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『あふりかくじらの自由時間』【95】
発行日時: 2006/11/10
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『あふりかくじらの自由時間』
【95】
http://africanwhale.net/
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ただ広いアフリカの大地のあるひとつの地点に、あるときふっとささやかに
現れるのが小さな村だったり。学校だったり。
あるいは、とてもこぎれいにデザインされた、アフリカ風のリゾート施設的な
ロッジだったりバーだったり。
こういうのもジンバブエの風景なのである。
そしてその「学校」は、やっぱりそういう現れ方をした。
これが先週訪れたところ。
★ ★
さて、お変わりありませんでしょうか。
1,500メートルの比較的高いところにあるのにもかかわらず毎日暑かった
ハラレですが、ここ数日は少し気温が下がる日が続いています。
空に雲が広がったりするものの、雨はなかなか降らない様子。
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そのボランティアの青年とハラレで知り合ったのは、わたしがまだ赴任してきて
間もないころだったように記憶する。
彼の活動先はハラレから100kmと少し南西に下ったところにあるとのことで、
かねてからぜひとも訪問したいと考えていたが、一年と少し越しにやっと
先週この希望がかなったのである。
いつものとおり、地方に行けるというだけで子どものようにわくわくしてしまう
わたしは、つくづくアフリカ好きなのだなと再認識して、楽しくなる。
いそいそとカローラにガソリン(というかディーゼルだが)を入れて準備をした。
★ ★
その「学校」は、もともと欧米の支援で80年代半ばに建てられたものらしく、
農業・畜産など、幅広い教育を実施し人々に自立のためのスキルを身に着けて
もらうところである。(詳細はうろ覚え。ごめんなさい)
ハラレから100km下った先の小さな町からさらに奥に入った場所にあり、
田舎丸出しのすてきな雰囲気の場所であった。
学生らも教師らも、多くはここで暮らしている。
家畜や畑などが広がり、それなりに敷地が広い。
栃木県に「アジア学院」という農業・畜産などを通した自給自足を目指し、
アジア・アフリカの若手リーダーを育てるというNGOがある。
わたしは何度もワークキャンプなどでその場所を訪れたことがあったが、
今回訪問した学校はそれよりもずいぶん広くて規模が大きい。
しかし、全盛期よりはずいぶん生産高が減ってしまったと彼は言う。
鶏小屋には一羽の鶏もおらず、牛は世話が悪いのか痩せこけていた。
★ ★
それでも、ここに来る道すがら何度も見かけた巨大な農場は、この国が
緑あふれるうつくしい農業国だということを物語っている。
だが、政府による土地改革の影響で、これらの広大な土地はほとんどが
十分役に立たないまま眠ってしまっている。
白人農場主から、農場をうばった。
この政策がはたして正しいことであったのか。
彼とおしゃべりをしつつ、ドライブしながらそういうことを考えた。
北東のムトコ方面とは全く違った表情のなだらかな丘、鮮やかな緑。
そして降り注ぐ太陽。
ジンバブエはうつくしく豊かな土地を持ちながら、食糧不足の危機に瀕している。
★ ★
わたしを案内してくれたボランティアの彼は、ここに暮らし農業を教えている。
教壇に立ったり、畑に出て実際に野菜を作ったり。
敷地の一角にはもともとクリニックとして使われていたらしい小さな建物があり、
彼はそこに住んでいた。
いちおう、停電・断水は頻繁ではあるものの、電気水道が引いてある。
質素な、それでもささやかで良い暮らしをしているんだなと思った。
こういうところでは何故か、いつも人と地球とのバランスが取れているように思う。
とても良い時間が流れている。
わたしはこの暮らしをとても好きになれそうな気がした。
★ ★
格差が広がっているのは日本だけでなくジンバブエも一緒だ。
とくに、いつも年率1,000%を越えるインフレ率は人々の生活を苦しめる。
そして、ほんの少しのお金で、多くの人々は暮らしている。
ハラレとの格差は大きい。
ジンバブエ消費者協会が毎月算出する貧困生活線(平均的な6人家族のひと月の
生活費)を大幅に下回る現金収入で、この国の人は生きている。
ましてや地方の質素な村々ではさらに低い現金収入である。
一方で、野菜などを自家消費用につくり、余った分を幹線道路まで出て
売ることで生計を立てている、なんて人も多い。
★ ★
いつもわたしは職場のひととレストランで食事をしたり、ぜいたくに買い物を
したりするわけであるが、その一回の食事よりもずっと安い月給で、
多くの人は生きているわけなのである。
外貨を持つ外国人の生活には、雪崩のように価値が下落していく
ジンバブエドルしか持たない人間は手が届かない。
これがこの国のシビアな現実だ。
★ ★
しかし、一方で明るく生きている村々の生活を見ると、いつも「正しい場所」に
帰ってきたように思う。(ブログにも書いたが)
今回訪問したところは学校だから、普通の村人よりは多少経済的、あるいは
社会的に恵まれた環境にいるひとたちが来るところだったのかもしれないが、
それはそれで、今、この大地でできることをして食物を「生産」し、
素朴な暮らしをしていくというのは、とても精神的に健康な気がする。
もちろん経済的には決して豊かな暮らしではないが、それを目指し、
近づいていこうとしている。つまり、スキルを積んで自立をするということ。
収入向上を目指すということ。
★ ★
ボランティアの彼は、二年間の短い任期と限られた予算等のなかで、
できる限りの工夫をしながら活動している。
新しい野菜を作ってみたり、プロモーション作戦を立ててみたり。
たくさんのことを実践している。
何よりも、自分の持てるスキルを最大限活用し、新しい挑戦もする。
そして、ちょうど良い距離でこの場所になじんでいる。
外国人だけれども、でも向き合うことで距離を縮め信頼を得ている。
これがとても大切なことだと思う。
このような姿勢を、見習いたいものだなぁとつくづく思う。
★ ★
外国人としてアフリカに暮らすというとき、自分は向き合わなくてはならない。
この土地の現実に、素朴な生活に、限られた経済状態に、そして社会に。
忘れてはならない「正しいバランス」なのであろう。
美味しいサザをご馳走してもらい、またハラレに向かった。
風が気持ちよくて、とびっきり派手な南アの音楽を聴きたくなった。
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少し郊外に出れば、ジンバブエはとてもきれいなところだといつも思います。
今日の夕日もとてもうつくしかったけれど、先週末の夕日はとくに
心に染みるようにきれいだと思えました。
でも一方で外国人として、どのようにアフリカと付き合うのかななんて
思いながら、わたしはハラレのぜいたくなフラットの暮らしに
戻っていくのですね。
読んでくださりありがとう。
あふりかくじら
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『あふりかくじらの自由時間』【95】2006年11月10日発行
【発行者】 あふりかくじら
【メール】 africanwhale@mail.goo.ne.jp
【URL】 http://africanwhale.net/
【ブログ】 http://blog.livedoor.jp/africanwhale
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