Vol.157 2位チームに2つの朗報 〜チームの核・こうあるべし〜 松井政就の『よく遊びよく賭けろ』
発行日時: 2006/10/18
Vol.157 2位チームに2つの朗報 〜チームの核・こうあるべし〜
いよいよ日本シリーズが始まる。
我が阪神タイガースは「球史に残る追い込み」と落合監督からも賞賛された健闘及ばず2位。尊敬する王監督率いるホークスも“新庄マジック”の日ハムに下され、これまた2位という個人的には残念な一年だった。
それはまあいいとして、この2チームにそれぞれ朗報が飛び込んだ。
一つは金本選手の「生涯阪神宣言」だ。彼はFA宣言した上で阪神残留を事実上決めた模様。
「オレが移籍すると思うか? 十分あり得る? ないわ!」とアニキ節で残留を強調すれば、球団首脳陣は「彼抜きでは、ここまでのチームにならなかった。ずっとやってほしいですから」と、ファンの気持ちを代弁するかのように高く評価し、残留を手放しで歓迎した。
主力選手と事あるごとに対立していたかつての阪神はすっかり生まれ変わったことを印象づけられた。ぼくは常々セ・リーグ界は巨人から阪神中日に政権交代したと言っているが、阪神、中日の首脳陣がいつもこうした考え方をしていれば、今後も両チームの一騎打ちで動いていくであろう。そうなれば金権巨人はいよいよ蚊帳の外だ。(斉藤君、早稲田に行ってよかったね)
その巨人から脱出するのが元ホークス主砲の小久保選手だ。彼のホークス復帰はほぼ確実となり、王監督も「戻ってくれればいい?そうなってくれればいいね」と笑顔でラブコールした。
以前小久保選手がホークスから巨人に移籍するさい、ホークスのチームメイトがみな泣いて悲しみ、必至でそれを拒んだ事は記憶に新しい。それほど小久保はチームの核として、ホークスを作り上げてきた選手だった。小久保は巨人においてもチームメイトから慕われ、とくに今年も小久保が欠場する前と欠場してからのチーム成績が絵に描いたような雲泥の差となったことは強く印象に残った。
パーソイナリティこそ違えど、金本と小久保はチームの中心としてハートと技術を兼ね備えた逸材として共通項がある。この二人が出てくればファンとしては「何かやってくれるのではないか」と期待するし、敵としてはこれほど嫌な相手はいない。
スポーツである限り、勝つこともあれば負けることもある。金本や小久保だって凡退することはいくらでもある。しかしこの二人がいることで、チームは一生懸命戦うし、ファンもその結果に満足できる。それこそが「プロ」のする野球のあるべき姿なのだろう。
引退という話題もあってどのチャンネルを回しても新庄選手の話ばかりやっているが、新庄とはまた違ったタイプ(むしろこちらが正統派)のリーダーである金本・小久保の二人は野球界にとっての宝と言えるだろう。
そして、もう一言ぼくの勝手な解釈をつけ加えると、ホークスが3年連続でプレーオフを落としてしまったのは、いわば小久保という一つの大きな忘れ物のせいではないかと思っている。ホークスの選手はみな熱いハートの持ち主と聞くが、追い込まれた時、「小久保さんがいてくれれば…」と心のどこかで感じることもあったかもしれない。阪神の金本と今岡のように、松中という名人も小久保と二人揃うことで初めて本当の破壊力を発揮するのではないのかと思う。
来年は是非、金本タイガース対小久保ホークスの日本シリーズを見てみたいと思う。
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