏読み」
発行責任者 :編集主筆 増谷栄一
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