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藤原雄一郎の時事通信:北朝鮮には「圧力」と「圧力」

発行日: 2004/11/17

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    発行者  藤原雄一郎   fuji@inox-m2.com
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藤原雄一郎 政治と経済を語る
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メールマガジン180号   2004/11/17日発行(月・水・金発行)
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□□  北朝鮮には「圧力」と「圧力」   □□

拉致問題に関する今回の日朝実務者会議での北朝鮮の回答は予想通り、きわめ
ていいかげんなものでした。北朝鮮は自分たちに実利が無いと反応しない相手
ですから、このような無頼漢国家との交渉は強力な武器を手に「圧力」に「圧
力」をかけなければ進展しないのが常識です。

思えば二年前、小泉首相の電撃的な北朝鮮訪問は大成功だったと思います。あ
の時は国交回復で巨額の援助資金が手に出来ると北朝鮮は確信したのだと思い
ます。そこで将軍様が前代未聞の「みずからの過ちを認める」行動に出ました。
長いあいだ閉ざされていた拉致の重い扉が開かれた瞬間です。北朝鮮はこれで
「勝負あった」と思ったでしょう。

日本政府も当時は本気で巨額の資金援助をしてでも国交回復という名誉をかち
えたいと思っていたと思います。その本気度が北朝鮮に伝わったからこそ彼ら
も一歩踏み出したのです。ところが日本の国論は「北朝鮮憎し」で沸騰しまし
た。北朝鮮にとっては大変な誤算でした。

重い扉をこじ開けたまでは日本の勝利でしたが、今度は生きていることが確認
された「拉致被害者と家族」という人質を北朝鮮が持ってしまいます。巨額の
資金援助の夢破れた北朝鮮はこの人質を最大限に利用しました。日本の世論も
強硬でしたから結局食料援助と引き替えに人質を帰すことになったのです。口
には言い表せない苦難を経験された拉致被害者とその家族を「人質」などと呼
ぶ失礼をお詫びしなければなりませんが、事実はその通りです。

行方不明者をあくまで死亡したと言い張るかぎり北朝鮮に武器はありません。
日本側有利です。ところが小泉首相は自分の任期の間に国交正常化をはたした
いという希望を持っています。このこと自体が北朝鮮にとって大きな武器とな
ります。まずこの武器をきれいさっぱり捨てさせることです。それは小泉首相
自身が決定できることですから直ちに「このような不誠実な態度を続けている
限り国交正常化は諦めた」と高々と宣言することです。

そして日本から北朝鮮に渡る資金、物資を次第に狭めて、本当に北朝鮮が困る
事態に追い込まなければなりません。もともと無頼漢相手に「対話と圧力」の
対話など存在しません。「圧力」を巧妙に相手に伝える手段として「対話」が
あるにすぎません。これは国際政治では常識の事柄です。

利害が複雑に錯綜する国際政治の場では、正義とか平和とか大義が通用する世
界ではありません。これらの言葉は「圧力」を「圧力」と見せかけないために
利用されているだけです。最後は強い武器すなわち圧力に勝った側が勝利しま
す。これは何も国際政治にかぎらず、私がさんざん苦労した国際的なビジネス
の世界でも同じです。冷酷無惨で弱肉強食の国際政治やビジネスの実態を知っ
ていただきたいとおもいます。


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