3分で読めるアメリカ経済情勢ニュース |
この記事の発行者<<前の記事
|
次の記事>>
|
最新の記事
■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■■
■■
■■ ◆3分で読めるアメリカ経済情勢ニュース◆
■■
■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 第21号━■■
米政府、ミニバンやSUV車の燃費基準の改正強化へ=米自動車業界有利に
【2003年12月27日(土)】 − 米運輸省の高速道路交通安全局(NHT
SA)は22日にミニバンやピックアップ・トラック、スポーツ・ユーティリテ
ィ・ビークル(SUV、日本でいうレジャーカー)などいわゆる“軽トラック”に
分類されている車両の燃費(1マイル当たりの走行距離)基準を2007年車モデ
ルから引き上げる法改正を実施すると発表した。
これらの車両は、かつては商業用途に使われていたが、最近ではアメリカも日本
同様に、ミニバンやピックアップ、SUVブームで市街地を走るファミリーカーとして
使われる傾向が一般的になってきている。
現在の企業平均燃費節約(CAFE)基準(Corporate Average Fuel Economy
Standards)は1973−1974年の第2次石油ショック時にアラブ湾岸諸国によ
る原油輸出禁止で石油製品の逼迫に対応するため、1975年に主に商用トラック
のガソリン消費を抑制する目的で導入された経緯があった。
今回は28年ぶりの改正となるわけだが、当時はまだミニバンやSUVなどといった
車両が存在していなかったが、現在では新車販売の50%(1980年は20%)
までこうしたミニバンやピックアップ、SUVなどの軽トラックがファミリーカーとし
て大量に売られるようになり、軽トラックがらみの交通事故の多発や環境問題の視
点から燃費の悪い車両の生産を放置するわけには行かなくなった事情がある。
法改正の詳細部分はこれから運輸省が自動車業界や消費者、環境保護団体など各
方面からヒアリングを重ね、2006年4月までに詰めるが、消費者団体や環境保
護団体からは早くもブッシュ政権はアメリカ自動車産業が有利になるような抜け穴
を作っていると批判している。
なにしろ、この“軽トラック”分野だと日本製のミニバンやピックアップ、SUVの
方が燃費規制は軽く超えているので影響はほとんど受けないが、困るのはガソリン
をがぶがぶと消費しながら走る大型で重量が重く燃費の悪い車を生産しているビッ
グ・スリー(GM、フォード、ダイムラークライスラー)だ。
ブッシュ政権は来年11月の大統領選挙向け活動資金を石油、自動車業界からす
でに190万ドル(約2億円)を集めているだけに敵に回すことは出来ない事情も
ある。
改正の主な中身は、今まで軽トラックは重量や大きさに関係なく一律に決められ
れていた燃費規制を重量別に分け、重量が重くなるほど燃費規制が緩やかになると
いうもの。もう一つは車両重量が8500−10000ポンド(3.8−4.5ト
ン)のトラックには課せられていなかった燃費規制を適用対象にするというもの
だ。
この影響をもろに受けるのは、8500−10000ポンドの範囲にあるGMのハ
マーH2やフォードのエクスカージョン、シボレー・サバーバンなどだ。ハマーH2
の場合、燃費は1ガロン(3.8リットル)当たり11−13マイル(17.6−
20.8km)で、日本式でいえば1リッター当たりの走行距離が4.6−5.5km
というからすさまじい燃費の悪さだ。
これが現在の法律ではメーカーが販売するすべての軽トラックの平均で2003
年車モデルは20.7マイル(1リッター8.7km)、2005年車モデルは平均
21.2マイル(同8.9km)、2007年車モデルで平均22.2(同9.4
km)マイルに達しないと罰金が課せられるが、今度の法改正では、この燃費規制基
準値が軽トラックの重量別で差が出るように見直しが検討される。
もう一つは同じSUVでも比較的小型のクライスラーのPTクルーザーは乗用車に近い
ということで従来の軽トラックの分類から、燃費規制が現在27.5マイル(同
11.6km)と厳しい乗用車に分類替えされると見られている。
ここで消費者団体が問題にしているのは、軽トラックに課せられている燃費規制
を現在の20.7マイルを徐々に引き上げていく場合、どの軽トラックでも一律同
じ燃費規制ではなく、重量が重いほど規制が緩くなるので、ビッグ・スリーは規制
を達成しやすくするために今までよりもっと重量の重いミニバンやピックアップ、
SUVの生産を進めるという点だ。
結果的にガソリン消費が増え、環境だけではなく、高速道路などでの交通事故で
乗用車に乗っている人たちが乗用車よりも横転しやすい軽トラック、しかも重量が
増した軽トラックによって引き起こされる事故の犠牲になるケースが増えると批判
しているのだ。 (了)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
発 行 元 :「誰でも分かる!アメリカ経済情勢ファイル:ザ・裏読み」
発行責任者 :編集主筆 増谷栄一
ホームページ :http://www.asahi-net.or.jp/~fl7e-mstn/usfile.html
メールアドレス:FL7E-MSTN@asahi-net.or.jp
ご案内 :さらに詳しい内容は有料メルマガ「誰でも分かる!アメリカ経済
情報ファイル:ザ・裏読み」でご購読を!購読料は月額500
円。最初の1ヵ月間は無料。見本記事参照や購読申込・解除は
http://www.asahi-net.or.jp/~fl7e-mstn/usfile.htmlで。
(現在バックナンバーを販売中。Webサイトでサンプル公開中)
…………………………………………………………………………………………………
Copyright(C)2000-2003【Eiich iMasutani】 All Rights Reserved.
全文、または一部の記事の無断転載および再配布を禁じます。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
この記事の発行者<<前の記事
|
次の記事>>
|
最新の記事
