松井政就の『賭け遊びコラム』 LasVegasからの中間報告
発行日時: 2005/2/1Vol.59 のるかそるか 〜ラスベガスからの中間報告〜
ラスベガスに来て既に半月が経った。 前回のコラムで、ベガスの様子をレポートすると言いながら、すっかりご無沙汰してしまった。というのも、一泊3000円もしない安宿に宿泊しておりネット接続がダイヤルアップしか出来ないため、更新するのが億劫になってしまっていたのだ。
さて、今回の取材では主に知り合いのカジノ経営者や現地の大学教授、そしてメディアの重鎮などとの情報交換が主な目的で、到着してからというもの、色々と厚く配慮してくれて、順調な仕事が出来た。特にjカジノの取材においては、カジノの責任者から、全フロアの取材認可を出してもらったことで、本来は不可能(=カジノでは禁止事項)であるはずのテーブルのゲーム状況をリアルにフィルムに収めることができた。勿論、顔が写っては困るお客さんについては配慮した上での撮影である。
このカジノは、ラスベガスでも3本の指に入るメガカジノで、前回のぼくの作品『賭けに勝つ人 嵌る人』(集英社新書)の中でも取材協力をしてくれたカジノであった。当時のマネージャーは今は別のカジノに移ってしまっていたのだが、前回の本でお世話になった事や、今回訪れた仕事の予定などを話すと快く応じてくれた。
そんなわけでマネージャーと仕事の話などをしながらフロアを歩いている時、目の前を歩いていたおじいさんが『腰が疲れた』と言ってスロットマシンに腰を下ろした。
そのじいさん、『折角だから試しにやってみるか』と、スロットに100ドル札を入れて1度回すと15ドル分が減った。
つまりそのマシンは5ドル×3=15ドルが一回の回転で掛かる台だったのだ。一度はギョッとしたじいさんだったが、そのままもう一度回した所が、何と何とジャックポット! いきなり5,840ドルの大勝利である。
『ひゃー、こんな事があるとは、驚いた』とそのじいさんは興奮気味。スロットが音を鳴らしてピカピカ光り、キャッシャーがお金を持って来るまでの間、時間つぶしに隣の台でもやってみると、今度は1,500ドルの当たり。ぼくらが前を通りかかるほんの1分の間に7,000ドル以上を稼いでしまった。
「こんな事ザラにありますよ」というマネージャーの言葉を聞きながら10歩ほど進んだところで、今度は女の人の悲鳴が聞こえた。 おや?とすっ飛んでみると、何と6万1,300ドルのプログレッシブジャックポットが当たっていた。(日本円で約650万円!)
幾らつぎ込んだのかと尋ねてみると、たったの400ドルとの事。
でもその話にも、 「よくある話ですよ」とマネージャーはにっこり。それもそのはず、その日の朝、ハイリミットスロットマシンで一撃2ミリオンドル(2億円!)の大当たりが出たばかりだったのだ。6万ドルなど小さいのだ。
「Congratulations! Mam」と、肩をポンと叩いてぼくらは立ち去った。勿論、そのぼくの手が震えていたことは言うまでもない。
今回の取材中、目にした事といえば、カジノでのスリ、しかもプレイヤーがテーブルに賭けたチップを、サッと横取りしていく集団がいたことだ。これは殆ど誰も気づかないほどの早業だった。しかし、密告などずれば命はない。取ることは勿論窃盗罪だが、自分が賭けたチップを取られても気づかないような者は、それこそ論外である。取られる方も悪いのだ。
やはり甘くないカジノの世界。
次回はそうした点についても話をしたい。今回はここまで。
松井政就
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