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職場でトラブル!会社側も労働者側もいつ非常識な相手に遭遇するかわかりません。このメルマガでは具体例を取り上げ、法律上どのように解釈されるのかを解説します。小難しい条文を勉強しなくても、これを読めばOK




会社VS社員030(職掌の相違による待遇の差)

発行日: 2005/1/5

                         2005/01/05
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会 社 VS 社 員  訴えたら勝つのはどっちだ!?  第30号
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新年明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。


このメルマガの読者が合計で3,251人になりました!

どんどん、みなさまの周りにも起こりそうな話題を取り上げて行き
たいと思います。

もし、まわりに興味のある方がいらっしゃれば、転送してくださる
ようお願いします。



◆◆今回の訴え◆◆

「総合職と実務職では職務内容が同じなのに、給与が異なるのは差
別だ!」

             VS

「契約の自由の範疇である」


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労働者側も、会社側も、いついかなるときに非常識な相手に遭遇す
るかもしれません。

そんなとき、自分の身は自分で守るため、裁判で争うところまでは
いかないにしても、自分の正当性を訴えていく必要があります。

そのためには、法律上はどう解釈されるのか、その“境界線”を知
っておくことが大事!

小難しい条文をお勉強しなくても、これを読めば労働法の勘所がわ
かる、そんなメルマガです。


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◆◆事件の経緯◆◆

Aさんは、総合建設業を営むT社に勤めており、平成16年3月31
日に定年退職しましたが、その際に賃金の差別的取扱い等を訴えま
した。

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【職制について】

当社の職掌制度は総合職と実務職とに区分されており、私は実務職
に区分されていました。

しかしながら、総合職と実務職の間には、勤務地の差異があるに過
ぎず、実際に担当している職務内容については差がありません。

私について言えば、1級建築士、1級施行管理技士、インテリアプ
ランナーといった資格を取得しています。

また、労働大臣指定通信教育OJTマスターコース、革新管理者実
践コースをそれぞれ終了しており、T社内の工事技術賞、開発技術
賞等を受賞したほか、外務本省新館の設計やM銀行栃木芳賀ビルの
設計を担当し、さらに社内において先見性のある意見を述べる等、
一般的能力、設計能力、管理能力において、十分なものがあります。

しかも、私の世代の85%は総合職であるだけでなく管理職に就いて
います。

私の能力からすれば、管理職に値する要件を備えており、少なくと
も総合職には値します。

私と総合職との間には月額で約10万円の給与の差額が生じており、
このような差別的取扱いは法に照らし合わせて許されることではあ
りません。

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【暫定給について】

T社における一般職の基本給は、年令給及び資格給から構成されて
いましたが、T社な平成12年4月に給与制度を改定し、資格給の級
職・号俸を廃止して、初期基本給と上限基本給を定め、上限基本給
と従前の基本給との差額を暫定給と名づけて、給与をカットしやす
くしました。

私の暫定給月額7,650円は、平成15年4月から支給されなくなりまし
たが、暫定給カットの対象者は50歳以上が多く、差別です。

このような取扱の根拠として、私も加入している社員組合との労働
協約を挙げていますが、この労働協約は組合員の一部の者に著しい
不利益をもたらし、組合員間に実質的不平等を生じさせ、組合員の
労働組合及び団体交渉への合理的期待に著しく反するため、無効で
す。

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【昇給について】

私は、通常であれば毎年3,000円昇給すべきであるところ、平成12
年4月以降昇給がなくなり、逆に平成12年4月以降は月額3,000円、
平成14年4月以降は6,000円、平成15年4月以降は8,200円の減額とな
っています。

また、私は会社から不当な低査定を受けています。

会社が採用する成果主義においては、賃金が職務、役割、職種に即
しており、人事考課と賃金・処遇の決定が成果・能力に照らして公
正でなければならず、評価方法及び評価結果が労働者にフィードバ
ックされる必要があり、労働者の職務選択権の保証も重要であると
ころ、私には会社からのフィードバックや適性・キャリアに見合っ
た職務を与えられていないので、このような人事考課は権利の濫用
となります。

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上記Aさんの主張に対して、T社は、総合職と実務職とは労働契約
の基本的内容が異なり、両者の資格・給与制度に差異があることは
契約自由の範疇として当然に認められるものと反論しています。

また、新制度の導入に係る取り扱いに関しては、社員組合と十分に
協議を重ねたうえで労働協約を締結しており、特定の組合員を殊更
不利益に取り扱うことを目的として締結されたものではなく、規範
的効力を有し、Aさんにも当然適用されるとしています。

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さて、この訴えの結末は…


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会社側の勝ち:職掌の相違による待遇の差は問題なく、手続も妥当
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◆◆趣 旨◆◆


■ 総合職と実務職では労働契約の基本的内容が異なっており、資
格・給与制度に差異があるとしても、違法ということはできない

T社においては、以下のように区分されています。

【総合職】
既存の全ての業務のみならず、新規に発生する課題又は開発する業
務を含め、広範囲の業務に対応すべく義務づけられ、このため社命
により国内各地はもとより、海外への異動が前提とされる社員であ
って、現在及び将来にわたり通常の会社業務はもとより管理・指導
もしくは高度な専門業務を担当することを前提として職務を遂行す
る社員をいう。

【実務職】
各本・支店を単位として遂行される通常の会社業務の範囲内におい
て、本人の能力に適すると判断された職務を概ね一貫して担当すべ
く義務づけられ、このため本・支店をまたがる異動は原則として行
われず、本人が入社した当該本・支店の管轄範囲内においてその職
務を担当する社員をいう。

なお、実務職から総合職へのコース変更の制度もある。

このように、総合職と実務職は、職域、期待される能力、責任の軽
重、配転の範囲といった労働契約の基本的内容が異なっており、実
務職から総合職へのコース変更の制度もある以上、両者の資格・給
与制度に差異があるとしても、違法ということはできない。

そしてAさんは、自分が実際担当した業務が総合職と同じであると
主張するが、具体的な職務を指摘していない上、入社以来の職務が
全て総合職の社員と同様であると主張しているわけではないので、
総合職と同一賃金を要求するには不十分である。


■ 暫定給の廃止や減給については正当な理由が存在し、その根拠
となる労働協約も有効である。

T社と社員組合は、調査研究を行った上、社員への広報、懇談会、
職場会、臨時大会等の議論を経て、平成12年4月1日に従前の資格・
給与制度を改めました。

新制度導入の目的は、従来の年功序列的処遇から競争力重視の業績
貢献度に応じたメリハリのある処遇への転換を図り、よりチャレン
ジャブルな業績達成意欲の醸成を実現することにある。

その内容は、階層をシンプルにした上で、年令給を廃止し、能力レ
ベルに応じた実績を適切に評価し、昇給額に反映するというもので
ある。

Aさんが問題とする暫定給の廃止や、通常昇給がなく、かえって査
定により基本給が減額されていることには、いずれも正当な理由が
あるというべきである。

そして、T社と社員組合との間で締結された労働協約は、社員組合
内での十分な検討や複数回に及ぶAさんとの協議といった真剣かつ
公正な取組を経て合意されたものであり、特段の不合理性がない以
上有効であり組合員であるAさんを拘束するというべきである。

なお、この労働協約が、特定の組合員を殊更不利益に取り扱うこと
を目的として締結されたものとは認められず、他に特段の不合理性
はないというべきであるから、この労働協約は有効であり、Aさん
はこれらの拘束を受けるものである。


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◆◆参考判例◆◆

竹中工務店(賃金差別等)事件



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【編集後記】

事情により1回お休みさせていただきました。
大変申し訳ありません。


次号は1月19日(水)配信予定です。

ご意見、ご感想、その他取り上げて欲しい事例などございましたら、
info@hmpartners.jpまでお寄せください。


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が、実際の事件には様々な要素が複雑に絡んできますので、類似の
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