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『あふりかくじらの自由時間』【84】

発行日時: 2006/4/6

 ★.+・゜゜・。☆ ○o.+・゜゜・。○o.++++++++++++++




          『あふりかくじらの自由時間』

                           【84】

                         http://africanwhale.net/

 +++++++++++++・。+★・。・゜゜・☆ ○o.・..+・。★


ハイデンシティ・エリア、つまり高密度の地域と呼ばれるいわゆる
タウンシップが、ハラレ郊外に点在しています。

以前書いた、レジナルド(【82】参照)の住むタファラ・マブク。
ここは、マラウィやモザンビークからやってきた出稼ぎ民とその子孫が
多く住む地域。
それから、エプワース、ハットフィールド、グレン・ビュー。

英国風の名前、それもスコットランド風の名前も多いのです。
(エディンバラ通り、というのもある)
ジンバブエがまだ白人至上主義政権のローデシアだったころ、
アフリカ人が夜間、町の中心部に入ることが禁止されていたとか。

「秩序回復作戦」で大きな被害を受けたのも、こうしたタウンシップです。


            ★         ★

いかがお過ごしですか。
桜が咲いているようですね。こちらでは、朝夕ひんやりとしてきました。
もう雨季も終わり、秋に入っているのです。

やがて、霜のおりる冬がやってきます。


 ☆ ○o.+・゜○o..+・。☆

         
その日はまた、久しぶりにうれしくて仕方の無い日だった。

ショナ語を教えてくださる先生の住む地域の教会で、イースターを前に
合唱コンクールのようなイベントがあるというので、連れて行って
もらえることになったのである。

            ★         ★


グレノーラという地域にその教会はあった。
それはいわゆるタウンシップの大き目のローマカソリック教会で、
その特別なイベントに参加するため、周囲の地区の教会からたくさんの
ひとたちが集まってにぎわっていた。

大勢の人たちが集まり、それぞれのユニフォームなどを見につけ、
うつくしい歌声を響かせる。
妙な偏見でも何でもないけれど、やはりこういうときアフリカのひとって
ほんとうにリズム感も音感もすぐれたひとが多いのは本当である。

大人も子どもも、きれいに、ため息をつかせるような和音である。 

            ★         ★


野外ではおばさんたちが大きな鍋を囲んで座り、シチュウやらサザやらを
作っていた。これを購入すると、若干の寄付になるのである。

わたしは、習いたてのショナ語で「サザとゾンドをください」と言い、
くすぐったいような温かい笑いに囲まれながら、手でつまんだ。

サザは、とうもろこしの粉でつくる主食。
ゾンドは、牛の関節を煮込んだもので、とても脂身が強く皮が分厚い。
この分厚い皮を手でちぎり、よく噛んで味わう。

値段は150,000ジンバブエドル。
そこいらの街中の食堂よりはずっと安い。
そして、なによりも普段ふつうのひとが食べているものなのである。

            ★         ★


肌の色が黒くないひとは、わたしだけだった。
外国人など、こんなところには来ないのである。

わたしはいつも以上に目立ち、子どもたちは珍しそうにわたしを取り囲んで
はしゃいでいた。(珍しそうに、わたしの肌を触る子もいた)
大人たちも、自分たちの写真を撮ってくれとせがむ。
ティーンエイジャーの男の子たちが、照れくさそうにしながら、しかし
ちょっかいを出そうとしてくる。

そこは、豊かとはとてもいえない人々が、質素に暮らすタウンシップである。
そして、ちいさな家々が所狭しとひしめき合う。
裸足の子どもたちが走り回る。暮らしぶりはあまりよくない。
とくに、この経済状態のジンバブエにおいては。

貧困生活線(Poverty Datum Line)という、政府が発表している数字がある。
六人家族が最低限の生活ができる金額である。
これはすでに800%に到達している高インフレ率の影響でうなぎのぼりであり、
とうとう3,000万ジンバブエドルになった。

そして、約90%のひとが、この金額に満たない給料しかもらっていないという。

            ★         ★


貧しいけれど、生活はまったく楽ではないけれど、なぜだかタウンシップに
いけたのは本当にうれしかった。
なんというか、「life」ということばを思った。

ここには、ハラレの、そしてジンバブエの本当の姿があると思った。
こうやって、強く生きている人たちもいる。
明日の生活も知れぬまま、それでも教会で歌い、笑うのである。

また絶対この場所に来よう。何度でも、来よう。
自分の大切な友だちの家のように。
そう思った。

わたしはまた少し、ハラレに近づくことができたのではないかな、と思う。


 ☆ ○o.+・゜○o..+・。☆


さて、前回のメルマガに関してメッセージをありがとうございました。
援助について書きたいことは尽きませんが、ともかくも妥協は許せません。
これは自分の仕事の範囲を超え、誰かの生活を壊す危険性を孕んでいるからです。

そして自分が賢くあるべきで、それを求められているのだと、そう思います。


読んでくださり、ありがとう。
これからもどうぞどうぞ、よろしくおつきあいください。


                         あふりかくじら

追伸:写真はこちら → http://africanwhale.net/glenora.html

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     『あふりかくじらの自由時間』【84】2006年4月6日発行

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*でもね、ゾンドは食べ過ぎるとちょっと気持ち悪くなるかも。
 ごっつい脂身なんだもの。ヤギの腸のほうはよかったけどね。








 
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