『あふりかくじらの自由時間』【74】
発行日時: 2005/11/3 ★.+・゜゜・。☆ ○o.+・゜゜・。○o.++++++++++++++
『あふりかくじらの自由時間』
【74】
http://africanwhale.net/index.htm
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高層ビル立ち並ぶハラレの街を少し離れれば、
ほんものの匂い立つアフリカの大地はそこにある。
でこぼこ道で、でこぼこ車をすっ飛ばし。
熱い太陽の光にさらされ、乾き、そして埃っぽい地面と電気や水道のない家、
それから古ぼけてガラスの割れたような商店が並ぶ。
女たちは大きな荷物を頭に載せ、背筋を伸ばして歩いている。
男たちは日が高いうちから酒浸り。地べたに座って油を売っている。
わたしは夢から醒めたようにアフリカにいた。
★ ★
11月になりました。
こちらは、空に雲が少し増えたような気がします。
陽に輝き、白くまぶしく映ります。
いかがおすごしでしょう。
☆ ○o.+・゜○o..+・。☆
土曜日、ジンバブエ人の友人が「ぼろ車」を調達してきて連れ出してくれたのは、
juruというところを越えた先、murehwaという地域であるらしい。
(何度きいても覚えられなかった・・・)
ジンバブエをよく知っているひとならわかるであろう、ハラレから30分〜40分程度
時速100km超の車で飛ばしたところにある。
8月にジンバブエにやってきてからというもの(もうそんなに経つのか)、
わたしは満足に街の外へでたことすらなかった。
いったいわざわざアフリカにまで来て、何をやってたんだろう。
本当にそう思う。わたしとしたことが。
★ ★
途中、通り抜けたのは誇りっぽい道。ある時点から舗装道路がなくなる。
日差しが強く、どこまでも平らな大地からなだらかな丘へ。
赤みの強い土の色と、水分のすくない砂の微妙なニュアンスの変化。
乾いた粘土状のブロックの家々に混じり、昔ながらの円筒状の壁に草葺き屋根の
小屋がならんでいる。樹木のほとんどない広い大地に、点在する村々である。
もちろん、電線もないので電気もない。水道もない。
それでも、ここでは大地があたりまえのままにそこにあるように思う。
その真ん中を、道だけが一本、どこかへ向かって走っている。
これは、いつだったかボツワナの田舎で見かけた風景に似ていた。
いかにもアフリカらしい、いままでずっと心にあった風景。
★ ★
途中、飲みもの(ビールだが)を買いに立ち寄った場所は、商店が並び
長距離バスが発着する場所だった。
ひとが集まり、ガラスの割れたような誇りっぽく汚い店があり、
独特のにおいがした。
日本人のわたしは、都会にいるときも目立つが、このように外国人がほとんど
来る機会のない場所ではあまりにも目立ちすぎていた。
「ビールおごってくれ」という声が酔っ払いの集団からおきる。
友人(ジンバブエ人男性)が一緒であったが、それでも酔っ払いは少々怖い。
外国人はお金持ちだと思われるし、実際、外貨を持っている外国人はこの国の
いまにも破綻しそうな経済においてとても強いのである。
そして、その格差はますます広がっている。
★ ★
しかし、こののどかな風景。
この国の都会は、どこの都会もそうであるように、どこかが歪んでいる。
でも、30分やそこら車を走らせれば、すぐそこに真実が待っている。
スーパーに物が比較的そろっている都会の中では気づかないところで、
実はこの国の食糧不足はますます深刻な状況となっている。
それは、ジンバブエの政治状況など、さまざまな要因で起きてしまったことである。
政府はかたくなで、強引な土地改革を行い、「違法」建築・店舗を一掃して
ホームレスを何万人と生み出し、農業生産は低下、これほど気候が良く
土壌の豊かな農業国ジンバブエが、食糧生産すらままならなくなっている。
それでも、人道支援の必要な状況などないと言い張る。
わたしが垣間見た、こんな村の風景などよりもずっと生活レベルの低い場所が、
同じ国の中にたくさんある。
★ ★
いままで自分は何をやっていたのだろう。
きれいな家に住み、大きなオフィスを持ち、車を走らせ、ガソリン不足のところ
誰よりも先にガソリンを入手している。
そして、レストランに行くことも出来る。インターネットもしている。
アフリカがほんの少し見せた本当の横顔が、脳裏に焼き付いて離れない。
これはごくふつうの生活。ほんとうに贅沢のない、人間の生き様。
ほんの一面だけだが、わたしはアフリカに帰ってきたという感覚を取り戻し、
自分のやってきたこと、やるべきことを確認し、夢から醒めた。
★ ★
わたしはどんどん、この国に近づいてきている。
ずいぶん時間がかかるけれど、わたしは自分のなかのアフリカを立体化せねば
ならないのだと思っている。
ひとつの側面を見ただけで、それを忘れてしまってはいけないとつくづく思う。
そう気づいたら、わざわざアフリカにきているのに、のらりくらりと過ごしていた
このふた月と少しの生活が恐ろしくなった。
★ ★
このことを呼び覚ましてくれたこのジンバブエ・プチ旅、
そしてそのジンバブエ人の友人との再会には大きな意味があった。
(エディンバラ大学のわたしと同じところで学んだひとである)
帰り道、大きな夕日が「アフリカらしく」傾いて、丘をなでていった。
牛に引かせた荷車に男たちが三人揺られ、夕暮れに影を延ばしていた。
わたしは、いまやっとジンバブエにきている。
ほんとうに、静かに。
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写真はこちらに。http://blog.livedoor.jp/africanwhale/archives/50204202.html
いつも読んでくださり、ありがとう。
日本はもうすっかり秋も深まったころでしょうか。
あふりかくじら
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『あふりかくじらの自由時間』【74】2005年11月3日発行
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*相変わらず呑んだくれた。
文字通りドラマティックな夕日に感動しながら、ほろ酔い。
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