松井政就の『賭け遊びコラム』
発行日時: 2003/11/6JRAは 『大川慶次郎記念』 を作れ!
<ビル・シューメーカー元騎手死去に思う>
競馬史上、歴代2位の8883勝を記録して競馬殿堂入りしている米国の伝説的騎手、ビル・シューメーカー氏が12日72歳で死去した。 約150センチという小柄なシューメーカー氏は1990年に引退するまでの41年間の騎手生活で4万350レースに騎乗し、8883勝を記録した。 記録は後の99年にラフィット・ピンカイ・ジュニア騎手(パナマ)に破られているが、それによってシューメーカー騎手の偉業が色あせることは無い。
シューメーカー氏の死去を契機に改めて思うのは、記録として後の人間に上書きされることがあっても、最初に何かを成し遂げた人の功績は、後人がきちんと認め残しておかれるべきものだということである。
競馬に関係するならば、馬を走らせる側の人間は勿論のこと、もっと踏み込んで、馬券を買う側の人間の功績もぼくたちは認め伝えるべき時に差し掛かっていると感じる。
その点においてぼくが最も思うことは故大川慶次郎氏の功績を、競馬関係者、競馬ファンはもっと称え、伝えるべきではないかということである。
今の正統派と呼ばれる予想手法に「展開」という概念がある。どの馬が逃げあるいは先行し、それを後ろで見ながら待機する差し型がどれで、ペースが上がる最後の場面でどの馬が追い込みレースが決するかという、レースの展開によって結果を推理する手法は、その全ての始まりが故大川慶次郎氏によって編み出されたものである。
現在、数多くの競馬評論家がこの手法を用いて予想を行い、比較的新しい競馬ファンはこの手法が競馬とともに最初から存在していたかのような当然の概念として認識されているのであるが、その全てを大川氏が確立させたことは日本競馬史上の事実である。この、展開理論を大川氏が確立する以前は、血統における距離適性論や、厩舎間の人間関係理論などから推理する、というような考えが主体であった。
すなわち大川氏によって競馬の予想方法がダイナミックに変化し、多様性と論理性が高まったのである。当然のことながら現在の展開論は全て大川理論の支流に過ぎないのだ。
つまり大川氏によって日本競馬の予想手法は格段の発展が図られたことは事実なのだ。しかし、残念ながらそのことを伝え残そうとする動きは無いに等しい。誰もが、さも、当然のことのようにどの馬が逃げてそれをどれが追いかけて・・・と話していながら、それが大川氏によって作られたことを意識する人はいない。
来年度からJRAの50周年記念で、名馬の名前の記念レースが行われるという。確かにそれも良いアイデアだと思う。しかし日本の競馬が世界に類を見ない発展をしたのも、競馬が市民権を得たのも、競馬を楽しむファンが居たからこそであり、そのファンを増やしたのは他ならない大川慶次郎氏であるのだ。
JRAに切に希望したい。『大川慶次郎記念』というレースを是非、作ってほしいと。
松井政就
http://www004.upp.so-net.ne.jp/tjk/
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