Vol.150 「人権」という名の暴走 松井政就の『よく遊びよく賭けろ』
発行日時: 2006/9/25
Vol.150 「人権」という名の暴走
先日起きた高専校内で20歳の女子学生が19歳の同級生に殺される事件ほか、少年による凶悪事件が幾つか起きた。その匿名報道において、おきまりのように少年法の適用を巡って議論が起こったが、案の定、いつも出てくる自称「人権派」という知識人が犯人擁護の立場で熱弁を振るっていた。そうした者たちに冷ややかな目を送りながら、相も変わらず繰り返される少年法の抱える問題について思いを巡らせた。
少年法では、犯人の将来の更生のために犯罪時下での犯人の人権を保護することがおよその目的とされている。
しかし、そもそも「更生」とは何なのか?
法律ではそれが明確に定義されていない。どうとでも解釈されてしまう。 人権派という言論人が言うところの更生の意味をまとめてみると、「犯人が反省し、普通の人と同じように社会生活を営み、結婚して家庭を持ち、平穏に暮らすこと」と大体まとめられている。
ここで大きな疑問を持たざるを得ない。なぜならばその内容は、「誰もが抱く生活の理想像」であり、今の日本には犯罪など犯さずマジメに生きていたとしてそれすら手に入れられない人で溢れ返っているからである。
それは、「パートや派遣社員で働く収入よりも、全く働かずにもらえる生活保護の額のほうが多い」という矛盾とどこか似ているような気がしてならない。まさしく、この「更生」という未定義の言葉の裏に、正直者がバカを見る現実が見え隠れしているのだ。つまりぼくたちの住む日本では「弱者という名の権力の濫用」が横行し、「犯罪者」までもがその「弱者」の地位に収まろうとしているのである。
そもそもこの「少年法」という法律が間違っているとしか思えない。不適切な法律など掃いて捨てるほど存在する。その一方で、なくてはならないのに未だに存在しない法律もある。所詮は人間が決めたものなのにそれを絶対視し、それに縛られ、その本質に疑問を持たないこと自体、どうかしている。中には「これは悪法だ。しかし法だから正しい」と、わけのわからないことを言うものまでいる。
とある少年は、「犯罪を犯すなら中学生までのうちにやりきった方が得だ」と言い、別の少年は「人を殺したってせいぜい7年で出られる」「裁判官は正当な判決を出すことより、自分の出世に響かない判決を出すから、騙すのは簡単」とまで言う。 少年法がなければ、少なくともこうした発言は出てこないのではないか。そもそも「人権派」という連中がそういう「獣を野に放った」のだから、放った張本人が全部責任もって自宅に飼って監視する義務を負うべきだろう。
山口県光市の母子殺人事件など、欲望目的の面白半分に人を殺しておきながら、逮捕後にそれを自慢げに友人に手紙で書くという凶悪さだ。なのに人権派と称する弁護士は殺害の意図はなく「無罪」とまで言った。彼らにとっての人権とは所詮犯人の人権でしかない。真に恐ろしいのはその点なのである。なぜならそれは、信号無視して暴走しても罪に問われない車と同じだからである。こんな状況の中で、被害者ははねられることを諦めるしかないのだろうか? だれか答えを教えてほしい。
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