Vol.122 行き過ぎ 〜太陽誘電社長は辞める必要などない〜 松井政就の『賭け遊びコラム』
発行日時: 2006/2/9
Vol.122 行き過ぎ 〜太陽誘電社長は辞める必要などない〜
2月1日に太陽誘電の小林富次社長が辞任した。理由は、地方の商工会関係者などへの接待をした際、コンパニオンを招いて宴会を開いたことを、同社の監査役や取締役会から「豪遊」と糾弾され、辞任に追い込まれたというものだ。
報道によれば、小林前社長は8回行われた接待で合計約100万円を使用したそうだが、その金額のあまりにもの少額なことはもとより、地方の接待でコンパニオンを呼んだことのどこが問題なのかさっぱりわからないし、8回の接待で約100万円使用したことを「豪遊」と非難している点も理解に苦しむ。
小林前社長は「仕事上の接待で8回で100万円は、交際費、接待費として認められる範囲だと思う」と述べているが、まさにその通りだろう。こんなぼくですら接待を受けることがあるが、六本木でも向島でも、一人あたり10万円は当たり前だ。
小林前社長の場合は、あくまで仕事先への接待として行ったもので、呼んだコンパニオンも、地方の貴重な観光収入源である。しかも1回あたり全員分でたったの12〜3万円という格安の値段! 一瞬、コンパニオン一人の値段かと思ったくらい、これ以上良心的な価格は聞いたことがない。
一体これのどこが問題なのだろうか? これをNO!と言うとは、あまりに堅苦しく遊び心のないツマラナイ会社ではなかろうか。 「経費削減の折り、経営者から襟を正すべきだ」というような趣旨の発言を会社側はしているが、これは単なる行き過ぎだろう。
おかしかったのは、会社側が「刑事告訴は見送る」と答えた点だ。接待費として幾ら使用しようが、小林氏がコンパニオン代を横領したわけでもないのだから、そもそも刑事事件になりようがない。それを「刑事告訴は見送る」とはトンチンカン過ぎないか。
小林前社長は辞める必要など全くなかったが、こんな融通の利かないツマラナイ風土の会社なら、辞めてよかったかもしれない。 この程度の接待でクビにされるような会社では、ぼくなら10日も続かない。
おそらく今回の行き過ぎた糾弾は、そのコンパニオンと遊べなかったことに対する監査役の嫉妬だろう。もしもコンパニオンを呼ばず、地元の名士に都々逸でもやらせていたとしたら監査役は羨ましがらないから糾弾すらしなかっただろう。
報道によれば、小林前社長の元には従業員などから励ましの電話が殺到し、「自分は幸せ者だ」と言っているらしい。従業員はエライ。わかっている。辞めるべきはつまらんことを言い出した監査役だろう。
小林前社長はいっそそうした社員を引き連れてベンチャーでも作ったらどうだろうか? 無闇な株式分割さえしなければ結構イケルかもしれない。
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