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『あふりかくじらの自由時間』【89】

発行日時: 2006/8/14

 ★.+・゜゜・。☆ ○o.+・゜゜・。○o.++++++++++++++




          『あふりかくじらの自由時間』

                           【89】

                         http://africanwhale.net/

 +++++++++++++・。+★・。・゜゜・☆ ○o.・..+・。★



シルバー細工のお店、パトリック・マブロス。
ハラレ中心部から車で30kmほど行った郊外にあります。

ジンバブエ出身のパトリック・マブロスさんが経営しているその場所は、
なだらかな高台にあり、広い広い大地が見渡せます。

こんな近くに、こんなすてきな場所があるのです。

(あふりかくじらノートに書いたものです:
 http://www.enpitu.ne.jp/usr1/bin/day?id=10741&pg=20060812


            ★         ★


いかがおすごしでしょう。

今は、昨日の思い出に浸りながら日曜日の夕暮れどき。
時間をかけてお料理をしようと思いながら、また通ったことのない裏道を
探してお買い物に行き(たくさん小さな道があるので)、家に帰ったところ。

連休です。
こちらもちょうど「英雄の日」があり、お休みです。


 ☆ ○o.+・゜○o..+・。☆


見渡す限りが自分の土地とは、大したものだ。
ジンバブエ出身のパトリックさんは、正真正銘のアーティストだろう。

高台の上に立つ「パトリック・マブロス」と名づけられたシルバー細工の店。
それから、いくつかの棟に分かれる(いずれも伝統的なアフリカ風の雰囲気が
漂っている建物である)工房や彼のアトリエ、そしていちばん眺めの良い
場所に店と並んで立つ家。

すべてにひとつの独特の空気が流れていて、置かれているすべての調度品や
ドアや窓や、床に転がった彫刻の原材料となる動物の骨などが
見事に調和しているのである。
それは彼の生き方やこの土地へのつながりを示しており、心地が良い。

この空気だけで、わたしは自分の精神がこの土地にしっかりと落ち着いてくる
その感触を覚えた。ここへまた来られて、うれしいなと思った。

実際、彼の店を訪ねるのは二回目である。


            ★         ★


シルバー細工は、細かいものが中心だが、バオバブの木をかたどったような、
直径一メートルくらいのものまである。
(非常に高価で怖くて触れない。触ったけど)

ほとんどすべてが、アフリカの動物たちをモチーフとしている。
小さくて細かいゾウ。
スマートなキリン、のっぺりと日向ぼっこをするカバ。バブーンなんかもいる。
よく見るととてもリアルであり、しかし愛らしい表情をしている動物たち。
それらが、ネックレスやブレスレット、チョーカー、リング、ピアスなど、
うつくしいアクセサリーになって上品に並べられてある。


            ★         ★


シルバーの輝きってこんなにうつくしいんだなとあらためて知った。
わたしの母は、天然石ビーズのアクセサリーをデザインしているので、
このような雰囲気にはわたしもすぐに馴染めた。
(母は、シルバーは使わないけど)

型に流し込まれるシルバー。熱く燃える炉。
そして、雰囲気たっぷりのパトリックさんのアトリエと試作品やスケッチ。
こんな空気のなかにいたら、たくさんアイディアが浮かぶんだろうなと思う。
彼のこの土地への、ひいてはアフリカへの愛情が強く感じられる。
シルバーの輝きは魔力がある。滑らかでまぶしくて。

母に見せてあげたら喜ぶだろうなと思いながら。


            ★         ★


シルバー細工のうつくしさもさることながら、しかし、特筆すべきは
この土地の美しさであろう。

ハラレというジンバブエの首都のはずれのほうに、ちょっとドライブすれば
こんなに広大な大地が広がっているというその事実なのだ。
なだらかな丘。
ところどころに、小さな森があり、その中をきれいな流れが通っている。
彼の敷地の中ですら、なんと野生動物がいるのである。

もちろん、わたしが住むハラレ中心部に近い場所は、そんなものはいない。
だから、個人的にはシルバーよりも動物に夢中になってしまった。
(お店なのに・・・)


            ★         ★


色んなお話を聞かせてくれながら、手作りのレモンジュースを出し、
シマウマが最近、子どもを守ろうとした鹿に殺されたこと、
飼い犬がヘビに絞め殺されてしまったことなどを話す。

自分の敷地内で、なんともワイルドな話である。

そうこうしているなかで、オフロード用のごつい三輪バイクに乗せてくれると
申し出てくれたパトリックさん。
信じられないようなでこぼこの土地を、砂煙を上げるバイクはものともしない。

彼につれられて下界に降り(ほんとうにそんな感じ)、広い広い台地を
さっそうと駆け抜けた。バイクの排気ガスのにおいと混じり、草のにおい。
それから森の木々のにおい。土埃とアフリカの風。

根っからのアフリカ好きのわたしとしては、大興奮である。
(ほんとうは動物よりも人間に興味があったはずなんだが)


            ★         ★


そこにいるのは、いろんな種類の鹿。
アンテロープとか、レイヨウというのか、わたしも名前をよく知らないような
ほんとうにいろんな種類がいる。
それからなんといってもシマウマである。

近くによっても、それほど逃げない。
シマウマの家族は、とってもくっきりとしたきれいな模様をしていて、
それから何よりもほんとうにきれいな身体をしていた。
野生のうつくしさなんだろうか。その肉付きとか、表情とか顔つき、
それから醸し出す空気に釘付けになった。
こっちをじっと見ている。こちらも、じっと見る。

鹿もすらっとしてうつくしい。
動物を見て、きれいだ・・・、とつぶやくとは想像もしていなかった。


            ★         ★


アフリカにいるくせに、こんなサファリもどきみたいなのは、一度大学生のとき
南アフリカはダーバン郊外で行ったとき以来、ほとんどはじめてである。

アフリカといえば野生動物、というような先進国の先入観に反発していた
自分であったけれど、実際、こんなに近くでも彼らに触れられるだけで
心に大きな収穫があったような気がする。
その雰囲気がすごいのだ。

あれはすこし、いつだったかざとうくじらを見たときの気持ちに似ていた。
だから、「くじら」にしたんだっけな。

なんとなく、大切に心にしまっておこうと思った。


            ★         ★


シルバーアクセサリーはきれいなんだけれど、ちょっと値段が張って
手が出ない。もっとも、日本で売られているブランド品のように
高くはないんだけれど、この国の一般的な価格帯を考えるとこれは
破格なのである。(リングでUS100ドルくらい)

昨日は動物(とくにうつくしきシマウマ)に夢中でお買いものをしなかった。
それでも、ここを出る日までには、わたしはきっとひとつ手に入れたいと思う。
この日のことを、思い出しながら。


 ☆ ○o.+・゜○o..+・。☆


ジンバブエにきたら、彼のお店を訪れてみては?
街の近くで、とてもすてきな雰囲気を味わえます。


パトリック・マブロスのページ。すてきなお店の様子も見られます:
 http://www.patrickmavros.com/index.php



読んでくださりありがとう。
ご自愛くださいませ。


                         あふりかくじら

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     『あふりかくじらの自由時間』【89】2006年8月14日発行

 【発行者】 あふりかくじら
 【メール】 africanwhale@mail.goo.ne.jp
 【URL】 http://africanwhale.net/
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*ちなみにシルバーではゾウさんに釘付け。き、きれいだ・・・。







 
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